小田原建築探偵〜大阪万博編      
左新聞記事より抜粋

エクスポホールではスライドマルチビジョンによる
「産業における環境の保護」がHBC映画社を中心
に再構成され上映されます。これは万国博の
スカンジナビア館が行ったものと同じテーマですが
中の装置は映写機をのぞいて全て新しく作られた
もので約三千万円の費用がかけられています。
エクスポホールは三つのゾーンにわけられており
54台のスライドプロジェクターから29のスクリー
ンへコンピュータにより映像が映し出されます。

Aゾーンでは現代人の環境と言うテーマで現代社会
のプラス面とマイナス面をわかりやすく取り上げてい
ます。Bゾーンでは現代の産業革新がもたらす良い
結果と悪い結果の比較をしながらスカンジナビア諸国
が一致団結して公害追放を世界に呼びかけます。
さらにCゾーンでは80台のプロジェクターが画面を
垂直投影します。これは直接床や観覧者の頭や衣服
に当って見えるようになっており小さな紙面でとらえ
個人的なメッセージとして受取るわけです。そしてプラ
スを型どったスクーンにスカンジナビア諸国が願う公害
の無い美しい世界がドラマチックに映し出され画像
展示を締めくくります。

映写ホールでは万国博の公式記録映画、北欧の文
化映画などを上映します。2階のスカンジナビアホー
ルは150人収容可能なホールで国際会議にも利用
できる映写装置や音響装置が完備されています。同
じく2階の特別展示室は北欧物産展、絵画展、万国
博のスチール写真展が入替り催されることになって
おり即売も可能になっています。
                                                                          
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幻のスカンジナビア館〜20 04.07




大阪万博でもハンドスクリーンと呼ばれる白いプラスチック板に垂直
投影された画像を受止める手法がとられたが、ここでもその手法が
再現された様だ。

謎に包まれたスカンジナビア館の内部、それは日本万国博記念館の
名の通り大阪万博におけるパビリオンの再現を目指し更に、バージョ
ンアップした展示内容であった様だ。

万博閉幕後、各地に移築された
幾つかのパビリオン。このサイトでも
紹介している通りその大部分は
建物の外観だけは、そのままで中身
の利用方法は様々だ。展示方法
の差はあれ、実際に建物を移築し
大阪万博の内部展示を再現しよう
としたパビリオンだったのではない
だろうか?


資料を提供してくださったKさんの話によれば、この会社のM社長
開幕約五ヶ月前の昭和44年11月のインタビューにおいて既に
「北欧のパビリオンの移築」について言及していたそうだ。

移築されたの多くはパビリオンは多分開幕後に”成約”されたと思わ
れる。このインタビューの詳細は解らないのだが未だ開幕していない
時期から(この頃は万博があれほど熱狂的な現象になるか否かは
判断
つかず、またスカンジナビア館の具体的展示内容や反響も
不透明で
あった筈だ。)このスカンジナビア館を名指ししていた理由
とは何だ
ったのだろう?