やっと来れたよ、ここに
多 摩 蘭 坂

夜に腰掛けてた 中途半端な夢は   電話のベルで 覚まされた
無口になった僕は ふさわしく暮らしてる   言い忘れたこと あるけれど

多摩蘭坂を 登り切る手前の   坂の途中の 家を借りて住んでる

だけどどうも苦手さ こんな夜は

お月様のぞいてる 君の口に似てる   キスしておくれよ 窓から

多摩蘭坂を 登り切る手前の   坂の途中の 家を借りて住んでる

だけどどうも苦手さ こんな季節は

お月様覗いてる 君の口に似てる   キスしておくれよ 窓から
キスしておくれよ




2002年2月15日(木) 天気:晴れ

大好きなRCの大好きな曲のひとつ『多摩蘭坂』。最初は架空の坂と思っていたのだが、どうやら本当にあると知って一度は訪れてみたいと思っていた。 関東圏内に引っ越してきて1年半、昨年の秋(♪甲州街道は〜秋なのさ〜にちなみ)に“RC名所巡りツアー”をやるつもりでいたけど敢えなく断念。 その内「多摩蘭坂の石垣が無くなるらしい」との噂を耳にして、こりゃあ急がねば!ということで、ようやく実行に至ったのである。
関東圏内といっても、国立まで待ち時間を含め3時間ちょい(涙)。 往復6時間半、滞在時間2時間半、その“ツアー(ただし国立のみ)”の記録をここに記したい。
地図はこちら


歩道のペンギンとてもいい天気の中、電車に揺られて国立へ。国分寺あたりでちょっと、ドキドキ、ワクワクする。検索した地図を片手に南口へ、いざ、多摩蘭坂へ行かん!と左手の信号を渡旭通りに歩を進める。 あぁNTTがあった、あぁ郵便局があったと確認しつつ前進(ここで間違ったらたまんないもんね)。この歩道はかなりカワイイ、動物のプレートが埋め込まれていて、かすかに童謡が流れてるのだ。割と人通りがあるので遠慮しつつも、大好きなペンギンを発見したので1枚撮る(カエルもあったんだけどなぁ・・・ オウム貝とか)。
スリーエフから右折して歩くこと数分、そろそろ多摩蘭坂じゃないのかなぁーと思っていると、国立市と国分寺市の境の標識が・・・。そのまま目線を下げていくと、反対側に石垣が!ついに発見したぞ、多摩蘭坂だ。あいにく道路が工事で片側通行、向こう側に渡りたいはやる気持ちを抑えつつ途切れるのを待つ(横断歩道が通れなかったのー)、そして石垣のそばへやっと到着。






坂の途中で立ち止まる
マンション建設のため無くなると聞いて数ヶ月、もし既に無くなってたら・・・と思ってたので感動はひとしお。さっそく側に寄って、眺めたり写真を撮ったりウロウロした。 人通りはなく、渋滞中の車からの視線がちょっと痛かったけど(苦笑)、ひとつづつじっくり見ていった。中でも下の写真の石は嬉しかった、“坂の途中で立ち止まっているのは君だけじゃないよ”。うん、そうそう、私も立ち止まってる、夏はどうだった?私は冬の多摩蘭坂だよ、そう思った。 歌詞を書いたもの、ライブの感想を書いたもの、キヨシロー大好きとか何度目だとか、とにかくたくさんのメッセージがあった。電柱や近くの壁に書いてあったのはちょっと悲しかったけど(やっぱいけないよね、って石はいいのか 笑)、同じ思いの人がここに訪れてるんだなぁーってのが、とにかく感慨深かった。他の気になった石たちはこちらへ。
石垣のところに建設会社の看板あって、工事開始は2月1日となっていた。何かの事情で遅れているんだろうけど、私にとっては有り難かった、遅れてくれて感謝(何か変だけど)。そういえば、ふぁんくらぶっの会報に「私のたまらん坂〜坂道探訪〜」というコーナーが新設されていて、建設会社の方の話が載っていた。なるほどーと思ったので、会報がない方は参考までにどうぞ



バス停
坂自体はそんなに急でもなく、ほんと、石垣がなかったら気がつかないかもしれない程だった。石垣の前から離れがたかったけど、たしか標識があったはず!と更に坂を登ることに。 住宅地と小売店が建ち並ぶ静かな通りなのだが、そこに突然ユニクロが。ちょうどバス停の前、しかもバス停の名は多摩蘭坂、ということでここでも1枚撮る(影が邪魔なんやけど・・・)。 ここまで来て、朝、さくら餅を1個食べたきりの私にとってはかなり苦しい(笑)状況だったので、店を探すがあいにく定休日(涙)、仕方なく標識探しに専念することに。 しかし、無い。見落としたのか? この先は坂でもないし、どうも行きすぎたような感じがしたので石垣の方へ戻ることに。



由来の書いてある標識
相変わらず渋滞が続いている中、とぼとぼと坂を下っていくと、あった! 何のことはない、ちょうど石垣を発見したあたりに立っていた(やっぱり見落としてたのね・・・)。 標識の横には由来が書いてある。国立市と国分寺市をつなぐ道路を作ったときに出来た坂で、一橋大学の学生が「たまらん、たまらん」と言って登ったとか何とか、リヤカーをひいて登るのに大変だったとか。昔はもっと勾配がきつかったりしたのだろうか・・・、分からんけど。何はともあれ写真撮影、ほんとは誰か通りすがりの人に頼んで自分入りで撮りたかったけど、誰も通っていなかったので(悲)標識のみとなった。 これで心おきなく多摩蘭坂を後にすることができる、私の希望を叶えてくれてありがとう、またいつか来るときは違う姿になっているだろうけど、今日の感動は忘れない。 


坂を振り返るそこで振り返ってもう1枚坂の写真を撮る、が、石垣がよく見えず失敗だ(反対側に渡ればよかったけど、後悔先に立たずだ おバカ)。 国分寺市に向かって撮ったこの写真の右側、2本目の電柱の先からが石垣になっている。石垣の裏側は囲ってあってよく見えないが整地されているようだ。工事の日は近いかもしれない・・・。 でもまぁ、満足したので次なる目的地<国立市中区3-1>へ向かうことにした。


















 国立市中区3−1(返事をおくれよ)

 僕の手紙はまだ着かないか Oh Yeah!    早く僕に返事をおくれよ
 冷たい手紙は欲しくないのさ Oh Yeah!    好きだと一言書いておくれよ

 君が 君が好きさ    分かっておくれよ 返事をおくれよ

 僕の手紙の漢字の間違いなど Oh Yeah!    気にすることはないさ 読めるだろう
 たとえ君が下手くそな字を書いても Oh Yeah!    君への気持ちは変わりはしないのさ

 君が 君が好きさ    分かっておくれよ 返事をおくれよ

 僕の手紙はまだ着かないかい Oh Yeah!    早く僕に 早く返事を書いてよ
 君が 君が好きさ    分かっておくれよ 返事をおくれよ

 もしももしも 僕のこと嫌いでも Oh No!    早く僕に返事をおくれよ
 冷たい手紙は読みたくないけれど Oh No!    僕を嫌いなら仕方がないさ     早く僕に返事をおくれよ


電柱の住居表示
来た道を戻り、学園通りの方へ向かう。スリーエフを左に曲がり、ひたすら前進。 途中、おしゃれなケーキ屋さん(お茶もできる)を発見したが、中が見えないので雰囲気が分からず寄らずに前進(ケーキって感じの腹じゃないしね)。ファミリーマートが見えてきたら今度は右曲がりひたすら前進、すると大学通りに突き当たるのだ。この辺まで来ると、ちらほらお店が見えてくる。ちょっと気になった中国茶のお店に入ろうとしたが、店内禁煙(涙)、これは苦しいので敢えなく断念して先に進むことにした。 大学通りを渡って少し左へ進むと、<国立市中区3-1>となる。閑静な住宅街といった感じの一角で、住居表示を探していると電信柱に延々と書いてあったので1枚撮る(ちなみにこれは産婦人科の看板であった)。 そこから少し先は“3-2”となるのだが、なんとそこには今問題になっているマンション(高すぎて景観を損ねるということで、確か市と争っている)が建っていたので、こんなところで写真を撮ってたら怪しまれるかも〔笑)と思い慌てて引き返した。 ここの通りはほんとに気持ちがいい、大学通りの両側には自転車専用道路、大きな樹木が生い茂るスペース、そして広い歩道という造りになっているのだが、知らずに自転車専用道路を歩いてたくらい、とにかくゆったりとしている。



満開の梅(多分・・・)

国立市中区3-1そこで大きな梅の木(多分・・・)を発見、写真を1枚撮って近づくと、そのふもと付近に木製の立て札があった。ほとんどかすれてしまっているが、かすかに住居表示が記されていたので1枚撮る。 梅の木以外にもいろんな大木があった、寒さを越えるためか老齢なのか分からないが、補修のようなものが施されていて大切にしているのがよく分かる、春になったら桜がきれいだろう。 これで国立の目当ての場所はまわったので、駅の方に向かって歩き始めた。

ここに来るまでに思ったのだが、国立の人は礼儀正しいような気がする。狭い道で信号待ちしていたら前を通りすぎたおばあさんが「前を失礼しますね」と一言、同じく狭い道で前から来た自転車のお兄さんが「すみませんー」と一言。 何気ないことだが気持ちのいいものだなーと、ちょっと感心した出来事だった。







アンティークな街灯天気もいいし、ベンチに座って本を読んだりしたら気持ちいいだろうと思いながら歩道を歩いていたら、アンティークな街灯が目に付いたので1枚撮る。夜になって明かりが灯ったら、もっと映えるだろう。 さらに歩を進めると一橋大学があり、ひわかに人通りが多くなってきた、そしてお店も。お腹が空いていたのを思い出し(苦笑)、ゆっくり出来そうな店を探すことにした。
しかし、そこで<えほん>という気になる看板を見つけてしま「ふたりはともだち」シリーズい、つい店頭の本を手にとって眺めた後店の中に入ってしまった。洋書ばかりを扱っている絵本屋さんで、ついついあれこれ物色。わりかし値の張る品も多くもう店を出ようかと思った時、出口付近で見つけてしまった・・・、このHPの『カエルの部屋』にもある、大好きなアーノルド・ローベルのReadBookを。英語はまったくの苦手なので少しは勉強になるかもしれないと思い(いつやるってんだ? 苦笑)、つい2冊購入してしまった。












今度こそはお腹を満たそう!と歩いていくと、そのちょっと先にお茶も出来る洋菓子屋さん<伊藤屋>というのを発見、店頭にディスプレイしてあった“甘くないタルト等の軽いお食事セット”にひかれて店内へ。そのセットを注文してからデジカメの写真をチェックしたり、思いついたことをメモったり、さっき買った本を見てニヤついたり(バカや)することしばし、そこで店員さんに言われたショックな一言、なーんとここも禁煙であった〔涙)。 まぁ学生の街だし(意味不明)大人なので我慢して、軽い食事をすることに。大き目のプレートに玉ねぎの入った塩味のタルト、パンが2切れ、ホワイトクリーム?入りのパイ生地ボールが3つ、ピクルスなどが盛られている。これがねー、おいしかった、そして何よりコーヒーが好みの味で満足、禁煙は許そう(笑)。

しばしゆったりして、そろそろ時間が気になってきたので店を出て、途中思い立って本屋さんに寄り森博嗣氏の新刊を購入して駅へ向かう。この辺は本屋さんが多く、古本屋さんもたくさんあるらしいのだが、また次回ということにしよう(すでにカバンが限界だし)。駅前のベンチで一服してから、国立に別れを告げた。

※このツアーにあたり「ひだKAN」さんのHPを参考にさせていただきました、ありがとうございましたー。

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