Grasshoppers 音楽製作メモ



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20110809 Foremika 録音
20101223 fence-sitter 録音
20100919 4年ぶりに再開
20061105 勉強の日々
20061002 水中撮影映像用BGM 作曲&録音
20061001 水中撮影映像用BGM 顛末
20060903 GPO 購入
20060830 サウンドトラック完成
20060730 愚痴をたらたら
20060723 サウンドトラック!
20060514 Green Bridge 録音
20060505 Panda Smile 録音
20060423 はじめに


 


20110809 Foremika 録音

妻のために書いた曲である(書いた時点ではまだ恋人だったが)。このような音源を公開するのは気恥ずかしくもあるが、一応渾身の作のひとつであり、曲そのものに恥ずべきところはない。ソロピアノで弾くことを考えて作曲したが、せっかく音源化するんだからということで、オーケストラをくっつけてみた。

まずはソロピアノで一通り演奏し、その上から手弾きでオーケストラ楽器やシンセを次々に被せていき、後から微調整するというやり方で制作した。やり方としては単純だが、全体を鳴らしたときに自然に響くようにオーケストレーションするのは難しく、長期間にわたり試行錯誤を重ねた。

ソロピアノヴァージョンは素朴で可愛らしい感じの小曲であったのが、オーケストラ楽器を被せたら大げさになりすぎたきらいはある。元々の曲のイメージとは違う雰囲気に仕上がってしまった。しかしこれはこれで現時点のぼくのアレンジ能力が応分に発揮されているので、ひとつのヴァージョンとしてはアリかなとも思う。

このヴァージョンには一つだけ妥協した点があって、B7でメロディーがA#の音を通るところがあるのだが(もとのピアノソロヴァージョンにはこの瑕疵は無い)、どういう風に処理するか一か月くらい悩んで、結局そのまま有耶無耶にごまかした。どこのことか、気づきますか?

こういうオーケストラ風の楽曲を制作する場合、音の積み方や動き方ももちろん大事だが、それ以上に各楽器のダイナミクスのコントロールが肝要だということを改めて強く実感した。

オーケストラ楽器にはGPOの音色を多用したが、一番容量を食うピアノ音色はGPOではなくLogic付属の音源を使用したためか、メモリに若干の余裕があり、フリーズしたり音切れしたりということはほとんどなかった(たまにはあった)。しかし今時メモリを1Gしか積んでないのは我ながら少なすぎると思う。メモリ増設したいところだが、そもそもぼくのiMac自体がもうかなり古くなってしまっているので、本音を言えば、MacもLogicも最新のものに買い替えたい。無理だけど。




20101223 fence-sitter 録音

久方ぶりの音源制作ということで、まず選んだのがfence-sitterというオリジナル曲だ。squiggle aheadというバンドでよく演奏していた曲だが、これを自分のピアノとベースで音源化してみた。

ピアノはGPOに付属していた音源を使用。そもそもぼくのピアノ演奏技術は非常に拙いので事前にみっちり練習したうえで録音に臨んだが、それでもなかなか納得がいく演奏ができずに100回くらい録り直した。当初はアドリブで即興的に録れたらなんて思っていたが、とんでもない! 何度も録り直すうちにだんだんフレーズも決まり切ったものになって、しかも情けないが、もうこれでいいやと見切りをつけた最終テイクでも納得いかず、MIDIデータをいじる羽目に…。ああ、ぼくはなんてピアノが下手なんだろう。この4年間の修行の意味って…。正直、かなり落ち込む。

ベースパートは、愛器のエレアコベースを使用。ライン録音とマイク録音、それぞれに良さがあったので、両方で録って半々くらいでミックスした。エフェクトはコンプを少しかけた程度。ベースソロの冒頭でコーラスがかかったような音色になっているが、どうしてこうなったのか分からない。ソロで緊張したため、身体の向きが変わってマイクが変な音の拾い方をしたのかもしれない。ベースパートもそれなりに練習したうえで十数テイク録り直したが、ピアノの録音で精も根も尽き果てていたので、もうあんまりこだわらずに適当に切り上げた。リズムもピッチも怪しいけど、まあこんなもんです。

ドラムパートは、シンバルを叩いている気持で鍵盤を叩いて録音。バウンスの具合やダイナミクスの加減などもあるので、リアルタイムで入力して、後から修正。本職のドラマーが聴いたら変に思われるフレーズもあるだろうが、まあそこまでこだわらなくてもいいよなと割り切ってやった。




20100919 4年ぶりに再開

さて久しぶりにこのページを覗いたらなんと4年も放置していたか。でもまた音源制作を再開することにした。これまでボツ曲しか公開していなかったが、ボツ曲でぼくの音楽性が判断されてしまうのは良くないと思ったので、今後は自信作を順番に音源化して公開していくつもり。

この4年いろんなことがあった。前のトピックでレッスンに通いだしたと書いたが、祖田修氏に師事して、音楽理論とピアノ演奏について基礎から勉強し直したのだった。特にピアノ演奏については椅子の座り方や姿勢、指の形などあらゆることを矯正させられた。また浜村昌子氏のレッスンも受け、アドリブをとる際のスケールの解釈など学んだ。さらにライブ活動の傍らジャズバーでセッションホストを務めるようになり3年以上たった。前と比べると総合的な音楽力がかなり上がったと自分では思っている。

音源制作を再開しようと思った理由の一つは、レギュラーバンドが活動休止してしまったことだ。いままではバンドのライブでオリジナルを披露する機会があったが、それが無くなってしまった。とても理想的なメンバーで活動できていたので、あらたなメンバー集めて新バンド作るよりも、いっそ部屋に籠ってひとり気ままに音源を制作しようと。

もうひとつは結婚したり働き方を変えたり色々環境の変化があり、これまでのようにライブ三昧の生活もできなくなったので、この機会に一度自分の作品を音源として残しておきたいなと。

またそのうち飽きて投げだすかもしれないが、せめて6〜7曲くらい制作するまでは頑張ってみようと思う。




20061105 勉強の日々

ここ数ヶ月で色々な曲を製作したが、改めて基本的な音楽の素養が必要なことを痛感して、きちんと理論を勉強しなおすために、しばらく前からレッスンに通ったりして、地道な修行をする今日この頃です。我ながら謙虚ですな。だってもっと完成度の高い曲が書きたいもん。

基礎の基礎から勉強しなおしてるが、今までおざなりにしてたことがいっぱいあるんだなあと反省しきり。まだまだホンマの初歩の段階でもあり「○○の弟子」を名乗るには早すぎるので、誰に習っているかはしばらく伏せておこう。




20061002 水中撮影映像用BGM 作曲&録音

作曲と録音についてどのように行ったか書いておく。まず最初に水中を撮影した映像(南国の海中で魚が泳いだり、ダイバーが魚と戯れている様子など)を見せられ、これにBGMをつけられるかと打診された。条件は4つ。

1.15分間の映像にあわせ、絶え間なく音楽が流れている。

2.ストーリー性が感じられるような起伏のある構成。

3.曲調は、海の神秘性を表現した穏やかなものにする。

4.ドラムは使用しないこと。

以上の条件を満たした楽曲を2週間でできるかと。いやあ、なかなか大変でしたぞ。とにかく15分間というのがキツイ。そんな長い曲なんか今まで作ったこと無いし。そこで、4曲くらい作ってメドレー風に繋ぐことにした。それによってストーリー性ってのもある程度出せるだろうし。まず作曲前に大まかに考えてみたアウトラインは以下のとおり。

1.オープニング。荘厳な感じで。2分

2.海底の静かなイメージ。ジムノペディーやドビュッシーの「夢」みたいな。4分

3.海流に乗って魚がたくさん泳いでるような動きのある曲。ライヒっぽく。4分

4.NHKなんかの生き物ドキュメンタリーのエンディングとかで流れそうな感じで。4分

5.エンディング(オープニングの使いまわし)2分

これで大体15分になる。早速このアウトラインに沿って作曲に取り掛かる。

まずはオープニング(とエンディング)。深海に入っていくような荘厳なイメージで、それっぽいコードをフワフワっと弾いてみて、それをシンセ音色で彩り完成。なにしろ納期のある仕事なので逡巡している余裕は無い。とにかくガンガン作り進んでいく。作曲とアレンジと打ち込みをほぼ同時に進めていく。

次は、海底の静かなイメージで、ピアノを前面に出して、ジムノペディー、ドビュッシー「夢」のような感じを念頭に置きつつ作曲。結構それっぽく出来たんじゃないでしょうか。こういう系統の曲は比較的得意だ。ざっくりピアノで弾いたものにシンセとストリングスをペタペタ重ねて完成。

陰性の静かなピアノ曲の後は、陽性の動きのある曲をということで、短いシーケンスを繰り返しながら音が加わっていくような曲を作る。当初の計画ではスティーブ・ライヒみたいな雰囲気の曲を書くつもりだったが、結果的に似ても似つかぬ変なものが出来上がってしまった。これが俺のオリジナリティーなんだ!と言っておくことにしよう(負け惜しみ)。コピペの連続で手抜きして作っている。パソコンでの打ち込みはこういうのが楽で良いね。

さて、どあたまから作曲とアレンジと打ち込みを同時に進めてきて、ほぼ計画通りのサイズで作り進んできたが、予想外に手間取ってここまで10日間ほど掛かってしまった。4日で残りを作らねばならない。NHKのドキュメンタリーのテーマっぽい曲にするつもりだったが、適当に鼻歌で歌ったような安っぽいメロディーになってしまったのは残念。だって実際に適当に鼻歌で作った曲なんだから仕方が無い。鼻歌でのメロディー主導型の作曲って、知っている曲を無意識にトレースしてるだけってことがままあるから、嫌いなんだよなあ。とにかく納期に間に合わせるように無理やりひねり出したので、このパートは自分では納得いっていないし気に入らない。この辺の自分自身との折り合いの付け方は難しいな。

最後のパートのメロディーを利用して楽曲全体のイントロを作り、さらにオープニングの曲をコピペしてエンディングとして使いまわす。ぶっちゃけ、時間稼ぎですな。Logicの機能で曲の秒数をきっちり調整するということが出来ちゃうので、依頼どおり15分ピッタリに仕上げて、ハイ、出来上がり! 最後の方は睡眠時間を削って削って、なんとか納品日の早朝に完成したのでした。

Logicでの打ち込み作業については、今回は困難を極めた。CPUもメモリの容量も内蔵ハードディスクも全て限界を超えてしまった。そんなに負荷の掛かるような重い楽曲とも思えないのだが、こんなものなのか。こりゃもっと凝った曲を作るようになったらえらいことになるぞ。

ちなみにメモリは1G積んでいる。それでも全然足りない。先日購入したGPOをとにかく使いたくて仕方なくて、無駄にオーケストラ楽器のパートを増やしたのが原因か。しかしこれでもパート数が多すぎるということは無いと思うのだが。参りましたね。

CPUパワーも全然足りない。CPUの使用状況をモニタしながら作業するわけだが、メーターはレッドゾーンに行きっぱなし。すぐにエラーが出るし、音も途切れまくる。ストレスも溜まる。

普通に再生しようと思っても途中でプチプチ途切れまくるので、フリーズトラックを駆使しまくって、それでやっと再生できる感じ。ところがフリーズトラックを使っても、内蔵のハードディスクではやはり再生が途切れることがあって、外付けのハードディスクを使って初めて動作が安定する。音楽データのファイルと同じフォルダにフリーズトラックのフォルダが生成されることから、元のシーケンスデータを外付けのHDDに記録しなければいけないことに気付くまで、音源をバウンスしようとしては、音切れのためにやり直すという不毛な作業を繰り返したのだった。

しかしこうやって出来た曲を、ちょっと間をおいて改めて聴きなおしてみると、Logicの操作云々以前に、自分の演奏能力とオーケストレーション能力を向上させねば、話にならんことを痛感させられる。Logicの性能が素晴らしいだけに、ある程度使いこなせるようになってくると、自分自身の音楽能力のつたなさがモロに表出してくるのである。GPOを使いたいがためにオーケストラ楽器を入れすぎて、アレンジ技術のアラが目立つようになってしまったというのもあるな。

ということで、Logicの操作を学ぶうちに、あまりにあんまりな根源的な課題をつきつけられてしまったというオチなのでした(笑)。

なお、当サイトに音源をアップするに際し、繰り返しなど冗長と思われる部分をバッサリとカットした上、全体のテンポも上げた為、曲のサイズは10分強に短縮されています。




20061001 水中撮影映像用BGM 顛末

記録映画の音楽を担当して以来、いくつかイベントやコマーシャル用の音楽を作ったりして、すっかり作曲家気分のぼくだが、先日、水中撮影の映像につけるBGMを製作して、それが結局ボツとなったので、反省しつつ、ことの顛末を記す。

いくつか一緒に仕事をさせてもらったカメラマンに、水中を撮影した映像があるので、これに音楽を付けられないかと打診された。未編集の2時間くらいの映像を見せられ、これを15分に編集しなおすので、それに合うような音楽が作れるかと。

自分としては、相応のギャラが望める「仕事」として受け止めたのだが(実際そういう感じのことを言われたし)、事前に詳細な打ち合わせや、ギャラの交渉を全くせず、いきなり走り出してしまったのがいけなかった。

2週間ほどかけて、きっちり15分の曲を作り上げて持っていったら、それを聴きもしないうちから、「やっぱり15分では短すぎるから30分の曲が欲しい」と言われた。拙い曲ながら自分なりに苦労して製作したので、まずこの時点で心が折れそうになった。最初から15分ということで作った曲だから、これを単純に2回ループさせれば良いというものではないし、新たに30分の曲を作るのは、仮に今の曲のモチーフを流用するにしても、あまりに大変すぎる。

さらに話をするうちに、このビデオは多分に趣味的に製作するものであって、もし買ってくれる人がいればギャラは発生するが、そうでない場合はギャラは望めないうえ、色んな人に観てもらえるかどうかも分からないということが判明した。要するに、今まで録りためた映像を個人的に編集してみただけのものだったのだ。頑張って2週間で仕上げたのに、実は納期も決まってたわけでもなんでもなかった。ことここに至って逃げ出すことにしたのだった。

作っていった曲はとても気に入ってもらえようだっただけに、心残りもあるが、何の見返りもなしに30分もの曲をあらたに作るほどの時間的余裕も精神的余裕も無かった。正直、15分の曲を作った時点で燃え尽きてしまったというのも大きいかな。力不足ですな。

あんまり最初からお金の話をするのはいやらしい気持ちがあったというのもある。しかしそれなりのギャラを期待して取り組む以上、そこはうやむやにせずにハッキリさせておくべきであった。この辺は経験のなさがでたか。もしもきちんとギャラがもらえたのであれば、それは相応の責任を担うことでもあるし、逃げ出したりせずに30分の曲を作り直していたのだけど。

今回の件は、勉強になったし、反省すべきところも多々あった。今後の活動に活かしていかなければならない。とりあえず出来た曲は、もったいないので当サイトにて公開することにします。作曲の手順なども書くので、よかったら参照しながら聴いてみてください。




20060903 GPO購入

GPO(Garritan Personal Orchestra)を買ってしまいました。オーケストラ音色のライブラリとしては最も廉価なものだが、それでも大いに満足。なかなか良いです。さっそく次回作から使わせてもらおう。




20060830 サウンドトラック完成

ぼくが音楽を担当していた記録映画がひとまず完成した。いや、完成といって良いものかどうか・・・。ナレーションの収録が行われないまま最終的なマスタリングが完了してしまったのだ。明らかに未完なのに、関係者はもうこれで良しとしている。初の映画音楽製作ということで大変張り切って取り組んだが、少しばかり残念な結末となってしまった。

映画の内容は、大阪の下町の駄菓子屋を復活させる取り組みを追ったドキュメンタリー。イベントを成功させるため汗をかく大人たちの姿や、集まった子供たちの笑顔を通して、地域社会での人のつながりや、子供たちがあつまる「場」の重要性をうったえている。いちおうキチンと編集され、音楽も入っているので、それなりに映画として観られるようにはなっているが、ナレーションが一切無いため、これを見て製作者の意図を汲み取れる人は少ないかもしれない。

撮影や映像の編集などはプロのカメラマンが担当していたのだが、ナレーションの収録をぐずぐずと延ばしているうちに、これ以上引き伸ばすと制作費用で問題が出ますよとなってしまい、あろうことか「ナレーション入れなくて良いんじゃん」というあまりにあんまりな結論に至ったのだった。十分な時間的余裕があったにもかかわらず、ナレーションがいれられなかったのは、製作企画の主体がNPO(非営利団体)であるがゆえのコスト意識の低さがあったように思う。まあ色々あったが勉強になりました。

どんな風に音楽を製作していったか記録しておく。

まず7月11日に記録映画に音楽をつけるという話をもらい、関係者と挨拶。約3時間の未編集ラッシュ映像を見せられ、映画のコンセプトを説明される。7月23日に映像を観ながらどのシーンにどんな音楽をつけるかミーティング、その日から本格的な音楽製作に入る。

曲数が多いことや、いろんなムードの曲を作らねばならない上、納期がおよそ2週間ほどということもあったので、まずはメインテーマを作り、あとはそれをアレンジしたり、テーマの一部分を抜き出しそれをモチーフとする手法をとった。オーソドックスなやり方だが、なるほど、プロの人もこうやってるんだろうなあというのが実感できた。

8月7日に全ての作曲、アレンジ、ミックスを終了。8月8日にスタジオで映像に音楽をダビングしていき、なんとその日の晩に関係者で試写会。(ホントはこの後でナレーションをかぶせる予定だったのだが)

最終的に17曲を製作。全部通して聴くと45分ほどになる。映像の尺に音楽をピッタリと合わせるというようなことをやった曲も数曲あり、自分としてはベストを尽くした。映像と綺麗にシンクロして音楽が流れてきたのを見たときは嬉しかった。およそ2週間でこれだけやれたということも、次への自信に繋がるな。

また他でも映画などのプロジェクトにかかわることが出来たら良いな。

おっと、Logic についても書いておかなければ。今回は内蔵のソフトサンプラーのみで全ての曲を作ったが、動作は概ね良好。前に書いたとおり、使える音色が思いのほか少なく苦労した。最初はピアノロール画面が分かりづらかったが、やってるうちに何とか馴染んできた。エフェクターの使用や、クオンタイズ、ミックスなどの作業にもだいぶ慣れることが出来たんじゃないかな。

曲が出来上がると複数のトラックをまとめて(バウンスして)AIFFのファイルにするわけだが、それまで作業しながら聴いていた音質と全然違ったように仕上がってしまうところが難しい。さらに出来上がったCDをラジカセなどで聴くと、また違った感じに聞えてしまう。この辺は失敗を重ねながら経験を積んでいくしかないんだろうか。




20060730 愚痴をたらたら

サウンドトラックを製作する作業の中で、否が応でもLogicの扱いに慣れてきたのだが、いろいろ不満点が出てきた。

まずソフトサンプラー。ほんの一ヶ月前に「ピアノとギターが素晴らしい」と褒めたばかりだが、数百種もの音色があるにもかかわらず、使える音色は極めて限られているのだ。こんなにたくさんの音色があるんだ!って喜んでた俺はアホやったね。

まず酷いのは、オーケストラ系の音色が少ないうえ、まともに使える音色が無い。リアルストリングス系は全滅だし、管楽器も使いにくい上バリエーションが少ない。オーボエやクラリネット、ハープ、ティンパニ等、基本音色も無い。パーカス類も少ないなあ。

シンセ系の音色はなかなか充実しているが、これまた使いにくい。エディットすれば良いのはわかるし、エディットもしやすいようにはなっている。しかしこういう大量の音色ライブラリーの真髄は、いちいちエディットなどしなくても目的の音色を手早く使えるということじゃないのだろうか。あと、抽象的な表現になるが、特にモーションシンセ系の音色のサウンドカラーが、陰性(?)な気がする。なんか全体に鬱々としているような暗いイメージ。押入れの奥に眠らせているTR-Rackの方が、よっぽど使いやすいし、良い音色も揃っていると思うなあ。

最初からこれだけ音色があるなら、ライブラリーを買い足す必要なんて無いじゃんと思ってたぼくが馬鹿だった。早急にいくつかの音色ライブラリーを購入する必要がありますな。

あと、MIDIコントローラーとしては、ノードエレクトロはあんまり良くないというか向いてないみたいだ。ダイナミクスの表現が総じておかしな感じになる。ホイール付のキーボードは現在マイクロコルグしか持っていないので、ベンド情報を入力する時に接続しなおす必要があって面倒くさい。ピアノタッチで76鍵以上でホイールも触りやすいところにあってアフタータッチもついてるMIDIコントローラーがあれば欲しいなあ。置く場所ないけど。




20060723 サウンドトラック!

Logicを扱い始めて間もない上、まだ大したこともしていないわけだが、映画のサウンドトラック製作の話が飛び込んできた! NPOが企画した、下町の駄菓子屋の様子を記録したささやかな記録映画だ。商業ベースに乗っているものではないのだが、とにかく映画音楽を担当するという少年時代からの夢が現実となってとても嬉しい。

いよいよLogicの機能を引き出していくぞという矢先に、こういう話が舞い込んできたのもタイミングが良い。がんばるぞ。




20060514 Green Bridge 録音

前回は生楽器オンリーだったので(ベースはエレキだけど)、今回はお気に入りのマイクロコルグを中心に据えつつ、ソフトサンプラーを使ってみた。LogicProの付属のサンプラーにはうんざりするほどたくさんの音色が入っているのだが、結局今回使ったのはピアノとギターとパーカスだけだった。まあまあ、できることからちょっとずつ。

題材は2004年に作曲した"Green Bridge"。「初対面の共演者が初見で楽に演奏できる」というコンセプトで作ったので、ぼくのオリジナルの中でも演奏のしやすさはダントツ。こういう打ち込み習作の題材としては、とっかかりやすいかなと。

まずはイントロとして、ソフトサンプラーのピアノでフリーな感じで演奏。それからメトロノームを鳴らしながらソフトサンプラーでパーカスとギターを演奏。MIDIコントローラーとしてはノードエレクトロを使用している。

ギターは、鍵盤で普通に弾いているだけなのに、上手い具合に「キュッ」というフレットノイズが挿入されてリアルな感じになってくれる。ところが、どうやったらこの音が出るのか、色々やってみたけど皆目わからない。まあ何にせよ、最近のサンプラーは凄いですね。

パーカスはソフトサンプラーに入ってるやつを鍵盤で演奏したわけだが、前回色々苦労してマイク録りしていったのと比べると何と楽なことか。しかし安易過ぎて、こりゃ堕落しますなあ。最初に敢えて手作りパーカスを多重録音なんて面倒なことをしたのは、とても良かったような気がしてきた。

次にエレアコベースを重ねたが、相変わらず音には満足できていない。いやあ、こりゃ難しいぞ。エフェクターとかで音をいじればいいのかなあ。おそらくアンプでデカイ音を出してマイクで拾えばもっと良い音で録れるはずなんだが、流石に自宅でそれをやる度胸は無い。

主役のマイコルは、メロディーとパッドをつまみをグリグリいじりながら演奏。どちらもプリセット音色です。サクッと弾いて終了。ちょっと安易過ぎるかな。でもこれ以上凝ったものを作れといわれても困る。

最後にピアノソロを被せて完成。演奏の下手さをごまかすため深めのリバーブをかけたら、まあ、これはこれでムーディーな感じになったんじゃないかな・・・(苦笑)。人の演奏やCDなどを聴くときはエフェクトの無い生々しい音が好きなんだが、自分の演奏となると話は別ということで。

普段からライブでちょこちょこと演奏している手馴れた曲なだけに、録り直しもほとんどなく、数日であっという間に仕上がってしまった。それにしてもこの付属サンプラーのピアノとギターの音は素晴らしいと思う。




20060505 Panda Smile 録音

まだLogicの詳しい使い方がわからないので、まずは練習がてらマイクを使った多重録音で一曲仕上げてみることにした。わざわざ新曲を作るのもあれなので、高校時代に作曲した中から、やりやすそうな曲ということで "Panda Smile" を選ぶ。シベリウスのヴァイオリン協奏曲にインスパイアされて作り始めたのに、出来上がったら某動物映画のテーマと似た感じになっちゃったというトホホな曲。しかし作曲を始めた当初の作品ということもあり、自分では結構気に入ってたりするので、これをリメイクしてやろうと。

ちなみにこれを作曲した当時は、PC-8801MAというパソコンで音を出していた。楽器の演奏は全くできなかったが、プログラムすることで色々な表現をしていた。今は、下手くそながらも色んな楽器を演奏するようになったが、そのかわりにプログラム的なことや打ち込みはさっぱり出来なくなってしまった。むずかしいもんですな。まあまあ、これからですよ。

今回の録音方法は、まずメトロノームに合わせてキーボードでガイドとなる物を弾いて、それを聴きながらマイクの前で次々にいろんな楽器を演奏して重ねていった。最後にキーボードのガイドを消して出来上がり。それだけ。もちろんリテイクはかなりした。ゆくゆくはオーディオデータの編集などもチャレンジしてみたいが、まずは背伸びせずシンプルな操作から覚えていく。

メロディカ、メロディオン、おもちゃピアノ、アコーディオン、メタロフォン(鉄琴)は、全部マイクの前で普通に演奏。最初から根を詰めると長続きしないと思ったので、完璧な演奏は望まずに、ちょっとくらいしくじってもやり直しせずにどんどん録っていく。

アコーディオンは空気漏れしてるオンボロだし、メロディカもピッチの狂いが激しいし、おもちゃのピアノは慎重に弾いても鍵盤が暴れて2度鳴りするし、当然どの楽器も普段から弾いているわけではないので、アーティキュレーション云々以前にミスタッチせずに弾くだけで精一杯だった。文句たらたらだが、まあ下手っぽさも「味」だよ、ということで無理やり自分を納得させる。

ちなみに鍵盤ハーモニカは左右にパン振ってて、左チャンネルがスズキ・メロディオン、右チャンネルがホーナー・メロディカです。それぞれ単独でメロディーを担当するパートを設けているので、同じ鍵盤ハーモニカでも音色の違いがよく分かるんじゃないかな。ホーナー・メロディカの方は、空気漏れが激しく、1小節吹くともう酸欠になりそうだった。もう買い替え時なんだが、これ結構高いんだよなあ。

苦労したのはエレアコベース。エレアコ特有の生っぽさを活かしたかったが、マイクで生音を録ると低音ばかりでモコモコになって輪郭がぼやける上、指板上のフィンガーノイズを拾いまくってしまう。アンプの音をマイクで拾ったり色々試行錯誤した末、結局ミキサーに直接挿して録った。正直、納得できる音には程遠い。そもそもエレアコベースというのは良い音を出すのは非常に難しい楽器なんだよね。しかしこれも、こんなところでつまづいていては全然進まないので、今回はこのへんで妥協。

フレットレスベースでソロを取ったり、エレアコベースをバッキングでも使ってみたりしたが、音域的に被りまくっててバランスが悪いな。まあ気にしない、気にしない! パーカション

パーカッションとしては、ちょこっと水を入れた2リットルのペットボトルを、ドラムスティックにタオルを巻いた手製のマレットで叩いたり、海苔の缶を叩いたり、ヤクルト容器に米を入れて作ったシェイカーを振ったり、アコーディオンの音色切り替えスイッチをカシャカシャ押したり、ウサギのビニールおもちゃをプープー鳴らしたり。パスコアル気取りですな。楽しかったけど、深く追求しだすと際限なさそうな世界だ。

パーカッション類は、とにかく演奏するのが難しかった。当初は適当に何でも叩いて音を出せば楽しいじゃんみたいな軽いノリで録り始めたのだが、ウワモノは少々甘い音が入ってもそれほど問題なく聴けるが、パーカスの場合それは許されないというか、一打一打、全く気が抜けないのだ。自分でやってみて、本職のパーカッショニストの凄さを思い知った。タンバリンとか四拍に一回パシャっと叩くだけなのに難しかったなあ。生まれつきリズム感が悪いもので、頑張ったもののグルーヴとは程遠いバタバタしたリズムになってしまった。これも味ということでご勘弁を。

ミックスの際、様々なエフェクターを使えるのだが、あんまりエフェクトかけると生楽器の素朴な雰囲気が失われてしまうので、鍵盤ハーモニカとベースソロにリバーブとディレイをかけるにとどめた。それにしてもうんざりするくらいエフェクトの種類があるのだが、どれも質が高い! これもちょっとずつ勉強していかないといかんなあ。

今回は幸いフリーズの嵐には見舞われなかったものの、一回だけ録音中に強制終了した。やはりあまり信頼性の高いソフトでは無いように思う。それとも他のソフトもこんなものなのかな? 他のシーケンスソフトは触ったことないが、動作は軽快で扱いやすく、現時点では特に不満は無い。オーディオばかり16トラック使ったが、能力的にはまだまだ余裕がありそう。ソフトシンセとか使ったらまた全然変わってくるんだろうけど。

他に特記すべきこととして、こういうパソコンソフトを使った録音にはレイテンシーという問題があり、実際に演奏する音と、ヘッドフォンから聞える音に若干のタイムラグが発生してしまうのだが、今回は細かいことは気にせずにガンガン録っていった。まあこの辺も次回以降の課題ですね。

ピアノ以外の演奏できる楽器をとにかく全部弾いてみたわけだが、アコーディオンとピアニカとメロディカ、おもちゃピアノとミニ鉄琴、エレアコベースとフレットレスベースは、それぞれ音色も音域もほとんど同じなため、アレンジ的にかなり無理がありますな。演奏面では特にアコーディオンが下手すぎてドキドキするけど、この手のおもちゃ箱をひっくり返した系の曲では、あんまり演奏がきっちりしすぎててもつまらないかもしれないよね!(って言い訳全開だけど)。

というわけで、Logicで製作した楽曲第一号が完成! まあ何といっても、自分の部屋で録っているので、ご近所さんに配慮しなければならないところが一番苦労した。アコーディオンとか納得いくまで録り直したかったが我慢の子なのだ。

上記のとおり、エイヤっと勢いで作った妥協の多い習作ではあるが、まずは一曲最後まで作りとおせたことでホッと胸をなでおろしている。ちなみにマニュアルや攻略本を見ながら全部で2週間くらいかかった。慣れたらもっとスピーディーにできるようになるだろう。やってみたら案外簡単じゃん、みたいな感じ。好感触。

しかし課題や宿題が山盛りですな。頑張るぞ。




20060423 はじめに

あまり大きな声では言えないが、音楽製作するためにシーケンスソフトのLogic6 Goldを購入したのが2003年10月。それから2年半以上(!)にわたり、ぼくはこの高価なソフトを放置しつづけてきた。

まあ言い訳は色々ある。バンドが忙しかったとか、Logic6のマニュアルが並外れて分厚い上に用語が難解で敷居が高かったとか。一番大きな原因は、最初にちょっといじってみたときフリーズの嵐になってへこたれたことかなあ。ところがモタモタしている間に、Logicはアップル傘下になり、LogicProへとヴァージョンアップされ、このままではイカンという焦燥感がつのってきた。

そこで一念発起して、いよいよLogicでの音楽製作に取り組むことにした。まだ難しいことは分からないが、とりあえずマイクで録音するのは出来る。ソフトサンプラーでも音を出せた。MTR(マルチトラックレコーダー)がわりに使うくらいのことはできるわけだ。まずはここから始めよう。

これからオリジナル曲の製作を通して、徐々にLogicの扱いに習熟していきたいと思う。








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by ようすけ