---
戻る
音が良くなる!!ヽ(^o^)丿 直流安定化電源の使い方  


5.製品別の音の良い電圧(実例)

産業用シリーズレギュレータ方式直流安定化電源で”音の良い電圧”をチェックした手持ちの製品を参考に掲載する。

(注意)
音の良い電圧は、直流安定化電源の出力端子側の測定値です。
テスターによる測定のため電圧値は目安(参考値)です。
テスターの種類やDCコードの長さ等で音の良い電圧値は変わります。
※使用ヘッドホンは断りが無い限りオーディオテクニカ ATH-AD1000)
[注意]
・直流安定化電源の出力端子にDCコードを取り付ける際は必ず電源をOFFにする。 ・使用する製品の定格電圧を大きく超える電圧を印加したり極性を間違えると故障する危険があるので注意する。
1)SONY D-E01
写真:直流安定化電源PR18-3A駆動のD-E01

[写真]
 直流安定化電源PR18-3Aに接続したSONY D-E01

[音の良い電圧] 4.501~4.502V(目安)

※使用ヘッドホン:モニタータイプ
※ヘッドホンは本体のヘッドホン端子に直接挿して使用。

[使用DCコード]
 極性統一形#2(L形プラグ)


直流安定化電源にDCコードを接続する時は、D-E01側の電源極性を確認する。
DCコードのコード長が長いのは、使用時に直流安定化電源とD-E01の距離を十分離すため。
   ※写真は、撮影のために電源とD-E01を近づけて置いている。

2)SONY WM-D6C
写真:直流安定化電源PR18-3A駆動のWM-D6C

[写真]
直流安定化電源PR18-3Aに接続したSONY WM-D6C。

[音の良い電圧] 6.03V~6.04Vの間(目安)
※この電圧範囲に音像が明瞭になる所がある。
※最小測定桁10mVのテスター使用。


[使用DCコード]
 非極性統一形(ストレートプラグ、2.1φ)

直流安定化電源にDCコードを接続する時はWM-D6Cの電源極性を確認する。
※WM-D6Cは設計年代が古いため、最近の製品とは極性が逆です。
※写真のDCコードのコード長が長いのはD-E01と同じ理由。

”音の良い電圧”で音楽を聴くと、HiFi仕様のWM-D6Cでさえも電源の縛りには対応しきれなかった事が伺える。 製品自体はしっかり設計されているため電源電圧を音の良い電圧に一致させれば、その高性能ぶりを遺憾なく発揮する。
このサイズでカセットデッキの音を聴ける物は他には無いが、電源の隠れた真実に気づかなければ永久に真価を発揮することはない。

3)SONY D-E800
写真:SONY D-E800本体

[写真]
  SONY D-E800本体。

[音の良い電圧] 4.501V~4.502V(目安)

※使用ヘッドホン:モニタータイプ
※ヘッドホンは本体のヘッドホン端子に直接挿して使用する。

使用するDCコードはD-E01と同じ。


製品としては古めだが、この頃の物は光デジタル出力を装備しているのでCDのトランスポートとして使える所がミソ。光デジタル入力付きのD/Aコンバーター(ヘッドホンアンプ付き)に接続すると、より高音質で音楽を楽しめる。

4)SONY D-NE241
写真:SONY D-NE241本体

[写真]
  SONY D-NE241本体(ブラック)。

ACアダプタ端子の電圧は4.5V仕様。
リモコンとヘッドホンが共用端子のヘッドホン出力専用モデル。

[音の良い電圧] 4.558V~4.559V(目安)

使用するDCコードはD-E01と同じ。


5)Panasonic SL-CT810
写真:直流安定化電PR-18-3A駆動のSL-CT810

[写真]
  直流安定化電源PR18-3Aに接続したSL-CT810

[音の良い電圧] 4.559~4.560V(目安)

※ヘッドホンは本体のヘッドホン端子に直接挿して使用。

[使用DCコード]
 極性統一形#2(L形プラグ)


直流安定化電源にDCコードを接続する時はSL-CT810の電源極性を確認する。
写真のDCコードのコード長が長いのは、D-E01と同じ理由。

6)Panasonic SL-CT830
写真:Panasonic SL-CT830

[写真]
  Panasonic SL-CT830本体。

[音の良い電圧] 4.559~4.560V(目安)

アルカリ乾電池の3Vでは音が思わしくないが直流安定化電源を使用すると案外聴ける音になる。
※ヘッドホンは本体のヘッドホン端子に直接挿して使用。
使用するDCコードはSL-CT810と同じ。


7)STAX SR-001(ポータブル・コンデンサー型ヘッドホン)
写真:STAX SR-001 ポータブル・コンデンサー型ヘッドホン

[写真]
  STAX SR-001 イン・ザ・イヤースピーカー
    ・イヤースピーカー S-001
    ・ドライバユニット SRM-001

[音の良い電圧] 4.503~4.504V(目安)

ACアダプタの電流値を300mA~400mAに限定しているので注意。


直流安定化電源の[CURRENT]ツマミを、電源の電流計が400mAを越えないように回しながら突入電流を抑え、ツマミをMAX(最大)まで回す。

[使用DCコード]
  極性統一形#2(L形プラグ)

8)ONKYO  SE-U55GX デジタル・オーディオ・プロセッサー
(2009/03 NO.23掲載)

パソコンに音楽をデータとして取り込めるデジタル・オーディオ・プロセッサー。
電源は付属ACアダプタで、電圧はパソコン用のためか6.3V。
この製品にも”音の良い電圧”がある。

写真:ONKYO SE-U55GX

[写真]
 ONKYO SE-U55GXの本体。

USB接続のデジタル・オーディオ・プロセッサーで入出力はデジタルとアナログに対応する。
CDのリッピングやDVD/HDDレコーダーからの音声取り込み等に便利なパソコン周辺機器。
ラインアウトやヘッドホン出力が有るため、音楽を聴くだけならパソコン無しでも使用できる。

SE-U55GXにも”音の良い電圧”があり、シリーズレギュレータ方式直流安定化電源を使用すると、音質が飛躍的に改善する。

※音はヘッドホン出力で確認。
※現在は後継機種が販売されている。

写真:SE-U55GXの背面パネル

[写真]
 SE-U55GX背面パネルのズームアップ。
  電源はDC6.3V

[音の良い電圧] 6.304~6.305V(目安)
(使用ヘッドホン:モニタータイプ)

[使用DCコード]
極性統一形#2(L形プラグ)/(4.5Vと同じ物)


(参考1)「電池駆動について」(2012年1月 追記)

電池駆動による音質について考察する。
例として、SONYのポータブルCDプレーヤー D-E01を取り上げる。

ポータブルCDプレーヤーを例にすると、ACアダプタ端子が4.5V製品の電池端子は電圧3V(乾電池二本)が一般的な仕様になっている。(※充電池の場合は更に低い電圧になる)
乾電池で駆動すると、大抵は音楽再生のダイナミックレンジが狭くなる現象が起きて、音質的には大きく悪化した音しか出ない。
電圧4.5Vの設計で3Vしか無いのだから当然の結果と思われる。
個人的な感想では、音質評価にも値しない低レベルの音楽再現性と云え、屋外でも使用できる利便性との引き替えに音質が悪化した音を聴く羽目になる。
電圧3Vでの音質悪化とその理由を理解した上で聴く分には良いが、これがポータブルの本当の音と思ったら大間違いなので、この点は注意する必要がある。

音の悪化を招くのは、電流が流れると電圧が低下する乾電池特性の他、元から電圧が低いためにアンプ回路の性能が十分出ないためと思われる。
これは、電池端子にシリーズレギュレータ方式直流安定化電源で電圧3Vを供給しても、ACアダプタ端子のように音質が改善しない事から推測できる。
このページがACアダプタ端子を前提にしているのは、電池端子では回路上の制約等で音質の改善が望めない事による。

(参考2)「ACアダプタ駆動について」(2012年2月 掲載)
 トランス式の場合

トランス式ACアダプタの性質を考察する。
D-E01には型番「AC-E455D」のトランス式ACアダプタが付属している。
定格は「4.5V、500mA」。
通常、ポータブル機器の電源入力端子に印加されるACアダプタの出力電圧(負荷電圧)はそのままでは測定が出来ない。
そこで、プラグ端子とジャック端子を組み合わせた簡易的な測定用部品を作り、ACアダプタからの印加電圧を測定した。

写真:CDウォークマン SONY D-E01写真:印加電圧測定用部品
写真:付属ACアダプタ AC-E455D

[写真右上]
  D-E01に取り付けた印加電圧の測定用部品

プラグ端子とジャック端子の間から引き出した赤と黒の被覆線の電圧をテスターで測定する。

[写真左上] D-E01本体
[写真左下]
  付属ACアダプタ(トランス式)AC-E455D


下表に付属ACアダプタを使用した、D-E01の測定データを参考値として示す。

D-E01電源入力端子の電圧(電源:ACアダプタ「AC-E455D」)
動作状態 電圧測定値(V) 備考
停止中 6.52~6.53 停止中でも電流が少し流れている。
再生中 6.29~6.33 変動はAC100Vの影響分を含む。
※最小測定桁10mVのテスター使用。

この表で注目すべき点は再生中の電圧で、定格4.5VのACアダプタなのに6Vを越える電圧になっている。
D-E01発売当時は当たり前の様にトランス式ACアダプタが付属していたので、製品自体は電圧が6Vを越えても壊れない設計と思われる。
  ※ACアダプタの定格は、”定格表示”であり実際の出力値ではない所に誤解を生みやすい。

では、この電圧6V台が音質的に最も良いのかと云うとそうではない。設計上はあくまで4.5V仕様であり、6V台でもそれなりに音が出ると云うだけのこと。
6V台では高音、低音共に音に伸びと響きが感じられず音楽の再現性に乏しい。
やはり、直流安定化電源の”音の良い電圧”の音が最も良いのに変わりは無い。

表を見れば音質的にACアダプタが使えない理由がハッキリする。
電源変動云々の前に、この大外れな印加電圧に根本原因があるのは間違いない。
負荷電圧が定格値より高くなるのは定格に見合った電流が流れない所為だが、では、なぜ定格電流500mAなのかは電流測定すると分かる。
D-E01の場合、ピックアップの急速移動等でモーターに負荷が掛かると、瞬間的に何と0.74A(740mA)も電流が流れる。(※直流安定化電源を使った参考測定値)

負荷電圧の上昇を抑えるには定格電流値を低めにすれば良いが、それでは電流不足でモーターの動作に支障が出るため、半ば仕方なく500mAになっていると思われる。
ちなみに、再生中は0.06~0.08A(60~80mA)しか電流が流れていない。(※参考値)
トランス式ACアダプタで負荷時の出力電圧を正確に合わせることの困難さを物語るデータとなっている。

最近では付属ACアダプタもスイッチング式が主流だが、定格が同じでもトランス式は使わない方が良い。
思いもよらない高い電圧が掛かって寿命を縮めるか、最悪故障の原因になる恐れがある。

 スイッチング式の場合

スイッチング式ACアダプタの性質を考察する。
新しいD-NE241には型番「AC-ES455K」のスイッチング式ACアダプタが付属している。
定格は「4.5V、500mA」で従来のトランス式と同じ。
D-NE241は、この付属「AC-ES455K」しか使えない所が従来とは異なる。
SONYのサポートによると、”定格が同じでもトランス式は使うな”、”付属ACアダプタ以外は使わないでほしい”と云う事なので、従来とは設計仕様が異なると思われる。

写真:CDウォークマン D-NE241

[写真]
  D-NE241本体(ブラック)

蓋部分はブラックでピックアップメカがある土台部分の色はグレー。
4.5V仕様はD-E01と同じだが、リモコンとヘッドホンが一つの端子で共用されている所が専用端子タイプのD-E01とは異なる。操作ボタンや液晶表示部が蓋部分に付いているため操作性は良い。


写真:付属ACアダプタ AC-ES455K

[写真]
 付属ACアダプタ(スイッチング式)AC-ES455K

薄型で軽量の専用品。

D-NE241は、このACアダプタしか動作保証がされない。(他の物は使用不可、保証外)


下表に付属ACアダプタを使用した、D-NE241の測定データを参考値として示す。
・付属ACアダプタの出力電圧測定値:4.63V(無負荷)

D-NE241電源入力端子の電圧(電源:ACアダプタ「AC-ES455K」)
動作状態 電圧測定値(V) 備考
停止中 4.62 停止中は電流が流れない。
再生中 4.54~4.55 変動は少ない。
※最小測定桁10mVのテスター使用。

トランス式に較べて再生中の電圧変動は少ないが、負荷による電圧降下がやや大きい。
一番の問題は相変わらず出力電圧にずれがある点で、僅かなずれも音質に影響することから、本来の音が出ないと云う点ではトランス式同様に使えない代物になっている。
ただ、本体価格から見ればコスト的に余り責められない部分とも云える。

製品本来の音質で聴くには有害ノイズの心配が無いシリーズレギュレータ方式直流安定化電源を使うしか方法が無いのは今でも変わらない。
定格電流500mAはピックアップの急速移動等で瞬間的に0.6A(600mA)流れるためで、理由はD-E01と同じ。(※直流安定化電源を使った参考測定値)
再生中は0.13~0.16A(130~160mA)の電流が流れている。(※参考値)

[ by star-route13 ]

---