術策の色々

 話を冷却系に移すが、ラジエーターの他にインター・クーラーも必要とするターボ付きエンジンの場合、

車体内を通過し冷却に寄与する空気の流れも特段の考慮が必要となる。

 

 ルノーはラジエーターの冷却水を利用し、吸気冷却の2/3を水冷に1/3を空冷とするインター・クーラー

の小型化を図った。面白い事に、カウルを短く切り詰めてサージ・タンクも空冷しようとした痕跡がある。

これはサージ・タンクの冷却には役立ったと思うが、車体の空気抵抗は増大しているはずである。

 

 他のチームは、冷却水の増加を嫌ったようで、インター・クーラーは空冷が主流だ。ベネトンが珍しい試みを

行っている。B186では、カウル後半をルーバーにする事で、直接、冷却空気を後方に排出しているのである。

 

(Fulcrum 著)