重苦しく纏いつく、うだるようなの熱さの中。
腕を伸ばし、脚を絡め。
そして、悩ましい声をあげ。
息を乱し、まるでひとつに溶けあおうとするかのように、求めあう。
足リナイ
マダ足リナイ……
重なり合う肌。
密着する皮膚。
噴出して、滴る汗。体液。
まざりあう。
シーツの波間をのたうつ四肢。
しっとりと濡れて悶える躯を縫いとめる。
逃ゲナイデ
逸らされた喉。
浮いた鎖骨。
鎖骨。
歯を立てる。
ピクリと。
撓る背中。
モット……
膝裏を抱えて開かせた脚の間に躯を割り入れ、
その場所を空気に晒したまま、胸の尖りを舐めあげる。
もどかしげに捩らせる躯を羽根で触れるように弄れば。
背から伝わる鋭い痛み。
それすらも快感。
引き攣れる皮膚。
肉を千切り取ろうとする激しさで、肩口に喰い込む指先。
焦ラスナ
睨みつける濡れた目元に漂う色香に震えが走る。
剥き出しの神経が知覚する、痺れるような愉悦。
たまらない。
慎ましやかな窄まりに指を滑らせ、舌を這わせ、
淫らにふっくらと熱を帯びるほどほぐして、そして拓いて。
欲しがって蠢くその場所に灼熱の楔を突き入れる。
突き進む。
繋がって。抉って。さらに穿って。
言葉もなく、貪りあう。
ただ、獣のように。
跳ねあがる声。
飛散する汗。
激しさを増す動き。
耳を打つ卑猥な音。
音。
濡れた音。
隙間なく繋がっている。
擦りあげ、引き出され、
熟れて熟した粘膜と果実。
極彩色のハレーション。
感じすぎて弾け飛ぶ意識。
昇りつめる、絶頂の極み。
そして注ぎ込む所有の証。
体内に満ちる体液の熱さ。
どろどろに溶けて混ざりあって。
ありとあらゆる場所で感じあう。
脈打つ鼓動。
零れる吐息。
それでも。
おさまらない熱。
離せない。
離れられない。
…………
乱れた髪をかきあげ、慈しむように口吻ける。
繋がったまま腰を揺らせば、声にならない声。
痙攣する下腹部。
硬さを増す昂ぶり。
絞り込むように絡みつく内側の襞。
くぷっ…と。
内側から溢れ出る体液。
……ッ……
どこまでもどこまでも。
貪欲に。
ただひたすら、貪欲に。
求めて止まない………熱帯夜。
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