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東京〜名古屋


ブランクというのは。2年目に出てくるもの、
と多いように、世間では言われているような気がする。
「2年目のジンクス」とか、そういう言葉があるように。

2年目は、そんなに行き詰った気持ちには
ならなかったはずなのだが、
最近はどうにも、ぼんやりとした
閉塞感が心に棲みついている。

周りから見て、そんなに行き詰ったようには
おそらく見えてはいないだろう。
やるべきことが進まなかったり、
何をしてよいのか、そう身の振りを定めればいいのか。
そういった本当に行き詰った人から見れば、
人を馬鹿にしているという程度の
行き詰まり程度でしかないのだが…

自分の中で大掛かりな気分転換が必要な
気がしてきて、かつてふいっと旅に出たように、
またひとりで旅に出てみようかな、と思った。

そう思ったのは、6月あたり。
行ったことのない東北にしようかと思ってみたが、
夏の東北は意外と暑いかなと思い直し、
西のほう、それに何か目的があっていく時には、
行かないだろうなというところへ。
そう思って、山陰地方に向かって、
ぼーっと電車に乗ってみようと思った。

とはいえ、いきなり東京から行くと、
あまりにも時間がかかるので、
名古屋あたりまでは早くすっ飛ばそう、
ということで名古屋までは高速バスで行くことにした。

大阪には、よく高速バスで帰ることがあるが、
片道だいたい8,500円くらい。
で、名古屋は、6,500円程度。距離から考えると
そんなものだろうが、どうも心理的な感覚と一致しない。

名古屋を中心とする一帯を「中京」と呼ぶように、
地理的には、日本の中心にあるような気がするものだが、
実は、かなり関西よりである。
しかし、そのくせ生活習慣や言葉遣いなどは、
東京より、そんな感じがする。

東京から名古屋まで乗ると、大阪より近いので、
当然早く着く。したがって、
名古屋には、6時ごろに着いているわけで。
はっきり言って、こんな早くについても、
普通ならば、居場所に困るところなんだが。

しかし、そこは喫茶店王国名古屋。
朝早くから、開いている喫茶店が結構ある。
また、これも名古屋の特徴なのだが、
コーヒーを頼んだだけでも、
ゆで卵やその他もろもろがついてくる。

残念ながら、腹をこわしていたので、
ゆで卵やトーストは食べる気にはならなかったのだが、
せっかくの「名物」を体験できなくて、
のっけからそんな気分になってしまった。

来る前にある程度は、調べてあったのだが、
あくまで「大まか」「行きたいところに行く」なので、
喫茶店でパソコンでどこに行こうか調べる。

時間があるのでちょっと遠くまでということで、
中村公園に行ってみた。



ある程度予想はつくのだが、「中村」とは、
豊臣秀吉の生まれたところ。
記念館のようなものがあるのかな、
と思っていたのだが、その記念館よりも、
気になるものがあった。



それは、数々のイチロー選手の記事と、
イチローに対する応援メッセージだ。
考えてみれば、秀吉も尾張が生んだ英雄である。
その尾張の英雄を祭った公園に、
イチローへの応援メッセージがあるということに、
名古屋でのイチロー選手の扱いが大きさが、
よくわかる。

地元の人間が活躍するということは、
やはり大きな喜びであり、
後に続く野球人を育成するための
何よりの教育となるにちがいない。

もともとの目的で行った「秀吉清正記念館」は、
まぁ、あまり戦国時代のことについて
知らない人にとっては、発見があるのだろうが、
自分にとっては、知ってることが多くて
う〜んという感じだった。

ただ、肖像画がいっぱいあるところがあって、
これは誰でしょう、と当てるものなのだが、
意外とこれがわからない。
織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の東海三大名と
武田信玄・上杉謙信などは分かるが、
意外と毛利輝元など、ちょっと知名度が二流(失礼)
になると、分からないものだ。

まぁ、10時ほどになったので、移動。
名古屋城に向かうつもりなのだったのだが、
地図を見ると「浅間町」というところが、
近そうだったので、そこから歩いていくことにした。

この暑いときに歩いていくなんて、
物好きもいいところだが、
知らないところを適当に歩いて
新たな発見を楽しむことが、
旅の何よりの面白さと思っているだけに
こういう一見無駄に思える「歩く時間」は、
やめられないのだ。

と地下鉄の駅から出ると、
リサイクルショップの看板が。
名古屋城に行くのは、すっかり棚上げして、
一路リサイクルショップへ目指す。



「キンブル」というこのリサイクルショップ。
結構いろんなものがあって、お客でにぎわっている。
旅先ということもあって、
あまり大きな物は買えないなぁと思っていたが、
革靴(600円)と、金属製スプーン10本(200円)をゲット。
もっとほかに買うものがあったんじゃないの、
という気もしなくはないが…。

少々、荷物にはなるが、名古屋の駅前の
郵便局に自宅宛に送っちゃえばいいや、
ということで、持ったまま名古屋城へ。

名古屋城は、昔行ったことがあるのだが、
あまりよく覚えていない。
小学生のころくらいからか、
歴史に非常に興味を持っていたこともあって、
両親に連れられて、城郭めぐりはよくした覚えがある。

てっきりすべて再建されていたもの、
と思っていたが実は、「本丸御殿」は
再建されていないらしい。
どうやら、高い身分の人を迎えるための、
二条城みたいな建物のようだ。

とはいえ、やはり金の鯱は威厳があり、
なかなかの迫力がある。




写真で分かるように、天守閣の屋根は、
少し歴史を感じさせる緑色をしている。
この部分って、なんか装飾はないものか、
という点は気になった。

そんなことを思いつつ、中へ。
金の鯱が間近に見られたり、
当時の町の様子が再現されたコーナーが
あったり、結構面白いつくりになっていた。

当時の名古屋城主、つまり代々の尾張徳川家の当主は、
名古屋城の厨房と大名が食事をする部屋が
相当離れていたために、暖かい食事を
食することがなかったエピソードなど、
かなり面白かった。

個人的に気になったのは、
名古屋城が空襲で焼け落ちていく様を
綴った「名古屋空襲誌」の一説だった。

…悲しさ忘れて神々しいまでの美しい勇姿だった。

後で調べると、当時の名古屋人は、
何度も空襲から逃れてきた名古屋城は、
心の支えになっていたそうだ。
そこコーナーには、白黒の写真しか残っていなかったが、
あまりに悲しい美しさが、そこにはあった。

さて、そろそろ腹が減ってきたので、
名古屋城を後にし、昼飯どころへ。
これは、出発前から行こうと
決めていたところなのだが。

名古屋の名物に櫃まぶしというのがある。
お櫃にウナギをまぶしたご飯である。
名古屋の有名な店で「以ば昇」というところ。
少し迷いつつ、店へ。

かなり老舗なところなのか、
看板などは大きく出さないところのようだ。



入ってみると、すごい人。
並びに並んでいる。気が遠くなりそう。

とはいえ、ここまで来て引き返すのも、
悔しいし、一度来ておくと、
次からの名古屋の楽しみが増えるというものだ。

並んでから気づいたのだが、
櫃まぶしって一人で食うものなのか?
と考え、途中でただのうなぎ丼にすることにした。
前の人が食べていた櫃まぶしの量が少ないのが、
見えてしまっていたというのもあるが。

名物を目指しておきながら名物を食わないのも、
ちょっとなんだかなぁという感じであるが、
とりあえずは美味かったので、文句なし。
2,300円という金を取るだけはある。
ていうか、地元の人にとっては、
もっと安くて美味いところがあるんじゃないの、
と言われるのかもしれないが。

美味い飯を食った後は、名古屋大須の電気街へ。
行ってみて分かるのだが、電気街って
どこって言う感じがするのだ。
日本橋や秋葉原を見慣れているものにとっては、
たしかに量販店が並んであることはあるけど、
ちょっと家電量販店が多い商店街、
という感じでしかない。

名古屋で家電やパソコンを買うなら、
ココということなのだろうが、
大須全体で見た活気というのが
あまり感じることはできなかった。

まぁ、大須商店街をあっちこっち見て回った
あとは、熱田神宮へ。
かの織田信長が、桶狭間の戦い前に、
勝利祈願をしたという神社である。

周りは鬱蒼としていた森で覆われている。
もちろん気温が高かったのだが、
森のおかげか、ちょっと涼しいような気がした。
本殿では、一人の女性が2,3分お祈りをしていた。
なにか、深刻な悩みでもあるんだろうか…
お祈りを終えると、彼女は足早に立ち去っていった。

熱田神宮のそばに、「めだかの学校」
というものがあった。
はじめは、アメンボの学校じゃないの?
というほどめだかがいなかったが、
一応は、泳いでいた。

あんまり大掛かりでないほうが
いいと思うのだが…
滝とかあったりすると、
めだかがどこにいるか分からないので…

なんていう愚痴もそこそこに。
本日は、名古屋で温泉があるというビジネスホテルへ。
そこで発見したのは…
パソコンのACアダプタが三つまただ…
変換アダプタを持ってくるのを忘れたのだ。

行き先などを検索したり、
パソコンを活用しまくりだったので、
当然ながら電源はゼロ。なのに、充電できず。
仕方がないか、明日も大須に行って
アダプタを調達するか…
というわけで暑い中歩き回った1日目は終了だ。



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