悩みの果てに
ターボがF1にデビューしてから、大して時間をかけずに(とは言え2年は要したが・・・)、ルノーは
V6ターボをコスワースに並ぶまでに育て上げた。V型エンジンはシャーシーにうまく納まり、すべてを
左右対称にできただけでなく、吸気・排気の取り回しも短くなり、小さなターボ・ユニットが使える。
V6の利点は、エンジン全長が短くできる点である。F1の燃料タンクは運転席とエンジンの間に設置
されている。全長が短いエンジンを使用すれば、その分だけ大容量の燃料タンクを装備できる。
大容量の燃料タンクを装備できれば、大飯食らいのターボにとっては、誠に有り難い話である。
ルノーの技術屋は次々と新案を積み上げたが、個々の発想には夫々に意味が有っても、それらを組み合わせると
整合性が悪く、問題を解決する手段とならない場合もある。総合的視野に立った時に、まとまり良く問題を解決
する設計にたどりつくまでに、かなりの苦労が有った点は事実である。
(Fulcrum 著)