一煎目は香り、二煎目は味

 不思議に思う事は、先駆者にこそ一日の長があると思いきや、後発組の方が前作を凌駕する作品を生み出す点

である。これは他の分野にもあることで、要するに後出しは強いのではなく、アドバンテージを追加したから

名を残したと見るのが正当な解釈だ。

 

1977年になって再び日の目を見たウィング・カーチャップマン先生の手で、より洗練された姿で蘇った。

ロータス 79

平面的な構成だが、マーチ 701物置小屋とは違い、突起物は無い。カンナム・カーから、タイヤ・ハウス

をくり貫いたような形状は、実に垢抜けている。

 飛行機におけるウイング・レットと同様にサイド・スカートを設けた事が成功の秘訣だ。

上図の赤枠の部品サイド・スカートである。マリー・アントワネットよろしく裾を引きずって走るので、

空気の漏れがない。この事が最大で自重の2倍強に及ぶダウン・フォースを生み出すために一役買っている

事は忘れてはならない。                              (Fulcrum 著)