Dreamcast (ドリームキャスト)は、セガ(※1)がセガサターンの後継機として発売した家庭用ゲーム機(1998年11月発売)で、セガの実質的な最終機種に当たる。
周辺機器を含め新たな設計思想の元に開発された物で、セガサターンの北米市場撤退を受けて失地回復を図る切り札として投入された。
メインCPUは日立のSH-4(32bit)、GPUにNECのPowerVR2DCを搭載して毎秒300万ポリゴン以上の描画性能を持ち、発売当時は家庭用ゲーム機として最高の性能を誇っていた。
映像の発色の美しさも群を抜いており、他とは一線を画する新世代機と云えた。
ドリームキャストはプログラミングが難しいと云われたセガサターンの反省から3D専用のアーキテクチャになり、ゲームディスクはDVDの普及が遅れていた事もあり、コスト面から独自のGD-ROMが採用された。
セガサターンでは拡張性に難があったコントローラーポートが刷新され通信系の高速化と双方向通信機能が付加された。
これによりデータセーブはコントローラーに設けられた拡張ソケットを利用する形となり、本体カートリッジスロットは廃止されてコンパクトな外観に成った。
更に、従来は周辺機器扱いの通信用モデムをゲーム機としては初めて本体に標準装備していた。
「ドリームキャストとセガ」
テレビCM等に力を入れたこともあって世間の知名度も急上昇し、順調な販売スタートが切れると思われた矢先にNECのPowerVR2チップの初期ロット不具合が発覚。
GPUの供給量不足からドリームキャストの生産が大幅に停滞する事となり販売計画はスタートとからつまずく格好になった。
思いもよらない出荷停滞による初期販売台数減少の影響は大きく、ソフトの発売延期などが相次いだ。
翌年に入りGPUチップの安定供給に伴って生産も順調になった物の、セガが盛んに流していたドリームキャスト売り切れCMが災いしたのか市場には発売前ほどの熱気は無く、販売台数は当初の期待ほど大きくは伸びなかった。
ドリームキャストにはゲーム機としての他にモデムの標準装備によりインターネット端末としての側面があった。
発売当時は一般家庭にパソコンが普及し始めてインターネットが世間にも知られるようになった頃で、安価にeメール環境等を手にできることからセガもこの点をアピールして専用セットを発売していたが、これは一種の諸刃の刃だった。
当時、電話回線によるインターネットインフラ整備が徐々に進められてはいた物の、多くのインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)は獲得顧客数を睨みながら設備投資をしている段階で、
急激に伸びるドリームキャスト利用者のためにセガ自身がISP事業に投資せざるを得なかった状況を見ても、他の企業が既設インターネットインフラを利用して利益を上げられる環境には程遠かった。
又、ドリームキャストのインターネット接続サービスは本体拡販のため無料提供が長く続きネットゲーム関連を含めてインターネットに事業注力すればするほど赤字だった事は想像に難くない。
ドリームキャストのゲームソフトにおいてはインターネット接続ソフト付きのゲームが当たり前の状況になり、 ダウンロードコンテンツ(当時は無料)や通信対戦対応を売りにしたゲームが発売されてゲームの可能性を大きく拡げることになったが、ゲームソフト自体が以前より売れない時代に入っていた事もあり苦戦していた。
2001年に入り、販売台数伸び悩みの影響から資本的な余裕が無くなったセガは、1月下旬、マスコミ報道を追認する形で家庭用ゲームコンソール市場からの撤退を表明。
1983年から始まった ”セガ・エンタープライゼス”の家庭用ゲーム機の歴史は同社が送り出した最高のゲーム機 ”Dreamcast”で幕を閉じることになった。
長年ゲームコンソール市場の覇権を競い合い歴代ゲーム機の名称と共に刻まれていた ”セガ・エンタープライゼス”の名は既に消えていた。(※2000年11月に社名変更)
撤退後、ドリームキャストのゲームソフトはセガが発売予定の中からタイトルを絞り1年間新作を供給した他、サードパーティーからは年間本数は少ないながら7年に渡って新作が発売され、皮肉なことにセガのゲーム機史上最も現役が長い機種になった。
特にセガの新作ソフト発売終了以降、サードパーティーの間では何処が最後のソフトを発売するか競争する雰囲気があり、Dreamcastへの根強い支持を伺わせた。
セガが発売当時に始めたドリームキャストのインターネット通信機能を利用した直営Webショップ”ドリームキャストダイレクト”は一応の成功を収め、撤退後も”セガダイレクト”として継続運営された。
アーケード市場には相乗効果を狙ってドリームキャストと同じアーキテクチャの業務用基板”NAOMI”が投入されている。
(※1)セガは通称、正式名称(当時):株式会社セガ・エンタープライゼス
(2015/08 NO.71 掲載 )大きさはセガサターンに比べて小さくなったが外見のコンパクトさの割にはずしりと重い。
・本体の実測重量:1.50Kg (※取扱説明書の表記:約1.5Kg)
カートリッジスロットが無くデザイン的にも洗練されてすっきりしている。
本体前面の四つのにコントロールポートが目を引く。
価格はセガサターンに比べて大幅に下がり二万円も安くなっていた。
左側のボタンが電源ボタン。
押すと三角形の表示部分がオレンジ色に光る。
消費電力:22W。
右側はディスクドライブのオープンボタン。
ボタン類は前面ポートと同じ薄いグレー。
ドリームキャストは初めてテレビの標準画面解像度に準じたゲーム機。
このため、テレビ接続でも従来にない綺麗な映像が特徴で、発色の美しさと相まって新世代機に相応しいビジュアル性能だった。
別売りのVGAボックス(セガ純正品)を接続してパソコン用ディスプレに出力すれば、更に鮮明な映像でゲームが楽しめた。
発売されたゲームの殆どが”VGA対応”になっていることも見逃せない。
このため、VGA出力(640×480ドット)は事実上の標準仕様と云って良いが、肝心のVGAボックスの値段が高く、一般的な普及度と云う点ではネックになったと思われる。
本体前面の四つのコントロールポートはシリアル方式で、多人数対戦のマルチターミナル的な用途ではなく、複数の周辺機器(例えばキーボードとマウス)を同時利用するためと説明されている。
本体にリセットボタンは無く、ドリームキャスト・コントローラーのA・B・X・Yボタンとスタートボタンの同時押しによるソフトリセットになった。
内蔵時計用の電池は充電式で本体内蔵。
充電池が消耗した場合は起動時に日時の設定画面になる。
発売時のドリームキャストに添付された取扱説明書(672-5407A)にはMIL-CDの項目が無い。
■ 側面及び背面
(写真3)
ドリームキャストの後ろ側。
セガのゲーム機としては初めて強制冷却ファン搭載。
前から見て右側面に排気孔がある。
通信用モデム(HKT-7100)を標準搭載。
(通信速度:33.6Kbps)
モデムは本体と一体化したデザインのため底面を見ないとモデムと分からないが、脱着が出来る構造になっている。
添付の専用接続ソフト”ドリームパスポート”でユーザー登録すると、ダイヤルアップ回線によるインターネット接続が可能になっていた。
登録情報を保存したビジュアルメモリのアイコンは、”ドリームパスポート”に変わった。
発売当時、標準でインターネット接続ができるゲーム機は他には無かった。
写真の左端のコネクタが電話回線接続用。
[背面の端子類]
・電源端子(AC電源)/汎用のメガネ型。
・シリアル端子(※電源端子の下側)/対戦ケーブル等を接続。
・AV端子(※シリアルの左側)/複数の信号(ビデオ、S映像、RGB、音声)を扱う。
(ステレオAVケーブル、S端子ケーブル、VGAボックス等を接続)
・通信用モデムのモジュラージャック/電話用の付属モジュラーケーブルを接続。
■ GD-ROMドライブ
(写真4)
ドリームキャストのGD-ROMドライブ部。
当時のDVDはコスト高な上に開発環境が整わない等の理由から見送られ、ヤマハが開発した”GD-ROMフォーマット”のドライブを採用。(容量:1GB)
CAV方式のドライブは最大12倍速。
初期型ではスピンドル周りに他の付属物は無い。
※GD-ROM(GIGA BYTE DISK-ROM)
当時の雑誌記事ではゲーム機初のCAV方式でシークタイムを大幅に短縮したドライブであることを強調していた。 (※ドリームキャストマガジン誌)
■(GD UNIT KATANA)
初期型はYAMAHA製(MADE IN JAPAN)。
赤丸印の所に見えるのが放熱用の金属パーツに繋がるヒートパイプ(※二本の内の一つ)
高速回転する為か駆動モーターがやや壊れやすい欠点を抱えていて寿命的に心配な部分。
GDディスクの最内周部分はセガサターン同様にISO形式で、外観上もGD-ROMの部分とは違う事が分かる。
セガサターンと同様に、ISO形式の部分にはテキストの他にパソコンで見える画像ファイルが記録されている物がある。
■「初期型ドリームキャストの冷却方式」
(写真5)
外から見た初期型の冷却ファン。
冷却ファンは枠部分が金属製。
CPUとGPUチップに取り付けたヒートパイプでチップから発生した熱を放熱用の金属パーツに導き冷却ファンで外に排熱する。
ヒートパイプは熱伝導効率が高く配置の自由度も高い分コスト高の印象がありゲーム機用としては豪華な冷却方式と云える。
ヒートパイプを家庭用ゲーム機に正式採用したのはドリームキャストが初めてと思われる。
VMの液晶画面は白黒のアイコンだがドリームキャストの”ファイルメニュー”ではカラー表示される。
例えば(画像4)のDポートのソケット2は「モスラドリームバトル」のVM表示で、カラー表示では見た目の印象が随分違う。
(画像7)「表示言語のメニュー(六ヵ国語に対応)」
(画像8)「日付と時刻のメニュー」
(画像9)「ドリームキャストの標準レーベル画像」
(画像10、11)「ゲームタイトルオリジナルでディスクのレーベル画像とは異なる例」
(画像12、13)「ゲームタイトルオリジナルでディスクのレーベル画像と同じ例」
■[ディスクの警告音声]
ゲームディスクの2トラック目には、”これはドリームキャスト用のゲームディスクです・・・ ”と云うCD再生の警告音声が収録されている。
警告音声は必須仕様のようでどのGD-ROMにも入っているが、セガサターン同様に声優バージョンやドラマ仕立ての物がある。
ドリームキャストはセガサターンの様な外観の変更は無かったが、コスト低減のため発売から一年経たないうちに内部構造を変更した後期型に切り替わった。
大きな変更点は冷却方法で外観的な相違が冷却ファンに見られる。
内部構造については、「PC Watch」の記事(当時の物)が詳しい。
※”PC Watch ドリームキャスト分解”で検索する。
■「箱の型番表記について」
標準仕様のドリームキャストには箱の型番に5000番と5100番がある。
これは希望小売価格の違いによるもので本体の内部構造の相違とは直接関係が無い。
1999年6月24日のドリームキャスト値下げに伴い箱の型番が変更されている。
”HKT-5100”は価格19、900円のドリームキャストという意味になる。
これは、オレンジの箱の初期型でも”HKT-5100”のシールになっている物がある事から裏付けられる。
ドリームキャストの本体型番は元より、箱の型番でも内部構造の相違による初期型と後期型の確実な判別は出来ないことになる。 (※中古品を手にするときには注意。)
外観から判別できる手掛かりは排気孔の冷却ファン形状になる。
ドリームキャストの価格はゲーム市場撤退に伴い2001年3月1日から9,900円に引き下げられた。
セガのサイトでは、この価格で表示されている。
カラーバリエーション等の色違いのコントローラーの場合は各パーツ部分の色も異なる。
・本体部分の実測重量(目安):約204g(コード含まず)
(写真9)
ドリームキャスト・コントローラーの前面
4ボタンのドリームキャスト・コントローラーは6つのボタンを使用する対戦格闘ゲームには不向きなため、仕様面で評価が分かれる部分。
通常は、”ビジュアルメモリ”と”ぷるぷるぱっく”を拡張ソケットに挿す事になる。
(写真10)
ドリームキャスト・コントローラーの内部基板
(写真11)
セガの専用マイコン ”E2 MAPLE BUS”チップ
(写真12)
基板の裏側
同様にアナログ方向キーもホール素子で動作に支障が出ないようホール素子に近接するネジは非磁性のステンレスネジ。
■ ビジュアルメモリ(VM) (写真13、14)・本体色:グレー系の白
・電源:CR2032リチウム電池(二個)
※単体使用しない場合は電池不要。
単体使用で小型携帯8ビットゲーム機として機能する。
(時計機能あり)
・本体の実測重量:約48g(電池、キャップ含む)
・キャップの実測重量:約2g
・電池の実測重量:6g(二個分)
本体下にはストラップを通すくぼみがある。
ビジュアルメモリはメモリデバイスとしてのメモリ容量(1Mbit、200ブロック)の少なさが欠点として上げられる。 これは、後にカスタムチップのダイサイズの制約による物と明かされており、ワンチップ化という設計が固まった時点で予想された事。
当時の半導体量産技術の問題でもあり、セガとしてはビジュアルメモリの数で対処できると割り切った節がある。 数が出ればセガの利益に繋がる訳で大容量メモリーカードの投入が遅れたのも状況証拠としてうなずける。
ドット表示の白黒液晶画面と8ビットCPUにより専用ミニゲームの小型携帯ゲーム機として機能するが、電池の消耗の大きい点がネックだった。
(画像14)
VM「モスラドリームバトル」
(画像15)
VMオリジナルアイコンの例
上からではLCDのみが基板に載っているように見える。
基板の左は外したケース上側の裏部分。
(写真18)
本体のネジを外して下側(本体の裏)ケースを外した所。
半田付けされた圧電ブザーがケースに付いている。
ネジ止めされた電池の電極部分(二カ所)を外すと基板をケースから外せる。 下側のケースは電池ケースを兼ねていて、電極部分が基板から伸びる構造。
写真では左側のケースが下側でパーツの載っている所が上側になる。
ぷるぷるぱっくの下側の出っ張り部分はモーターと回転する重りの部分。
(写真22)
前側から見た内部。
モーターに取り付けられた重りの構造が分かる。
モーターが意外に大きい。
この面のプリント基板に載っているパーツは少ない。
(写真23)
裏返しにしたプリント基板。
セガの専用マイコン”E2 MAPLE BUS”チップが載っている。
1.「ドリームキャストの故障」
2001年に「バイオハザード CORD:ベロニカ 完全版」をプレイしていた所、一台目と二台目が相次いで故障する事態が発生した。
初期不良を除けばセガのゲーム機として初めて現役中の故障になった。
稼働期間は、一台目:約二年三ヶ月、二台目:約一年五ヶ月という短さ。
二年程度での不具合からドリームキャストではセガの耐久性に関する設計がセガサターンとは変わっていると感じた。
修理に出した所、二台ともGDユニット交換で返ってきたが二台目は何故か無償扱いだった。
故障までの期間や稼働頻度から、後期型モデルに搭載のサムスン製ドライブユニット(MADE IN CHINA)は品質に問題があるように思える。
(※二台目はサブ使用のため一台目の方が稼働頻度が高かった。)
(参考)
GDユニットの故障は主に小型DCモーターの故障と思われる。
スピンドル用とシーク用の二種類ある。
メーカー修理が無くなった今では自前で直したい所だが、調べてみるとモーター入手という大きな壁があり、そうは問屋が卸してくれない。
制御基板の半導体類に問題がなければ小型DCモーターの交換で直せそうだが、産業用の小型DCモーターのため個人には代替品でも新品入手はほぼ不可能。
特にスピンドル用は取り付けサイズに制約があるため代替品も品種が限られる。
代替品は日本メーカーだが、この手の類は受注生産のため最低でも数百個単位(推測)での注文しか受けないと思われる。
端から家電等の製造メーカー相手の商売なので個人は門前払いに等しい。
2.「品薄の中で買えたのは幸いだった・・・のか」
最初のドリームキャスト購入はPowerVR2チップの初期ロット不具合発覚による出荷台数不足まっただ中の1998年12月31日。(秋葉原のメッセサンオー)
当時は品薄情報ばかり流れており年内購入は無理と諦めていたため、レジ奥の棚にあったドリームキャストの箱を見た時は驚いたが店内を見渡しても他には誰も買おうとする人は居なかった。
実際には現物が有る所にはあったわけで、セガが当時流した”売り切れ中”のCMはドリームキャスト販売の足を引っ張るだけに思えた。
案の定、生産が順調になっても販売が上向かず、セガは販売計画の見直し(値下げ)を強いられる事になった。
3.「懐具合に響くメモリーカード」
”ドリームキャスト・コントローラー”と”ビジュアルメモリ(VM)”でデータセーブを行う設計は合理的である反面、肝心のセーブメモリ容量が少なく、
購入ソフトが増えるほどビジュアルメモリの追加出費を強いる点で不満を覚える設計でもあった。
後にサードパーティー製大容量メモリーカードの登場で状況は改善されたが、本家セガの対応が後手に回ったことは否めない。
4.「ドリームキャストの変色」
色が白系のドリームキャスト本体は最初こそ綺麗なものの、経年的な変色(黄ばみ)を起こして長期になるほど色味が気になってくる。
これはコントローラーとビジュアルメモリにも共通することで、カラーバリエーションでも部分的に白系が使われている所が変色する。
何も変わっていないように見えても別の本体と比べると微妙に変わっていてガッカリする。
使わない時はカバーをする等して光を遮ると少しは変色の度合いを減らせる。
5.「家庭用ゲームコンソール撤退の意味合い」
メガドライブ時代からのセガハードユーザーとして、セガの突然の撤退は大きな落胆と共に毎月のようにゲームソフトを買う必然性が無くなった事を意味した。
それぞれの時代で多くのゲームソフトを購入してきたのもセガが作るゲーム機を気に入っていたからであり、セガのゲーム機でプレイできる事に価値があった。
継続的にゲーム機を開発・販売してきた”セガ・エンタープライゼス”こそが魅力的なセガであり、ゲーム機を作らないただのセガ(当時 (株)セガ)には用が無くなった。
ドリームキャストの撤退は、同時に”さよならセガ”(※)であった。
(※)他機種でソフト販売しても買わないと云う意味。
6.「ドリームキャストの製品コードシール」
ドリームキャストの製品コードの中に初期型と後期型を見分けられる数字がある。
(製品コードの例)
適用 | 製品コード | ||||||
初期型(038002088697)の例 | 0 | 3 | 8 | 0 | 0 | 2 | 088697 |
後期型(019018060892)の例 | 0 | 1 | 9 | 0 | 1 | 8 | 060892 |
(説明用の対応記号) | A | B | C | D | E |
以上、本体製品コードの(C)から内部構造の相違による初期型と後期型を判別できる。
(※手持ちドリームキャストからの推測です。)
ハローキティの25周年記念モデルで本体を含むセット品にハローキティがプリントされた特別限定版。
(1999年10月25日発売)
色の違いだけでなく本体は後期型モデルという点が特徴。
本体の実測重量:約1.43Kgで初期型より少し軽くなっている。
※重量の軽さは標準仕様の後期型も同じ。
※本体形状に変更が無いためか本体型番は従来通りで変更無し。
ハローキティが「本体」、「コントローラー」、「ビジュアルメモリ」、「小型キーボード」にプリントされている。
起動画面などは通常品と同じで、「外箱」、「添付インターネット接続ソフト」、「ドリームパスポート取扱説明書」がハローキティ仕様になっている。
(写真K3)
ハローキティ・ドリームキャスト電源オン。
トップカバーがスケルトン仕様のため、LEDの光が周りにも広がって見える。
本体色が異なる以外は標準仕様(後期型)と同じ。
(※白箱の型番HKT-5100相当)
ボタン類は白色で標準仕様とは異なる。
本体ディスクドアのハローキティはカラープリントで外箱と同じ絵柄になっている。
サンリオのコピーライツ(※1999年)が記されている。
商品的にはeメールセットと云える物でセット品の小型キーボードは当時未発売。
小型キーボードは後に標準キーボードとして市販された。
同梱の周辺デバイスはスケルトンブルーで統一されている。
※セガは女性向けセットとしている。
※ハローキティ・バージョンには色違いのスケルトンピンク仕様がある。
当時は、本体色が異なる特別バージョンは数量限定品扱いで数に限りがあったが、このハローキティは特別限定版と云っても普通に買える物だった。
同梱物が多いものの価格的には割高で、ハローキティのコレクションアイテムと云った感じ。
発売時点では小型キーボードが無かったので実質的なメリットとしてはこの部分になる。
写真の物は二台目としてドリームキャストダイレクトで予約購入した物。
当時のドリームキャストダイレクトでは数量限定品扱いだった。
スケルトン仕様の上部は曇りガラス的な透け具合で内部はハッキリ見えないが、ディスクドア(蓋)を閉めてもディスクが回転する様子は分かる。
後期型モデルも端子類の配置等に変更は無い。
外観的にはディスク保護用のフェルトを張ってある所が初期型との相違点。
フェルトは薄いブルーで標準仕様の黒色とは異なる。
フェルト貼り付け部分は溝になっており、成型金型を修正している。
(写真K8)
ディスクドアを開いて後ろ側から見たハローキティ・ドリームキャスト。
独特な形状のディスクドアになっている。
(写真K9)
後期型ドリームキャストの冷却ファン。
冷却ファンの枠がプラスチックでフードが有る。
取り付け位置が下に下がり、少し奥側に引っ込んでいる。
このため、初期型と後期型の見分けは冷却ファンの形状が大きなポイントになる。
周辺機器はセガ純正品が多くサードパーティー製は少なかった。
カラーバリエーションが発売されたのもドリームキャストの特徴で色違いの周辺機器が多い。
カラーバリエーションには通常の販売店ルート品とドリームキャストダイレクト専売品の二種類があった。
ゲームをする上で必須となるビジュアルメモリ(VM)はセーブ用メモリとしては容量が少なく多くのVMを必要としたが、ワンチップのカスタムチップ構成という特殊性からかサードパーティーの製品を見かける事は無かった。
標準品の他にカラーバリエーションやポイントバンクの交換景品、ゲーム同梱品等がある。
カラーバリエーションはドリームキャスト・コントローラーと同色が発売されていた。
ドリームキャストの取扱説明書では、ビジュアルメモリはメモリーカードの一種と説明されている。
本体型番はパッケージが異なっても”HKT-7000”で同じ。
本体ケースの色によって方向ボタン類の色が異なっている。
(写真):「標準仕様のビジュアルメモリ」
本体の色:グレー系の白
使用電池:リチウム電池CR2032(2個使用)
価格2,500円(税抜き)
VMは白色が標準でセガでは白系以外はカラーバリエーションとしている。
以下はカラーバリエーションの例。(※小さめの写真で掲載)
(パッションピンク)(ライムグリーン)(アクアブルー)下の写真は、ビジュアルメモリ裏側の電池蓋のシール。
海外向けVMにはシールに電池についての注意書きがある。
(デジキャラットファンタジー) | (HELLO KITTY Dreamcast) |
ドリームキャスト製造中止後、秋葉原のメッセサンオーで売られていた物。 国内向けの標準品と同じタイプだが、本体ケースにぐるぐるマークが無い。
8カ国語の分厚いマニュアルが入っていて箱が大きい。
■北米仕様ビジュアルメモリ
秋葉原で逆輸入品の形で売られていた物。
セガ販売品の(USブルー/USレッド)の色違い。
パッケージ類が手元に無いので型番等は不明。
液晶表示などの動作関係は、USブルー/USレッドと同じ。
ビジュアルメモリとして問題なく使用できる。
大容量メモリーカードはビジュアルメモリ(VM)のセーブ容量の少なさを補うためにメモリー機能に特化した製品で、サードパーティーの製品が先に発売された。
容量はビジュアルメモリの4倍、8倍、16倍があった。
メモリー機能のみで液晶画面が無いため、拡張ソケット2かビジュアルメモリの接続端末にしたコントローラーに挿して使用する。
メモリはバンク切り替え式でメモリーカード本体のボタンを押して200ブロック毎のセーブ領域を切り替え使用する。 本体には切り替えたページ(セーブ領域)を示すLEDがあり、ドリームキャストのファイル管理画面からビジュアルメモリと同様にセーブ内容の確認やコピー等が出来る。
サードパーティー製の接続コネクタはビジュアルメモリと同じタイプながら、VMと直接繋げての操作は出来ない。
カラットの大容量メモリーカードで、写真はビジュアルメモリの8倍の容量。(バンク切り替え式の8ページ分)
他に4倍と16倍があった。 ケースはスケルトン仕様。
頭の部分のコネクタから付属専用ケーブルでパソコンにデータ転送出来るようになっていた。
管理ソフトとケーブル(RS232C)付き。
※管理ソフトはWindows95/98用
説明はないがデータ圧縮して保存するタイプと云われていた。
転送でデータが壊れ易いとも云われていたが通常のメモリセーブで問題は起きていない。
対応しないゲームは説明書に記載されている。
保存ページ(セーブ領域)はLEDによる数字表示で分かり易く使いやすいメモリーカードだった。
保存ページ(セーブ領域)を示すLEDがある。
バンク切り替え式はページを変えれば同じセーブ名で保存出来るのが便利。
非圧縮のバンク切り替え式で4倍のメモリ容量。
(200ブロック×4)、 ケースはスケルトン仕様。
※説明書に非圧縮との記載がある。
頭にあるボタンでページを切り替えると内部の4つのLEDが順番に点灯する。
取り外しが容易な形状が良い。
本体色は写真のグリーンの他にブルー、クリア等 があった。
セガ純正品 (本体色:白色)
バンク切り替え式でメモリ容量はビジュアルメモリ(VM)の4倍(200ブロック×4)。
頭のボタンでページを切り替えると4つのLEDが順番に点灯する。
ドリームキャスト発売当初から要望は多かったが発売時期はサードパーティーより遅かった。
(本体刻印)
SEGA CORPORATION
MADE IN CHINA
同じメモリーカードでもビジュアルメモリとの直接操作が出来ないため、コネクタは他の周辺機器と同じ物(同色)になっている。
サードパーティー製と異なりページ切替のボタンが本体から引っ込んでおり少々押しにくい。
メモリ関係以外で購入した製品は少ないが、中にはドリームキャストの必需品と云える物もある。
■ぷるぷるぱっく (型番:HKT-8600)セガ純正品。(MADE IN JAPAN)
コントローラーを振動させるデバイス。
ゲームの必需品で有ると無いとではゲームの印象まで変わってくる。
セガ純正品。(MADE IN JAPAN)
パソコン用ディスプレイに映像をVGA出力(640×480ドット)する物で、ドリームキャストのビジュアル面の本領を発揮させる周辺機器。
VGA出力の他にS端子とビデオ端子もあり、スイッチで映像出力の切替が可能。
このためVGA未対応ソフトにも対応する。
パソコン用ディスプレイのVGAのため、VGA入力があるモバイルモニタでも使用可能。
当時の価格は 7,000円と高かった。(値引き無し)
殆どのソフトがVGA対応のため、これが有ればS端子より鮮明な映像でゲームが出来る。
VGA出力に未対応のソフトでは、画面に ”このゲームは、いま本体に接続されているケーブルに対応していません。・・・・・”のメッセージが出る。
HELLO KITTY ドリームキャストセットの同梱キーボード。
本体色:スケルトンブルー (底面側は白色)
底面側に傾斜角を変える折りたたみ足が付いている。
(MADE IN CHINA)
セガ純正品のドリームキャスト用マウス。
本体はクリアタイプ。 (ボール接触式の小型マウス)
マウスパッドは付いていない。
SEGA CORPORATION
(MADE IN CHINA)
音声認識用のデバイス。
(音声認識をするゲームで使用。)
購入予定の対応ゲームが未発売になり出番無しで未使用。
(MADE IN JAPAN)
”retro-bit”のロゴシールが張ってあるVGAケーブル。
パソコン用ディスプレイにVGA(640×480ドット)で映像出力する物。
中古のセガ純正品より安価で2014年に予備として入手。
形からはケーブルというよりボックスの呼び方が妥当な商品。
箱の無いバルク品で、Web情報から2008年~2009年頃のDC VGA BOX(XK-DC2000)の類似商品的な感じで端子類を含めてよく似た外観。
使い方はセガ純正VGAボックスと同じ。
透明ケースのため中が丸わかりで、基板に2013/07/26の印刷が有る事から最近作られた物のようだ。
VGA出力は問題なく使用できるが本体AV端子への差込が固い上に普通に挿すと画が出ないトラブルを起こしやすい欠点がある。
この様な場合は気持ち斜め上から差し込むようにすると上手く行く。
個体差かも知れないが音質はS端子側のRCAステレオ端子の方が良い。
D-sub15ピン端子側(VGA)のステレオミニジャックは音がこもる。
切替スイッチは映像出力の切り替え用で音声はVGAとS端子側双方に出ている。
セガ純正品。(MADE IN JAPAN)
綺麗な映像でプレイするには最低限”S端子ケーブル”が必要。
ケーブルは径の太い物が使われている。
最近の液晶テレビはS端子が省かれているため、そのままでは使えない問題が生じる。
製造メーカー不明のバルク品。 (予備として入手)
作りは安っぽいが特に問題なく使える。
S端子とビデオ端子の両方が付いているため、どちらの端子にも接続できる。
セガ純正品。(MADE IN JAPAN)
二台のドリームキャストのシリアル端子に接続して対戦ゲームをするための物。 当時の価格:3,000円(税抜き)
対戦するには、ドリームキャスト、ゲームソフト、テレビを二台分用意する必要がある。
ドリームキャスト・コントローラーはサードパーティーの発売が少なく必然的にセガ純正品の色違いが多くなった。 ビジュアルメモリの増設端末としての必要性から本体台数以上に買っている。
市販品の他にドリームキャストダイレクト専売品やポイントバンクの交換景品がある。
セガ純正品の本体型番は全て”HKT-7700”。
ドリームキャスト本体と同時期に購入した初期型。
価格(当時):2,500円(税抜き)
無償交換のし忘れで残っていた物。
初期型には左右のトリガーレバーが破損しやすい欠陥がある。
外形上の特徴として、方向ボタン(十字ボタン)の高さが改良型より少し低い。
尚、トリガーレバーが破損してもメモリーカードの接続(増設)端末としての使い道がある。
(※写真の色味が異なるのはクロス処理の効果を付けたため)
初期のポイントバンク交換景品。
迷彩カラーの初期型ドリームキャスト・コントローラー。
(景品のため修理対象外の品)
最初からビジュアルメモリの増設端末として使用していたため、左右のトリガーレバーの破損は無い。
(写真)
パッションピンク
HELLO KITTY ドリームキャストの同梱品。
本体と同じスケルトンブルーで下部は白色。
ブルーとは云っても薄い色。
同梱ビジュアルメモリと同じくハローキティがプリントされている。
スケルトン仕様の透明タイプ。
箱の印刷が通常品と異なり冬のイメージ。
箱のぐるぐるマークにゲームソフトと同じタイプが印刷されている。
本体に振動機能内蔵で拡張ソケットは一つ。
振動のON/OFF及び4ボタンと6ボタンのモード切替スイッチ付き。
赤のスケルトン仕様だが内部の様子はハッキリ見えない。
ヨドバシカメラで見つけて珍しさから購入(※2000年4月)したが、振動が弱い感じのため使用せずに保管していた物。
ドリームキャストマガジン誌の周辺機器記事に色違いの物(黄色)が載っていた。
左右のトリガーは中で歯車を回す構造(可変抵抗式?)で耐久性は未知数。
今でも新品として売っている不思議。
国内用ドリームキャストで問題なく使用できる。
因みに箱は紺色に写っているが、補正するとボタンの色が変わるため元の色と合っていない。
元の色は ”欧州仕様ビジュアルメモリ”の写真に近い。
ドリームキャスト撤退後(2002年)に発売された物。
当時、ゲームメーカーのサーバーで提供されていたVM用の無料ダウンロードコンテンツや専用ソフトのコンプリートデータなどを収めたGD-ROM付雑誌。
VM用ミニゲームカタログやゲームの裏技、隠し要素等も収録している。
VMのダウンロードコンテンツは当時の物が一通り揃っているが抜けている物も有る。
(写真)
「ドリマガ ドリームキャストは世界いちぃぃぃ!」
ドリームキャストの発売ソフトと周辺機器を網羅した物。
冒頭にドリームキャスト2年半の歩みを記した年表ページがある。
発売ソフトは1998年11月から2001年8月までを読者レースの順位で紹介。 (※裏技の類は無い)
ABS樹脂の経年劣化による黄ばみの除去方法はWeb検索すれば色々とヒットする。
以前、酸素系漂白剤に浸ける方法を試したが上手く行かなかった。
Webで見た食品包装用ラップフィルムで包む方法を試して見た所、足かけ四日間日光に当てて黄ばみを除去できた。 (※天候の変動で有効時間は15時間ほど)
ラップフィルムで包む方法は酸素系漂白剤の量を少なくできるメリットがあるものの、合わせ目にテープを貼っても液漏れし易いため、二個目から食品用ポリ袋を使用。
尚、黄ばみ除去は11月から12月に掛けて行ったもので日光さえ当たれば季節は余り関係ない。
「備考」
ABS樹脂の変色(黄ばみ)は白い物で目立つが黄ばみは樹脂の色に関係無く起こり、スケルトン仕様の透明樹脂も黄ばむ。
「黄ばみ除去効果の有効期間」
経過期間 | ABS樹脂の色合い |
---|---|
半年 | 変化無し |
一年 | 薄い黄ばみ発生 |
箱に入れて保管し変色度合いを見た所、一年経たずに黄ばみが再発生した。
劣化が始まったABS樹脂を還元処理しても元の色の長期維持は難しい。
変色が気になる程度になった時点で酸素系漂白剤の処理を繰り返すしか無いようだ。
(2020年1月 記)