モデリングの悩み 基礎と実践の隔たり 2
ではフロント・サスペンションは、どのようにすべきであろうか? 正にパイプのフレームだけである。
これをやるには3月3日の雛祭りを待たねばならなかった。 というか、例の菱形のお供物がヒントをくれたのだ。
イメージを掴めるだろうか? 要するに下図である。
というわけでモデルの本当の姿は、実のところ下図である。 ダビンチの真似をしているわけではないが、補線ならぬ
補面だらけだ。次にやる要素生成の作業は、幾重にも仕切られたブロック単位の長い挌闘となる。
地上と床との隙間、又はバージーボードとサイドポンツーンとの隙間には、何層かに分ける、無駄とも思える分割が
施してある。 これには深い理由がある。 狭路に入り込んだ気流は渦を発生させるのが常である。注) そうした渦が
流れを乱すわけだが、解析においても小さな渦が発生する部位では要素毎に流れのベクトルが ばらけているので、
要素の配列が整っていないと、計算の収束性が非常に悪くなる。今回のように限られた総要素数で解析する場合は、
要素配置を乱数に任せておくと、どの様な並びになるか分からないので、ある程度、強制的に要素を配置するための
方策として、空間を幾重にも分割したのである。
バージーボードとサイドポンツーンとの隙間を均一な幅にした方が、分割に都合が良いという理由で、「撫で肩」の
サイドポンツーンしたわけだ。
2005年頃から括れた正面形状のサイドポンツーンが一般的になるが、これは件の隙間を広くする事で、「抜け」を
良くするのが目的だと考える。ラジエーターが小さかった時代は「撫で肩」に出来たので問題にならなかったのも
しれない。
(Fulcrum 著)
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注) 空気の粘性のお陰で、壁面近傍と空間側では流速に差が生じるため、結果として剪断力が発生する。
この剪断力こそが壁面に発生する渦の原因だとする理論が、例の ナビエ・ストークスのなんとやら である。