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インターネット的

<ブックデータ>
著者:糸井重里
出版元:PHP研究所
ISBN:4-569-61614-3
価格:660円
初版:2001年


どうして、ここまで共感するんだろう、
と不思議な気持ちになる一冊でした。
いやぁ、誕生日によい読書ができましたね。

それって、まさにわたしがインターネットをして
面白いと思ったことを、面白いと書かれているからです。
もちろん、自分と考え方が似ていたり、
自分の言いたかったことが、書かれてあったりすることに、
慣れてしまったはいけなくて、
自分とは考え方の違うことにも、
触れていかなくてはいけないんでしょうけど。

ま、でもnikko81がこの本を読んで、
こんなに共感しているんだ、
ということをどこか頭の片隅に、
置いてもらえたら、nikko81の趣味がわかるかも。

いろんなテーマがあって、
それぞれがすごく興味のあることなんですけど、
あえて絞るならば、Only is not lonelyや、
何かを伝えたいという気持ち、とか。

でも一番興味があるのは、
「消費のクリエイティブ」っていう考え方ですね。
ま、これはわたしが経済学部出身、
ということとも関係していて。

個人的には、学生のころによく読んだ
米国の経済学者のガルブレイス教授を思い出します。
ガルブレイス教授は、依存効果などの概念で有名で、
消費者と生産者の力関係が、
圧倒的に生産者が強く、
消費者主権なんて、ウソじゃないかぁ!
という姿勢で一貫しています。

彼の著書を読んで、買うってことは、
すごく自分が何者であるか、
ということにすごく深く関わっていることに
気づいたような気がします。

そこで、ある人が何を買うのか、
どういうサービスを受けたいと思うのか、
ということは、ものすごくその人の価値観というか、
人となりが現われることだと思っていて、
すごくカッコいい消費のあり方、
自己主張のある消費のあり方がまずあって、
それが、生産者との関わり・相互作用を伴って、
そこから、未来の商品が出てくるような気がしていたんです。

であれば、そこに対話を想定する以上、
消費者が神様であったり、
無意味に偉そうに振舞っていて、買い手としての努力をしない
なんていうのは、なんかつまらないなぁ、と。
ある人が、消費者として偉そうにするのなら、
生産の側に回ったら、ペコペコしているわけで。

お金があるのに、どう面白くお金を使おうか、
ということに気が回らないのは、
やっぱり、もったいない。
そういうお金の使い方をするか、ということは、
個人的には、どういう風にお金を稼ぐか、
ということよりも、個性を発揮できると思うんですよね。

お金の稼ぎ方で、個性を出すには、
勇気があると思いますからねぇ、やはり。
個性を磨くなら、「個性的」
と誰かが言ったものを買うのではなく、
「没個性的」なものを個性的にしていくほうが、
はるかにいいですよ、たぶん。
おいしいものを食べるよりも、おいしく食べたい、
っていう感じでしょうかね。

そして、そういうものが、
ぶつかり合う中で、また何か新しくて、
面白くしていけそうなことが生まれたり。

    *   *   *

話は変わりますが、7月19日からやっていた
「AKIBAX 2001」は、ほとんど新商品発表会で、
ちょっとガッカリだったんですよね。

車に乗る人すべてがカーマニアでないように、
パソコンを使う人すべてが、秋葉原大好き、
ではないんですよ。

会場に来ている人は、
いかにもパソコン好きでっせ、みたいな人が多く、
家族連れとか、カップルとか
そういう人がいけるような雰囲気ではなくて。
というか、行っても楽しくないだろうな
という感じで。

イベントですから、コンパニオンのお姉さんも
いっぱいいるんですけどね、
良くも悪くも、そのイベントの「ために」、
に来ているんですよ。

いつの日か、コンパニオンの方が、
イベント会場で、自分の言葉でパソコンって、
インターネットって楽しいよね、
という日がきたら、インターネットが
日本に本格的に浸透している時なんだろうな、
と思います。

あれ?
本の紹介してたのに、「コラムもどき」
みたいになっていますね…


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