必要とされる馬力

  一般に大出力のエンジンは高級車の象徴のような通念が有り、これを否定するものではない。

しかし初心者が最初に扱う自動車が、最強を争う物である必要はない。むしろ大出力の自動車を公道で

実用的に取り扱うためには、より繊細な出力管理を要求され、運転操作の作業負担を増大せしめる結果を

生むのである

 ここで昨今の道路事情を鑑みて指針を示すならば次の様になる。(但し、これは筆者の経験に負うものを

基準とする)

   カタログの主要諸元表に記載されている車両重量を最高出力(PS)で割った値は、すなわちエンジンに

かかる1馬力当たりの負担を表す数値となろう。

       例)ベルタの場合:車両重量 1040 [kg]/最高出力 87 [PS] = 重量馬力比 11.95 [kg/PS]

重量馬力比 [kg/PS]

カテゴリー

備 考

8以下

スポーツカー(競技用車両)

馬力過多

10〜15

快適な実用車

許容範囲

16以上

一部の軽自動車

馬力不足

  例えば現在、東京の環状8号線の法定速度は60[Km/h]となっているので、現実に一般車は70[Km/h]前後で

走行している。信号の無い路地から環状8号線に入り込む場合は、間合いを読む事が難しい場合もあるが、

重量馬力比が10〜15 [kg/PS]の自動車は、けして負担なく流暢に本線の流れに溶け込む事が出来よう。

  この事から言えるのは、「リッターカーは劣っている」という考えは間違えであり、税金面も考慮すると

2リッター(2000cc)の自動車は150馬力を使い切る運転士でなくば、まったく意味が無いと考える