影響値ルール


前置き

ここで説明する影響値ルールは以前から構想を練ってきたルールで
一応このサプリメントの二本柱の一つとして暖めてきたものです。
量も少なくなく、長いこと作成に時間をかけてきたのですが、
ただ、サイトを更新せずに黙々と作業をやるのも
なんだか問題があると思えてきたので、公開に踏み切りました。
特典については記述法も含めて細かいところの修正が必要ですし、
まぁ、量ばかり多くて考え方自体は全く目新しいものではありませんが(笑)
また、このルールは性質上、運用がアナログ的というか、
マスター=プレイヤー間のコミュニケーションがしっかり構築されていて、
(キャラクターのコンセプト、およびキャラクターのプレイ中の行動に基づいて、
マスターが"特典の取得、剥奪をコントロールでき、
そのことについてプレイヤーを納得させることができる状態、とでもいうのでしょうか。)
なおかつ、ワールドに対する理解をある程度要求する、
セッション内でのキャラクターの"生き方"こだわりを持って遊ぶというスタイルでないと
単なるマンチキンプレイヤーを助長するルールとなってしまう(笑)といった理由から、
選択ルール的な立場としての実装を考えています。







1.概要



影響値ルールとは何かということを、ぶっちゃけていってしまうと、以下のようなものです。

1)CP以外に影響値をいうものをセッションのときにもらえて、それでいろいろ特典が取れる。

2)影響値がたくさん貯まると、上記の特典以外にHPやPPが少し増えたりする。

3)影響値にはたくさんの種類があって、セッション内の行動に従ってもらえる種類と量が変わる。
  例)
   ・森から魔物を追い払ったので、森に神様の影響値をもらいました
   ・ある国の危機を救ったのでその国の影響値をもらいました。
   ・水の神様の神官を助けたので水の神様の影響値をもらいました。
   ・剣を常日頃から大事にしていたので剣の精の影響値が増えました。
   ・ある悪魔に捧げる生贄の捕獲を手伝ったのでその悪魔の影響値が増えました。
   ・力を得るためにある悪魔と契約をしたので、その悪魔の影響値が増えました。

4)影響値の種類によって、取れる特典は変わってくる。
  例)
   ・風の神様の影響値が高くなると。風や天候に関する特典が取れます。
   ・剣の精の影響値が高くなると、剣に関する特典が取れます。
   ・疫病に関わる悪魔の影響値が高くなると、
    疫病に関する(疫病をはやらせたり、自分だけは疫病に対する耐性を得たり)特典が取れます。
   ・ある国の影響値が高くなると、その国でいろいろと便利になったり有利になったりする特典が取れます。

5)いわゆる"邪悪な"こと(非常に大雑把な仕切り方ですが。)ばかりやって、
 "よろしくない"影響値ばかりもらっていると影響値がマイナスになっていろいろと困ったことになる。

 でも、それはそれで強力な特典が取れるのでデメリットばかりではない。

  例)
   ・影響値総合計がマイナスの者は"聖別された"武器で攻撃されると大きなダメージを受けます
   ・特典の中には影響値総合計がマイナスの者にだけダメージを与えるものも数多くあります

6)影響値を使ってもらえる特典はあくまでも"借り物"であるため、
 "借り主"の機嫌を損ねるような行動を取り続けるとその影響値は減り、
 最終的に特典が剥奪されてしまう。

  例)
   ・森の影響値の高いキャラクターがいましたが、森を荒らす行為に加担し続けたので、
    森の影響値を使って取った特典を全て失いました。
   ・剣の精の影響値の高いキャラクターがいましたが、強力な魔剣が手に入って、
    愛用してきた剣をあっさりと捨ててしまったので剣の精の影響値で得た特典を全て失いました。
   ・ある国に仕える騎士は仕えている国の影響値が高かったのですが、
    国を裏切ったため、その国の影響値によって得た特典を全て失いました。
   ・ある悪魔の力に傾倒していた人間が、その力の誘惑を断ち切った結果、
    その悪魔の影響値によって得た特典を全て失いました。



> 特典の一覧へ

注.Excelから出力したファイルのためリンク先の
ファイルは250kb近くの容量があります。お気をつけください。







2.影響値はどうやって得るのか、どうやって減るのか



影響値はセッション内PCが取った行動をGMが評価して与えます。
基本的にはセッション終了時に与えられますが、
場合によってはセッション中に与えられることもあります。
どういった行動すればよいのかは、
影響値をもらう対象(1.に挙がっているものでいうと、
「森の神様」「ある国」「剣の精」など。これを影響主体と呼びます。)に
よってある程度決まっており、別紙の特典一覧表の中の<行動原理>の項目に書いてあります。
また、セッション中に進行の邪魔にならない程度にうまくアピールすれば、
シナリオの趣旨に関係の無い影響値ももらえることがあるでしょう。
逆に<行動原理>に抵触、あるいは反する行動を取れば影響値は減少します。
基本的に影響値は影響主体のPCに対する信頼の度合いといえますので、
上げるのは難しく、下げるのは簡単です。また、影響値のうち、
"良くない"影響値はマイナスの値をとるので、低くなれば低くなるほど特典がたくさん取れます。

具体的にはセッション終了時に以下のような形でもらいます。


〜セッションの内容
 PCはある国(ここでは便宜上テラムという国にします。)の
騎士団の依頼を受け、
 魔物に襲われていたテラムの村を護ることになったが、
 戦力差がいかんともしがたく、それを打破するために
 半ばやけくそで村に保管されていた得体の知れない祭器の力を解放した。
 その結果、魔物は撃退できたが、その祭器の力は異界に由来するものであっため、
 村の周囲の森の一部が壊滅的な被害を被ってしまった。


以上のようなセッションが行われた場合、

森の神属:-1点
(意図的ではないものの、森に大きな被害が及んだため。)
テラム:2点
(テラムの依頼を受け、結果的に村人を救うことができたため。)
剣の精:1点
(セッション中に剣を大事にしていることうまくアピールできていたから。)
星の砂漠※:-3点
(開放した祭器の力の由来元であるため。
※が付く"良くない"影響値なので普通と違い、-が付くほどに特典がもらえます


このような感じで影響値がもらえます。
キャラクターの元の値が以下のようなものだとしたら、

セッション前の影響値 セッション後の影響値
森の神属:6点
火の神属:4点
テラム:7点
剣の精:9点
星の砂漠※:0点(本来は記入しません)
森の神属:5点【-1】
火の神属:4点【±0】
テラム:9点【+2】
剣の精:10点【+1】
星の砂漠※:-3点【-3】


セッション後は以上のように変化することになります。




注1.※が付く影響値とはどのようなものか
  文中では
が付く影響値を"良くない"影響値と
  非常にぶっちゃけた書き方で書いていますが、
  正確に言うと
が付く影響値とはPC達が暮らす地上とは
  異質な存在や世界に由来する影響値であることを示します。
  そのため、必ずしも
が付いた影響値の主体が"邪悪である"とは言い切れません。
  具体的に上げると以下のようなものの影響値に
が付きます。
   ・真なる異界の関係するもの
   ・地上と"対立"する小さき異界に関係するもの
   ・いわゆる"魔物"、"悪魔"に関係するもの
   ・不自然な状態で地上に存在している死者  etc.
・・・




注2.キャラクター作成時の影響値の振り分けと、キャラクターのそれまでの生涯
 この影響値ルールを採用した場合、基本的にキャラクターは作成時に
 15点の影響値を割り振ることになります。
 (この際に使い切らなかった影響値はシナリオに持ち込むことができません)
 この15点の影響値はある意味、そのキャラクターのそれまでの生涯を
 体現するものです。ですから、
マスターはプレイヤーがキャラクターの背景と
 明らかに矛盾する影響値の振り方をしている場合、
 キャラクター作成の時点でそれを却下することができますし、
 
シナリオの進行に悪影響を与えるとことが明らかであると判断した場合には
 特定の影響値の割り振りを却下することができます。

 また、影響値はキャラクターの性向、考えかたも表しますので、
 マスターの指定である特定の影響値を与えることで
 キャラクターに一定の性向、背景を与えるというシナリオハンドアウト的な目的に
 使うこともできます。
 









3.特典はどうやって取るのか



影響値が貯まると特典が取ることができます。
そこで、ここでは特典をどうやって取るのかを以下に実例を示しながら説明していきますが、
その前に、特典を得る際に関係してくる
"特典取得点"という数値が
影響値以外にあるのでその増減について説明します。
2.の例を使うと、影響値は以下のように変化しました。

セッション前の影響値 セッション後の影響値
森の神属:6点
火の神属:4点
テラム:7点
剣の精:9点
星の砂漠※:0点(本来は記入しません)
森の神属:5点 【-1】
火の神属:4点 【±0】
テラム:9点 【+2】
剣の精:10点 【+1】
星の砂漠※:-3点 【-3】




キャラクター作成の直後、キャラクターは作成時に
割り振った影響値と同じ値(絶対値)と分類の特典取得点を持っています。
今回の例ではセッション前に
ひとつも特典を取っていなかったということにするので
キャラクターは影響値と同じだけの特典取得点を持っています。
これがセッション後は得られた影響値に従って以下のように変化します。


セッション前の特典取得点(影響値と同じ値) セッション後の特典取得点
森の神属:6点

火の神属:4点

テラム:7点

剣の精:9点

星の砂漠※:0点(本来は記入しません)

森の神属:6点 【±0】
 (
影響値がマイナスされても特典取得点は減らない。
火の神属:4点 【±0】
 (影響値に変化が無かったので、特典取得点も変化なし。)
テラム:9点 【+2】
 (影響値が+2されたので特典取得点を2点もらえる)
剣の精:10点 【+1】
 (影響値が+1されたので特典取得点を1点もらえる)
星の砂漠※:3点 【+3】
 (
※が付いている影響値は影響値がマイナスされると特典取得点がもらえる。
 この場合、影響値が-3されたので、特典取得点を3点もらえる)


上記の例をまとめると以下のようになります。

・影響値が増えた場合
・影響値が減った場合
・※の付いた影響値が減った(0から離れた)場合
・※の付いた影響値が増えた(0に近づいた)場合



対応する特典取得点が同じだけ増える。
特典取得点に変化は無し
影響値がマイナスされた分だけ特典取得点が増える
特典取得点に変化は無し




それでは、セッション後の状態で特典を実際に取ります。
特典のとる前の影響値、特典取得点を改めて書くと、以下のようになっています。

現在の影響値
 森の神属:5点
 火の神属:4点
 テラム:9点
 剣の精:10点
 星の砂漠※:-3点
現在の特典取得点
 森の神属:6点
 火の神属:4点
 テラム:9点
 剣の精:10点
 星の砂漠※:3点


この状態で影響主体"テラム"から得られる"土地勘"をいう特典を取ります。
"土地勘"のデータは以下のようなものです

■ 土地勘
 影響値:8以上
 消費取得点:3
 内容:
テラム領内であれば方角を見失うことがありません。
     また、テラムの街へ向かうルートが漠然と分かるようになります。

この特典を取る際、確認すべきところは二つです。
 1) 影響値:8以上 ←テラムの影響値が8以上無いと取得することができません。
 2) 
消費取得点:3 ←テラムの特典取得点を3点使います。
1)についてはテラムの影響値が9あるので問題ありません。
2)についてもテラムの特典取得点が9あるので消費しても大丈夫です
ですので、この特典を取ります。
すると、影響値と特典取得点は以下のように変化します。

取得前の影響値 取得後の影響値
 森の神属:5点
 火の神属:4点
 テラム:9点
 剣の精:10点
 星の砂漠※:-3点
 森の神属:5点 【±0】
 火の神属:4点 【±0】
 テラム:9点 【±0】
 剣の精:10点 【±0】
 星の砂漠※:-3点【±0】
取得前の特典取得点 取得後の特典取得点
 森の神属:6点
 火の神属:4点
 テラム:9点
 剣の精:10点
 星の砂漠※:3点
 森の神属:6点 【±0】
 火の神属:4点 【±0】
 
テラム:6点 【-3】
 剣の精:10点 【±0】
 星の砂漠※:3点【±0】




次に"剣の精"の"歴戦の刃"という得点を取ります。

■ 歴戦の刃
 影響値:10以上
 消費取得点:0
 内容:剣が高品質相当になります。

この祝福も必要影響値はクリアしているので、取得可能です。
また、この特典は消費取得点が0ですので、特典取得点は消費する必要がありません。

影響値と特典取得点は以下のように変化します。(というか変化しない。)

取得前の影響値 取得後の影響値
 森の神属:5点
 火の神属:4点
 テラム:9点
 剣の精:10点
 星の砂漠※:-3点
 森の神属:5点 【±0】
 火の神属:4点 【±0】
 テラム:9点 【±0】
 剣の精:10点 【±0】
 星の砂漠※:-3点【±0】
取得前の特典取得点 取得後の特典取得点
 森の神属:6点
 火の神属:4点
 テラム:6点
 剣の精:10点
 星の砂漠※:3点
 森の神属:6点 【±0】
 火の神属:4点 【±0】
 テラム:6点 【±0】
 剣の精:10点 【±0】
 星の砂漠※:3点【±0】



● 非限定特典について

特典の中で特殊なもので"
非限定特典"というものがあります。
本来、特典は特定の影響主体に関係するものしか取れませんが、
"非限定特典"はどの特典取得点を使っても構いません。
例えば非限定特典の"聖化"は以下のようなデータとなっています。

■ 聖化
 影響値総合計:10以上
 消費取得点:3
 内容:PPを5点消費することによって、身に付けている武器、鎧、盾、
     いずれかを5分間の間だけ、"聖別されたもの"とすることができます。準備に一秒。

これを取得する場合、
条件として"影響値総合計:10以上"というものがあります。
これは影響値を全て足した値(=
影響値総合計。例では5+4+9+10+(-3)=25)が10以上でなければならないということです。
また、この特典を取る場合、消費する特典取得点はどの影響値を使っても構いません。
そのため、上記の特典を取った後の状態から

取得前の特典取得点 取得後の特典取得点
 森の神属:6点
 火の神属:4点
 テラム:6点
 剣の精:10点
 星の砂漠※:3点
 森の神属:5点 【-1】
 火の神属:4点 【±0】
 
テラム:5点 【-1】
 
剣の精:9点 【-1】
 星の砂漠※:3点【±0】

このように特典取得点を使っても構いませんし、

取得前の特典取得点 取得後の特典取得点
 森の神属:6点
 火の神属:4点
 テラム:6点
 剣の精:10点
 星の砂漠※:3点
 森の神属:6点 【±0】
 
火の神属:1点 【-3】
 テラム:6点 【±0】
 剣の精:10点 【±0】
 星の砂漠※:3点【±0】

このように使っても構いません。








4.特典以外のボーナス


影響値が貯まることによって、特典以外でボーナスが付きます。そのボーナスとは

1)影響値総合計に従って、HP等が増加
2)影響値に従って特定の対象との反応判定にボーナス

以上の二つです。(すべて端数切捨て)

・HPその他のボーナス(以下のうちどれか一つをセッションごと(もしくはシナリオ内の大きな区切りごと)に選択可)
 影響値総合計(絶対値)÷10-1】点の追加HP
 【影響値総合計(絶対値)÷8】点の追加体力疲労
 【影響値総合計(絶対値)÷8】点の追加霊力疲労
 【影響値総合計÷6】点の追加PP ※合計影響値がマイナスの場合は取得不可。
・反応判定修正(祝福表に書いてある対象に対して)
 【影響値(絶対値)/10】








5.特典が剥奪されるとき



影響値の減少により特典取得のための条件を満たさなくなった場合、
特典が使えなくなったり剥奪されたりします。
パターンとして以下のようなことが挙げられます。


・キャラクターの影響値が必要影響値を1〜5下回った場合
 →一時的にその特典が使用できなくなります。
 影響値が条件を満たすようになれば再び、その特典は使用可能となります。 

・キャラクターの影響値が必要影響値を6以上下回った場合
 →キャラクターはその特典を失います。その特典に消費した"特典取得点"は返ってきません。
 また、その特典が非限定特典で無かった場合、
 キャラクターの影響値が必要影響値を6以上下回った時点で
 その影響値は0となり、将来、その値が増えることはなくなります。

・そのほか
 →基本的にキャラクターはその特典を失います。その特典に消費した"特典取得点"は返ってきません。
 特典に特記がある場合はその記述に従います。


また、特に得点を取っていなくても、セッションを重ねていく中で
特定の影響値が合計で10以上減算(※付きの影響値の場合加算)された場合、
その影響値は0となり、それ以降変動しなくなります。
この状態から復帰するには、セッションを通じて
影響主体の"信用"を取り戻さなければなりません。
最終的にはマスターの判断によりますが、
影響主体の"信用"を取り戻すことをテーマとした
小キャンペーンをこなす位の手間がかかると考えてください。







6.影響値(影響値総合計ではありません)のおよその目安


〜5 一般人
10〜 信心深い人、信念を持った人物
20〜 特定の存在に仕える神官、ある強い信念の下に生きる人間(町に2〜3人)
40〜 特定の存在に仕える神官の中でも抜きん出た人物、
ある特定の信念に一生を捧げた人物 ※共同体・組織の影響値はこれが限界となります(国に2〜3人)
70〜 半神。(世界に数人)
100〜 神と同列??(歴史上数人)







7.影響値ルール導入の意図


これの影響値ルールというのは、
GURPSのCP制というものから大いに逸脱したものです。
もちろん、この影響値ルール内で挙げられている
特典に取得CPを定め、特徴として処理してしまえば、
GURPS BASICとの親和性はよかったと思います。
ただ、特徴として扱うにはいくつかネックがありました。
それは以下のようなことです。

1) このシステムの基本コンセプトとして、
シナリオ内での行動(シナリオ内でのワールドとの関わり)を
反映して特典を取得できるものにするということがあった。
またそれに付随して、"特典を行使するにふさわしく無い"キャラクターからは
特典を剥奪する、ということをスムーズに行える必要があった。
2) 特典を使ったキャラクターの個性化、多様化をプレイヤーが行えるようにしたかったため、
できる限り選択肢に幅を持たせたかった。
3) MAGICの魔法は整理されていて、サプリメント間の汎用性が高いのだが、
あまりにも即物的、論理的(科学な魔法、とでもいうのでしょうか。)なところがあるため、
MAGICにあるような魔法とは別の雰囲気を持った
(といっても、私がそう考えるだけなのですが。)独自の"魔法"を作りたかった。



細かいことをいろいろと…

"シナリオ内でのワールドとの関わり"によって得られる特典、
これが影響値ルール導入にあたっての一番の芯となるコンセプトでした。
しかし、特徴を取得するためのリソースであるCPは
基本的に、セッションにおいて"優れたプレイ"を行えたか、
ということを評価して与えられるもので、
"シナリオ内でのワールドとの関わり"というものとは
全く別のベクトルを持った評価ですから、
それを関連付けさせるのは私としては良い解決法とは思えなかったのです。

また、無理やり特徴として実装してしまったとしても、
"〜であること"といったような注釈をつけることになるのが予想できました。
さらに、取得のための前提条件を満たしているかという判断から
できるだけ恣意的なものを排除しようとすると、
さらに細かい条件付けがついてしまいます。
そこで、それらの条件を一元化し、
数値化するという目的で考えたのが"影響値"とその周辺のルールでした。
(実際の特典取得のための条件には
"前提となる特典"というものが加わりますが、
前提となる特典自体が影響値にしたがって取得されているため、
この目的に反するものではないと考えています)
もちろん、影響値はセッション中の行動を
マスターが評価して与えるものであるため、
システム全体で見ると、そこに恣意的な要素は多分に入りうるのですが、
プレイヤーに渡る時点で数字となってしまっているため、
恣意的な判断はあくまでGMの側に留まり、
プレイヤーサイドから見ると、GMに与えられた数字に基づいて
取得を条件を満たしているかを単純に判断できるわけです。
また数値化されたことによってPCがどのような立ち位置にいるのか、
あとどれくらいで、どのような特典が取得できるのかということを
把握しやすくなるのではないかと思っています。

また、これらの特典の中には特徴として扱ったり、
妖魔夜行の妖術を基準としてCPを計算すると
取得するのに100CP以上必要なものも結構ごろごろしています。
また、100CPとはいかないまでも、
通常、GURPSのセッションで与えられる0〜3CPで取得していくには
厳しいものがあります。かといってCPを多く与えると、
それはそれで特典以外にも使用できてしまうという問題点があります。
(取得だけでなく、特典の剥奪時
(場合によっては頻繁に起きうるわけですが)には大きなCPの減少が発生します。)
それに、セッション内である対象には貢献し、
それ以外の対象に不利益を与えたとすると、
その際に与えるCPをどう与えればよいのか、
というところで問題が生じてしまいます。
特典にだけ使用できるCPを渡すという選択肢もあったのですが、
上記の件については相変わらず解決できないということもあり、
それをやるくらいならば独立した独自の数値を
導入したほうが良いと判断しました。

いずれにしても、キャラクターのスペック全てをCPで表すという
GURPSの大前提を覆すことに変わりはないのですが、
そもそも、既に存在している気操法自体が
GURPS本来のバランスから逸脱しており、
元から他のサプリメントとの互換性やクロスオーバーの
可能性は放棄することを前提にしているので
これはこれでよいのではないかと思っています。







8.現在実装されている特典の大雑把な分類と今後の拡張について


現在実装されている特典は以下に挙げられる10前後のものですが、
最終的にはこれを様々な国や土地、組織(〜騎士団など)、"異界"、武器以外の精霊など
カテゴリで言うと50個ぐらいまで増やしていく予定です。


非限定特典:主にPPに関係するもの、および寿命に関係するもの。汎用性は高い。

海、水の神族:海上、水上での行動、雨、水に関わるもの、あと浄化系の能力に秀でる

火の神族:火に関わるもの。攻撃的なものもいくつかあるが使い勝手は微妙。

森の神族:森での行動、および、動物に関するもの。森に入ると非常に凶悪。

風の神族:風、天候に関わるもの。また、バランスの悪いところでの行動が有利になり、
戦闘でもかなり使えるものがある。ただし、行動原理が厄介で影響値を上げにくい。

星の神族:知識系、情報伝達系に強い。人心操作も得意分野。

剣の精:剣を使った行動一般。序盤はたいしたこと無いが、ある一線を越えると非常に強力になる。

槍の精:槍を使った行動一般。後は同上。

鎧の精:鎧に関すること一般。後は同上。

盾の精:盾を使った行動一般。後は同上。


以下は現在行っているキャンペーンのために作成したものです。参考までに・・・。

オーデル:オーデル国内での行動。

テラム:テラム国内での行動。魔除け系が多い。









Rule index

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