なまらマニアックな 113系 スカ色

〜マニアックな電車の形式のオハナシをよりわかりやすく身近に〜

うえさんのページ

今や希少となった113系1000番台初期車。
非ユニットサッシのRの付いた窓枠など、0番台と同じ外観ですが、
難燃化構造が強化されており、新しく番台が起こされ1000番台になりました。

屋根上の分散クーラーは 非冷房車に後からクーラーを取り付けたものです。
この車輌には 車内に扇風機のスイッチがありました。
画像ではわかりにくいですが、車端部の戸袋窓の隣にハーフサイズの窓があり
この部分のロングシートは3人がけです。

尚、1000番台初期車の クハ111 は 扉の開き方を変える事で乗務員室助士席側を
客室スペースにすることができるスグレモノの車輌。
4連+4連の8両編成などで クハが中間に入るときはこの機能が発揮されています

2006.7.8(土)  千葉駅

1000番台
東京地下ルート対応難燃性強化車でATC機器搭載の
1000番台後期型のクハは
この車輌のようにタイフォンが低い位置にあります。
元 横須賀・総武快速仕様車であることがわかります。

運転席助士席側後方(画像の反対側)にATC機器を搭載しています。

総武快速線を行く 幕張車輌センターへの回送車。
かつての総武快速線が113系だったころを思い出させてくれる姿です。

2006,7,9(日)  新検見川駅

113系1500番台(左上)と
2000番台リニューアル車(右上)の車内
国鉄時代に近い形のものです

左は2000番台の先頭車
乗務員室助士席側後方のロングシート
3人がけです

内房線内  2006,7,9(日)

1500番台

クロスシートの向かい合わせ間隔を拡げたシートピッチ拡大車
それまでの113系は 車端側ドア戸袋部分のロングシートが3人がけでしたが
それを二人がけとして、捻出したスペースで各クロスシート間隔を拡げた車輌です
 外観上は戸袋窓隣のハーフサイズの窓がないのが特徴です
1500番台は東京地下対応車 2000番台は地上線用です
房総線では分け隔てなく混成されています

2006,7,9(日) 青堀駅

113系 2000番台 

1000番台 1500番台以外は
ATC非搭載のため、乗務員室助士席側後方に三人がけのロングシートがあり
その部分にハーフサイズの窓があります。
2000番台は 0番台をベースに
クロスシートのシートピッチを拡げた車両です。

佐貫町駅 2006,7,9(日)

113系 1000番台(中間車は1500番台)
総武快速線地下線用ATC機器を乗務員室助士席側後方に搭載したため
この部分の窓がないのが1000番台、1500番台の特徴です
戸袋窓の部分は2人がけのロングシートです

上の2000番台との違いがよくわかります

2006,7,9(日) 青堀駅

113系 1500番台 2006,7,9(日)) 青堀駅

1500番台は 1000番台のシートピッチ拡大車です。

内房線 君津ー青堀 
撮影者  謎のN氏

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国鉄近郊型電車「113系」スカ色。
ここでは、その113系電車を中心に、
電車の形式などについて
鉄道好き初心者の方にもわかりやすく
触れてみたいと思います。

勿論、細かな形式など知らなくても
鉄道趣味は楽しめるのですが
知っておくと 電車を見たり乗ったりしたときに
楽しみが更に広がるかと思います。

「113系」に入る前にまずは
「電車」の形式のお話から始めたいと思います。

形式 運転台 モーター
(MT54)
パンタ
グラフ
座席 備考
クハ111 あり なし なし 普通車
セミクロス
シート
運転台の向きにより番台区分されています。
(偶数向き・奇数向きなどといいます)
トイレがあるものとないものがあります。

運転する線区に応じて
ATC(自動列車制御装置)などを
搭載した車両があります。
モハ112 なし あり あり 普通車
セミクロス
シート
一部改造による
ロングシート車

あり
MT54型モーターを
各台車に2台ずつ計4台搭載する
電動車。
モハ113とユニットを組み、
モハ112+モハ113で連結されます。

モハ113 なし あり なし 普通車
セミクロス
シート
一部改造による
ロングシート車

あり
MT54型モーターを
各台車に2台ずつ計4台搭載する
電動車。
モハ112とユニットを組み、
モハ112+モハ113で連結されます。

サハ111 なし なし なし 普通車
セミクロス
シート
一部改造による
ロングシート車

あり
短編成化で先頭車へ
改造されたり廃車されて
殆ど現存しない車両。

トイレつきと
そうでないものがありました。
サロ110 など なし なし なし グリーン車
リクライニング
シート
モーターのない付随車でグリーン車。
横須賀線・総武快速線や
東海道本線(湘南電車)に2両
連結されていましたが
それらの路線が新型車に置き換えられ
全車廃車されました。

末期にはサロ113など
特急形電車などからの
改造車もありましたが
現存しません。
サロ124
サロ125
なし なし なし グリーン車
リクライニング
シート
2階建グリーン車 ステンレス車体 サロ124は
トイレなし 車掌室あり
サロ125は
トイレつき 車掌室あり        

サロ124は成田空港快速
グリーン車用に製造。

東海道線113系撤退により
全車改造され
211系に組み込まれています。
クモハ112
あり あり あり 普通車
セミクロス
シート
113系は
モハ112+モハ113のユニットの両端に
運転台つきクハを1両ずつ
計4両が最短編成ですが
更なる編成短縮のために
モハに運転台をつけたのがこの形式。

房総など関東には存在しません。
クモハ113 なし
まずは
ちょっと細かいですが 鉄道趣味初心者のための
電車の形式と編成のお話です。

鉄道好きが鉄道の話をしている時に
「○○○系」という言葉をよく耳にしますよね?
また、電車などの側面に
「クハ」だの「モハ」だのという記号と数ケタの数字が
書かれているのを目にしたことがあると思います。
あれはいったい何なのでしょう?・・・

実はあれは電車の形式番号と製造番号なのです。

JRの電車には車体側面などに形式番号と製造番号が書かれています。
たいていは
モハ113−1504
などと、 カタカナ2〜3文字と数字3桁、
ハイフンを挟んで数字1〜4桁となっております。

このうちカタカナと数字3桁が形式記号、
数字1〜4桁が製造番号となります。

形式記号のカタカナと3桁の数字はそれぞれ意味を持っていて
このカタカナと数字の組み合わせで車両の用途がわかります。

3桁数字の1の位は奇数のものと
それに1を減じた偶数のものとが
連結されているのが普通です。
その連結されているひとまとまりの形式の集まりを
「○○○系」といいます。

電車を「系」で言い表す場合、
1の位は奇数のほうで呼ぶことが慣例です。
「113系」と呼ぶことはあっても「112系」とは普通はいいません。
115系、485系など、1の位は奇数で言い表します。



電車は何両かで編成を組んで走っていますが、
その1両1両に役割があります。
解りやすいところでは、まずは前と後ろに運転台が必要ですよね?
それから走るためのモーターとそれをコントロールする制御装置
電線(架線)から電気をとるパンタグラフが必要です。

そのほか、照明やエアコンを動かすための電気を作る発電機や
ブレーキやドアの開閉に使う圧縮空気を作るコンプレッサー(CP)
なども必要です。

中には1両でも走れるように
それら全てを持っているオールインワン電車もありますが

長い編成を基本とする最近の電車では
それらの機器が何両かに分散されているのが普通です。

特にモーター車は機器類が大量になるため
2両で一組ということが多く、
たとえば113系では
モハ112形とモハ113形
の2両一組でないと走れません。

この2両、
大抵は形式の3桁の1の位が奇数か偶数かで分けられています
113系の場合は モハ112+モハ113
115系の場合は モハ114+モハ115(またはクモハ115)
485系の場合はモハ484+モハ485といった具合です。

113系の場合はこの2両一組のモハと、
運転台のあるクハが両端に各1両、
クハ111+モハ112+モハ113+クハ111の
最低4両がなければ走りません。

つまり113系の場合、4両編成が最短で
もっと短くしたい時は
モハに運転台をつけたりする改造を行い
クハ+モハ+クモハ や クモハ+クモハ を 作ります。

また 電車には繋ぐ方向や「向き」があり
それらが規則正しく守られていないと
電車は走ることができないのです。
電気で走る電車はこのように複雑ですが、
ディーゼルカー(気動車)や
機関車に引っ張られる「客車」は
つなぎ方は電車より簡単なようです。


以下に113系に含まれる各形式について
簡単に表にまとめてみました。
前述の理由から「112」と「113」が113系に含まれます。
「113」系なのに「111」があるのは
元々113系の前身が「111系」であったこと。
「124」や「125」は
元来の113系とはまったく違う車両であることから
違う数字になっています。
113系
電車の
製造番号による
番台区分
113系近郊型電車は 長期に渡り製造され続けたため
製造年度により仕様変更があるほか
転配のための改造などで細部にマニアックな違いがあります
クハ111 モハ112 モハ113 等の
形式番号の後ろの1〜4桁の製造番号は
仕様変更のある度に キリのいい数字で区切りました。
そのため、
この数字で車輌の仕様の違いを判断することができます。

0〜
(0番台)
初期に製作されたもので地下線非対応車。
車体と一体化した窓枠のない窓(非ユニット窓)が特徴で
行先方向幕やクーラーはなく、正面に大きなライトをつけていました。
2006年現在では殆どが廃車されてしまいました。
1000〜
(1000番台)
総武線地下線対応車として製作されたもの。
長大トンネルに対する不燃化対策を施した車輌。
ごく初期の1000番台は0番台と同じ外観でした。
以降の車両は1000番台後期型と呼ばれ、
側窓のユニット窓化、行先方向幕の設置(又は準備工事)、
クーラー搭載(又は準備工事)が施されました。
また、総武線東京地下ルートの保安設備がATCと決まったため、
運転席助士席側にATC機器を搭載。
運転席助士席側の客室窓が戸袋窓のみとなっています。
現在は主に房総各線で使用されています。
鉄道好きの間では 後期型を1000´(ダッシュ)番台として区別することがあります。
1500〜
(1500番台)
1000〜のクロスシートの間隔を拡げたもの
車端よりのロングシートが3人掛けから2人掛けに変更され
この部分のハーフサイズの窓がなくなり大きな戸袋窓になりました。
車端よりのドアが若干車端側へ寄っています。
2000〜
(2000番台)
0〜のクロスシートの間隔を1500〜のように拡げたもの。
主として東海道本線東京口で活躍しましたが2006年現在
同線のE231系増備により多くが房総に転属しました。
3000以降 主に関西地区で 既存の電車に高速対応ブレーキの取り付けや
ワンマン運転改造などを施した車両。
既存の車両と区別するために新しい番号が与えられました。
房総を含め関東地方には存在しません。
<番台区分のご注意>
上記の番台区分はあくまでも113系のものです。
番台区分は形式によってマチマチで、関連性や法則性はほとんどありません。
たとえば、113系にも115系にも485系にも「1000番台」がありますが、
それぞれの形式によって「1000番台」が何を意味するのかは違ってきます。
113系1000番台は上記のとおり「地下線対応」
115系1000番台と485系の1000番台は
どちらも「寒冷地仕様の強化」ですが、これはたまたまの例です。笑

車両の製造数によっても番台の区切りは変わります。
たとえば100両しか作らない車両を
1000とか2000という大きな数字でわけても
面倒ですものね。


「クハ」とか「モハ」ってなに? 電車の形式記号
JRの電車のうち国鉄が作った車両の形式について簡単に説明します。

尚 JRの車両も概ねこの法則に従っています。
軽油で走るディーゼルカーや客車は少し違ってきますが
「用途を表す記号」の部分はほぼ電車と同じです。
車種をあらわす記号 用途をあらわす記号(代表的なもの)
クモ 制御電動車
つまり運転台とモーターがある車両。
旧1等車
現存しない記号
中間電動車
つまり運転台がなく
モーターのある車両
グリーン車
(旧2等車)
運転台のある車両
(車庫入れ用などの
簡易運転台は除く)
普通車
(旧3等車)
付随車 つまりモーターのない車両で
運転台のない車両
ロネ A寝台車
ハネ B寝台車

いかがでしたか?
では実際に 113系電車をみてみましょう。

形式番号の3桁の数字の意味
この3桁の数字で電車の用途が解るようになっています。

以下の表から たとえば
113系は 直流電化区間を走れる近郊型電車
ということがわかります。
同じように
485系 なら 交流・直流区間共に走れる特急形電車
ということになります。

百の位
電気方式を表す
形式番号
十の位
車両構造により区分を表す
形式番号
一の位
定義はないが
ほぼ登場順に
割り当てられる
1〜3 直流電化区間を
走れる
通勤形
近距離の通勤等に
使う電車。
1〜2 近郊形
中〜長距離を走る電車
ボックスシートやトイレがあるのが標準
4〜6 交直両用
交流・直流電化区間
どちらも走れる
3〜4 事業用車
など
5〜7 急行形
(一部特急形)

急行または特急に使用する電車
7〜9 交流電化区間を
走れる
特急形
特急に使用する電車
試作車
ここで、最初に例として出した
モハ113-1504
という形式をみてみましょう。

モハ = 中間電動車で普通車。
113 = 直流電化区間を走れる近郊型電車。
1500〜 = 総武線地下線対応車でシートピッチ改善車。

なので

「モハ113−1504」という車両は
中間電動車で直流電化区間を走れる近郊型電車で、
総武線地下対応車でシートピッチ改善車!


と 記号番号だけでこれだけのことがわかるのです!
ちょっと面白いですよね?

では、形式のお話を念頭に
113系電車をみてみましょう!

運転席助士席側を客室にできるスグレモノ車両です。

2006,10,01 内房線113系1000番台初期車車内。