小田原建築探偵〜大阪万博編      
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ラオス館part3〜2006ラオス館の今〜14  2007.06


1971年6月5日 昭和寺建立を伝える新聞記事。
(南信日々新聞より)

「大阪万博のラオス館を本堂にして彫刻家 矢崎虎夫氏製作
の平和観音像を安置、仏教を通して世界平和を願う と諏訪
市霧ケ峰に建てられた中観山同願院昭和寺の落慶法要が
五日午後二時から、ラオスのチャオ・ニット・ノカム駐日大使
をはじめ関係者約三百人が参加して行われた。

チャオ・ニット・ノカム駐日大使は「このラオス館はラオスに
ある寺院を写した数世紀前のものでラオスとしても誇り高
きお寺である。その寺を建立した事で日本とラオス両国の
友情がいっそう深まったと思う。昭和寺を中心として仏教
心をますます盛んにして欲しい。そしていっしょに世界平
和を望みましょう。」と通訳を通して挨拶。

この昭和寺建立は諏訪市に本部を持つ世界平和同願会
が中心になって進め万国博で人気を集めたラオス館を移
築したもので高さ18メートル、トンガリ頭で朱色の屋根、
黄色の柱は緑の高原と対照的。本堂内には観音像の他
ラオス王国から贈られた国宝級と言われる木製の仏像も
安置される。」


この記事から、想像通り移築された当初の柱の色は会場
にあった時と同じ黄色であった事が解る。現在、柱の色は
濃いオレンジ色である事から、塗り直されている事は確実
だ。この時に屋根の顔も描かれたのではないか。 大分大
掛かりな改修が行われたと想像出来る。

この部分を当時の写真で確認してみれば、そこにはやは
り美しい装飾が施されている。新たに描かれた顔は残念な
がら少し漫画の様な雰囲気がする。


現在の建物をよく見れば処々オレンジの割れた部分から
以前の色と思われる黄色と言うか黄土色が見える。