Grasshoppers エレアコベース雑記帳
開設日: 20080123 最終更新日: 20111123


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・ご挨拶  ・エレアコベースってどんな楽器?  ・エレアコベース奏法  ・長所と短所 

・サンプル音源 new!  ・エレアコベース掲示板  ・エレアコベースが聴けるCD 




ご挨拶

私は2004年からエレアコベースをメインベースとして使っていますが、これはなかなかクセのある楽器であります。ナチュラルなトーンが得られる半面、ハウリングしやすかったり、演奏場所やアンプ機材との相性によっては、望む音色を出しにくかったりします。そして奏者が少ないこともあり、この楽器にかかわる情報はほとんど無いのが実情です。

そこで、このページでは、エレアコベースというものについて、自分なりに色々思ったり発見したことを書き綴っていこうかと思ってます。あくまで主観に基づいて書いているので、真に受けられると困るところもあるかもしれませんが、とにかく情報が少ないので何かの役に立つことがあれば。

※この楽器の呼び方については、「アコースティック・ベース」「エレクトリック・アコースティック・ベース」「アコースティック・ベース・ギター」「エレアコ・ベース」等、色々あります。アメリカでは"Acoustic-Electric Bass"という風に、日本とは逆の語順で呼ばれることが多いようです。当サイトでは エレアコベースに統一します。

TAB-345
私の愛機 TUNE TAB-345
5弦フレットレスでフラットワウンドの弦を張っています。





エレアコベースってどんな楽器?


エレキベースに空洞のボディーがついたもの、あるいはエレアコギターを一回り大きくして低音がだせるようにしたもの、どちらが適当な説明かは分かりませんが、これがエレアコベースです。見た目は大きなエレアコギターといった感じで、ボディーの鳴りを活かしたアコースティックなベースサウンドが出せます。楽器としての歴史は比較的浅く、一般的に広まりだしたのはここ数十年くらいのものです。

ネック、指板のサイズがエレキベースと共通なので、エレキベースのテクニックがほぼそのまま使えます。もちろんピック弾きも、スラップ、タッピングもできます。

エレアコベースは基本的にピエゾピックアップで音を拾うため、細かなタッチも生々しく表現できます。マグネティックピックアップを搭載したモデルもあり、これは通常のエレキベースに近いサウンドが得られます。生音が豊かであるため、マイク録りも可能です(モデルによっては生音の小さいものもあります)。ギターと比べると音量は小さいのでライブの際はアンプが必須です。




エレアコベース奏法


前述のとおり、基本的にはエレキベースと同じテクニックがそのまま使えます。スラップは向いてない気がしますが、敢えてやるのも面白いかもしれない。まあエレアコベースだからといって特別なことは何も無いです。

エレアコベースの多くがピエゾピックアップを使用しているため、たとえば爪でコンコンと指板や本体を叩けば、その音も拾ってしまいますが、逆にそういうノイズを利用したダイナミックな演奏も出来るということです。

エレキベースからの持ちかえで注意すべき点は、特に立奏する場合、ボディーの厚みの分だけ指板が遠くなるため、音程の視認が困難になることです。指板をよく見ようとすると猫背になって恰好悪いうえに演奏上も問題がでてきます。ソリッドタイプのベースとは演奏フォームを変える必要があるかもしれません。




エレアコベースの長所と短所


エレアコベースの長所短所を思いつくまま挙げてみます。あくまでぼく個人の主観によるものであり、エレアコベースが一般的にこういうものだと言ってるわけではないのであしからず。

まず長所として筆頭に挙げたいのはナチュラルな音色。そして音の減衰が早いこと(これはぼくの楽器がフレットレスであることも大きいのだろうけど)。特にジャズの4ビートを演奏する場合、ボンッ、ボンッ、ボンッ、ボンッ、という感じに一音一音が際立つので、普通のエレキのフレットレスと比べると、ドライブ感が得られやすい。自然な減衰なので、スローを演奏するときも、空気感のあるアコースティックな雰囲気が出せる。もっとも、減衰が早いということは、やる音楽によってはマイナス点になるかもしれませんが、やはりこの音色こそがエレアコベースの最大の魅力でしょう。

見た目の与える印象というものあります。アコースティックな外観は、小編成のバンドや、ボサノバのような音楽にはよく合います。またユニークな楽器なので、一度セッションやライブでご一緒した人には、よく覚えてもらえるというのも長所のひとつです。あまり楽器に詳しく無い人からは、ずっとギタリストと勘違いされていたこともありましたが。

腰痛持ちのぼくにとっては本体が軽いというのも重要な要素です。エレキベースより軽いくらいなので、長時間の立奏でも疲れません。ただしハードケースが重い(特殊な楽器なのでピッタリ合うソフトケースが無い場合がある)ので、運搬は結構しんどいです。

生音が結構大きいので、練習の際にアンプに繋ぐ必要が無いこともメリットのひとつですが、反面、夜間の練習がしづらいということもあります。

TAB-345
ハウリング防止のため常にホールをゴム製のカバーで塞いであります。それなりに効果はあります。
短所について、やはりハウリングのことは言っておかなければならない。ぼくは主にアコースティックなジャズバンドで使用しているので、そんなに大きな音を出すわけではなく、幸いにも今までそれほどハウリングで悩んだことはありません。しかし、スタジオやライブハウスによっては、ハウリングしまくって、まともに演奏できなくなってしまうことがあるので要注意です。ジャズバーやカフェくらいならそんなに神経をつかわなくても大丈夫とは思いますが、ロックもやったりするようなライブハウスで演奏する場合は、予備にエレキベースを用意しておくのが吉です。

あと、やたら音の大きなロック系ギタリストとの相性は最悪です。歪んだ音でガーンと爆音を出されると、大概ハウリます。ハコ以前の問題です。ハウリングキャンセラーやグラフィックイコライザーなどの機材を試したこともありますが、あまり効果はありませんでした。結局のところ、そういうギタリストと共演する場合は、うまくコミュニケーションをとって、音量を控えてもらうのが最善の策だと思います(しかしこれが至難の業なんだ)。

アンプによっては、エレアコの持ち味を発揮できないものがあるというのも注意点です。ライブやリハの際には、事前に備え付けのアンプの種類を確認しておいたほうがいいでしょう。もちろん、自分好みの音を出せるアンプを買って、それを持ち歩くようにするのがベストなんですが、ベースアンプはデカイし重いし、毎度持ち歩くのはかなりしんどいですから、色んなアンプでセッティングの仕方を調べておいた方が良いです。

最後に、これは短所というか、このベースを使いはじめてからの悩みなんですが、音色が中途半端にウッドベースに似ていることもあり、ジャズなどを演奏していると、「どうしてウッドを弾かないんだ?」みたいなことを言ってくる人がたくさんいます。しかし、スティーブ・スワローやアンソニー・ジャクソンに向かって「ジャズやるならウッドを弾きなよ」みたいなことを言う人はいないでしょうから、ぼくがまだエレアコベースの良さを引き出しきっていないということなのでしょう。「さすがエレアコベースだ!」と言われるようなプレイヤーになるのがぼくの目標です。




サンプル音源


ここで自分の演奏を晒すのは少々気恥ずかしくもありますが、やはり実際に音を聴いていただくのが一番早いので思い切って音源をアップしました。簡単な宅録ではありますが、ウッドでもエレキでもない、エレアコベースならではの音色が分かっていただけると思います。

※上の動画がうまく再生されない場合は、音楽室から"fence-sitter"というタイトルの曲をダウンロードしてください。

recording
見づらいですがマイクが中央にセッティングしてあります。生音はこれで拾いました。シンプルです。

今回録音したのはジャズ風のオリジナル曲です。エレアコベースの特色を際立たせるために、ベースソロではウッドベースだと難しいであろう細かいパッセージを織り込もうとしましたが、上手く指がまわらず少々恥ずかしいことになってしまいました(苦笑)。ぼくのエレアコベースは5弦あるので、Eより低い音も普通に使っています。

使用楽器はTUNE TAB-345(fretless)、DAWソフトはLogicPro7、ラインとマイク両方で録り、ちょうど半々の割合でミックスしています。マイクはSM57で、10cmくらい離してホールを狙いましたが、難しい個所で思わず出た唸り声も拾ってしまっています。エレアコベースの素直な音を録りたかったので、録音後にLogicの側でコンプをかけた以外は、特に変わったことはしていません。ベースソロが始まった直後、コーラスがかかっているように聞こえますが、ノーエフェクトです。どうしてこうなったのか原因はわかりませんが、おそらくソロで緊張して身体の向きやポジションが変わり、マイクが変な音の拾い方をしたんじゃないかと。本当はアンプから出した音をマイクで録りたかったのですが、マンション住まいなのでそれは不可能でした。録音のやり方によっては、もっとウッド寄りにしたり、エレキ寄りにしたり、あるいは自分のオリジナルな音色を目指したり、色々と自由な音づくりが出来るはずです。




エレアコベース掲示板


http://6023.teacup.com/eleacobass/bbs

閲覧パスワードは [eleacobass] です。エレアコベースに関わることなら何でも気軽に書き込んでください。「自分もエレアコベースやってるよ!」程度のあいさつだけでも大歓迎です。

閑散としている状況ではありますが、情報や質問等がある方は、ぼくに直接メールを送らずになるべくこちらの掲示板に書き込んでいただけたらありがたいです。ただでさえ情報の少ない楽器ですから、誰もが閲覧できる形で情報を蓄積出来た方が良いので。




エレアコベースが聴けるCD


The first of a million kisses/Fairground Attraction(1988)
フェアグランド・アトラクション

いきなりエレアコベースではないCDを紹介であれなのだが(笑)、ベースのサイモン・エドワーズが使用しているのはギタロン(Guitarron)というメキシコ産の楽器。6弦フレットレスでギターより一回り大きい。音色はエレアコベースとよく似ているので、バンド全体のサウンドも含めて音作りの面で参考になると思います。エレキベースには無いアコースティック感と、ウッドベースでは出せない軽やかさやポップ感は、このバンドのサウンドにとてもマッチしている。

I Can See Your House from Here/John Scofield & Pat Metheny(1993)
ジョンスコ&メセニー

スティーブ・スワローは言わずと知れたエレキベースでジャズを演奏する第一人者。通常はソリッドベースのような外観のパーカー製エレアコベースを使用しているが、このアルバムではスローの曲で胴の深いエレアコベースを使用していてこれが良い。ライナーに演奏している写真が載っているが、マイクで音を拾っているようだ。ジョンスコとメセニーがアコースティックギターを使っているため、たっぷりとした間が静謐で美しい雰囲気を醸し出している。

Balaio/Richard Boukas & Jovino Santos Neto(2000)
Balaio

ギタリストのリチャード・ボウカスと、ピアニストのジョビーノ・サントス・ネトによるデュオアルバム。2曲でボウカスさんがエレアコベース(Tacoma CB-10 acostic bass)に持ち替えてノリの良いラテンナンバーを披露している。ピアノとのデュオということで、ベースに掛かる負担は大きいわけだが、ボトムをしっかり支えつつも、ギタリストらしく流麗なソロも聴かせてくれる。面白いのはエレアコベースの音色で、ギターをそのままオクターブ下げたような、硬質で倍音の多い音色でやっている。録音が生々しく、こまかなタッチやフレットノイズなども鮮明だ。おそらく本職のベーシストなら、もっとどっしりと低音を効かせた音作りをすると思うのだが、この音色感はギタリストならではといったところでしょうか。








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by ようすけ