以下に記するのはHarry Palmer著のリサーフェシングワークブックP70〜P72
及びインサイド・アバターP57〜P61から一部引用し参考としました。

 自分の体や記憶などで自分の意識が引き付けられてしまっていたり気になってしょうがないという状態から回復させる一つの良い方法です。固定された注意を解くというワークです。

1、例えば腰が痛いとか顎関節が痛いとか噛み合わせが気になるとか気になった
     り敏感になっていたりするところにあなたの注意の焦点がぴったりくるまでそ
     の領域を詳しく描写したりじっくり観察したりします。

2、次に、その領域から注意や意識が離れるまであなたの周囲にある何かを詳し
  く描写してみて下さい。周囲にある何かとは物でも出来事でも現象でも何でも
  いい のですが出来るだけあなたの関心を引くものがよいでしょう。

3、充分に自分の意識を集中し注意を出し切ったら今度はまた「1」に戻って気にな
  る部分を充分描写します。それが出来たらまた「2」をやります。以下に記する
  結果が一つ以上えられるまで1、2を繰り返します。

その領域についての突然の洞察
解決の出現
その領域がまるまる解消
苦痛からの開放
動揺の緩和や感情的開放
過去の深い心の傷の緩和
視点の変化(重要度の並べ変え)  以上リサーフェシングワークブックより

以下は具体的セッションの記録です。(インサイド・アバターより抜粋)

  私たちは、セッションを始めるために網戸付きのベランダの寝椅子に腰を下ろします。まず膝に注意を払うことから始めます。彼は膝を少し動かしてみて、顔をしかめて言います。
 「そうだ、これだ。大抵いつも、こういう感じに痛むんです。得に夜中に。ここから始まる突き刺すような痛みです。」そう言いながら彼は膝の中を指差しています。「そして足の方まで痛みが伝わって行く。時にはずっと足首のところまで痛みを感じることがあって、右足まで痛くなる。説明するのは難しいなあ。」
 「では」と私は言って、庭にある鳥の餌箱を指差します。「あれをごらんなさい。」リスが一匹、鳥の餌箱の中に登って入って、地面の上にいるもう一匹のリスに向かってひまわりの花の種を投げています。
 「あのリスは身ごもっているみたいだ」と彼は言います。「鳥の餌箱の中にいるのは夫リスだろうか。」そしてその後、もう1分ほど眺めたあと、彼は言います。「どんぐりを集めるより、これは確かにずっと簡単だ。」
 「膝はどうですか?」
 「ああ、いつもと同じく痛んでいますよ。」かれは数秒かけて膝に注意を集中させ、何回かそれを動かしてみます。「特定の動かし方をすると痛むんです。」彼はそれを私に実演して見せてくれるようとします。それとはほとんど同時に、彼は初めて何かに気がつきます。
 「面白いことには、いつも同じ動きが痛みを起こすのではないみたいです。」
 「それは興味深いことですね」と私は言うと、彼はまた新しいことに気がつきます。
 「そう、動き意外の何かによって痛みが生じさせられているようです。動きはただ痛みを悪化させているだけです。」
 「その動き意外の何かとはどんなものかについて説明できますか?」
 彼が答えをえるまで数分が経過します。「いやあ、全くわからない。」
 彼の注意を外に向けるべき時だと私は考えます。
                中略
 「膝はどうですか?」
 「ああ、まだ痛みます。おかしいことがあります。」
 「何ですか?」
 「膝に私の注意を向けている時よりも、注意を膝から離そうとする時の方が痛みがひどくなるようです。」彼は考えながら膝をなでています。
 「たぶん膝は注意を引きたいんだと思います。」彼は目を閉じて、物思いに沈んでいるように見えました。
 「何を考えているのですか?」
 「ええと、子供たちは時々、注意をひくために自分を痛めつけたりすることがあるって考えていたんです。僕の膝が痛むのもそれと同じ理由だろうかって思っていました。」
 「膝はどんな具合ですか?」
 「まだ痛んでいますよ。落胆させられてしまいます。」
 「どうしてですか?」
 「ただ厭な気分にさせられるんです。痛みは原因は不明で、どんな治療をしても効き目がない。何というか、。、、、、、、絶望的です。
                 中略
彼は自分が泣いているのを隠そうとしているのです。「すみません。」彼は涙を払いのけます。「これ以上これを続けられません。うまくいってないようですから。」
 「その膝には何か強い感情が絡んでいるようですね。その感情をどのように描写しますか?」
 「いやはや、僕にはできません。とにかくすごく痛むんです。僕自身を圧倒してしまうような痛みです。それについて僕にできることは何もないのです。努力したんです。でもこの痛みに、膝を屈することになってしまった。」彼のムードが突然変わります。
  「これは面白い。膝の痛みで膝を屈する、とは。」
                 中略
 「膝はどうですか?」
 「実は、だいぶよくなったみたいです。たぶん『膝を屈する』とか『屈服する』と言う概念に本当に抵抗していると思います。たぶん僕の父だったか『屈服するな』ってよくいっていたものです。
  その時、まるで合図に応えるかのように、鮮やかな赤のショウジョウコウカンチョウが餌箱に現れます。「ほらあの鳥がやって来た。これは雄だってことはわかるんです。雌はもっと色が褪せています。
 私たちは二人でショウジョウカンコウチョウを少しの間、眺めます。
 「膝に何が起こっていますか?」
 「別に何も。実は、今、とてもいい気持ちがしています。でも、痛まなくなることは今までにも時々あったんです。でもたいてい痛みは戻って来ますが。」
 「どういう時に痛まなくなったんですか?」
                  
                以下省略

 その後彼は子供のころ祖父の大きな温度計を壊したことを思い出し。その罪の意識によって膝の関節がガラスの破片で満たされている感じに気付いたり。彼の過去世で銃で膝を打ち抜かれたイメージが浮かんで来たり。その後膝を切断されたりしたイメージが浮かんで来て膝の痛みの遠い原因に気付き、その後膝の痛みが大幅に解消されたとしめくくられている。


 このワークは一人でも出来るので是非お試しあれ。希望されれば私がお相手しても良いし然るべきカウンセラーを紹介いたします。詳しくはメールでお問い合わせ下さい。



                   自分の意識を気になるところから引き剥がす(固定された注意を解く)