棋力開発…本筋の打ち方   基本編

 25 構想別、隅への着点  布石の順番
   A 星と三々は別世界
布石の一般的な順番は次の通りです。
1.アキ隅
2.シマリ又はカカリ
3.ヒラキ
4.ツメ
5.トビ

何も打たれていない隅を「アキ隅」と呼び、布石はアキ隅から打ち始めます。
アキ隅に打つ時の着点によって、その隅の戦いの「方向付け」が決まります。そして、シマリの方向とカカリの方向はアキ隅の着点によって決まる場合と、決まらない場合があります。
シマリの方向、カカリの方向が決まるアキ隅の着点
  小目、目外し、高目
シマリの方向、カカリの方向が決まらないアキ隅の着点
  星、三々

<右上>
小目へのカカリは、白1、3、5、7の4通り

<右下>
目外しへのカカリは、白9、11の2通り

<左下>
高目へのカカリは、白13、15の2通り

<左上>
星へのカカリは白17から白29の8通り
白33はカカリとは言いませんが、星に対しての打ち込みもあります。
この様に、星(後述の三々も同様)はカカリの方向は両方の可能性があります。
星や三々は、小目、目外し、高目の様に相手からの接近方向を指定していないのですが、そのことが特殊な着点ということになります。星は端からは4の4、三々は3の3ということで、どちらにも偏っていないことが、この特徴を持たせています。
星の欠点の一つに、相手にカカリの方向を選択する権利を持たせるということがあります。それを補う方法を説明します。

<上辺>
相手にカカリの方向を選択させないで、指定する方法は、辺に大きくヒラクことです。
黒1と打った場合、白は上辺からカカルと狭くて窮屈です。従って、必然的に右辺からカカルことになります。
もし、白2とカカってこなければ、黒は黒3(他にC14、C13)の様に、星からのシマリを打ちます。そうすると、三々の打ち込みは残っていても、大きな勢力圏を作ることが出来ます。

<右下>
黒5と打った場合に、白6と打たれると、右下隅は三々打ち込みや、白R4のツケなどがあり、隅は守れていないし、黒R5と3手かけて守るのも、スピード感がなくて、少し不満です。

つまり、隅に甘い星は、その短所を長所変える方法として、辺の大場を占めると良いのです。三々に打ち込んで来ても、それによって、得た地以上の勢力を得ることを可能にするうち方が良い打ち方です。

<左下>
三々の場合には、白から白8〜白24の9通りのカカリがあります。 三々でも、同様に辺への展開が相手のカカリの方向を指定します。
 25 構想別、隅への着点
   B 布石の骨格は数手で決まる
布石に目的意識を持てば、一局の構想は、最初の数手で決まると言えます。

黒1、3は大場優先の布石です。白はシマリ優先。それぞれの主張が正しいものなので、互角の形勢です。
白4の高目の意図は、黒5のカカリを誘って勢力を築こうという作戦です。
白14までとなって、白の厚みが出来た段階では、黒15をQ10の三連星に打つのではなくて、左上へのカカリが左下の厚みを消す好点になります。
黒が模様重視の作戦なら、黒5はQ10の三連星が良い着手です。


 26 第3線は守り、第4線は攻め
   A 第3線と第4線は性質が違う
布石の段階では3線、4線が良く打たれます。

ここでは、3線同士、或は4線同士が対峙した場合について説明します。

<右辺>
3線同士が一間で対峙した場合、黒1と2線に打つと取られてしまいます。
注.取らせてQ10を先手で打つのが良い場合もあります。

<下辺>
4線にツケて、勢力を得る手が考えられます。
注.白N4からの出切りが厳しい場合は黒7でN4に打ちます。

<左辺>
4線同士が一間で対峙した場合、白10と3線にツケます。

<上辺>
黒15と3線にツケた場合に、白16はムリです。

3線と4線の石が対峙した場合に、それぞれの特徴が顕著に現れます。

<右上>
3線の石からは黒1と足元をすくう手が白石を浮き上がらせて良い手です。

<右下>
4線の石からは白2と圧迫する手が良い手です。

第3線 辺の守りの手
第4線 中央への発展の手
ということが言えます。

<左下>
小目は3線と4線の交点です。白は左辺からの進入は望めないので、下辺からのカカリとなります。
この段階で
黒は地、白は発展力ということになります。

<左上>
白6の高目へのカカリ。
この段階でも、やはり、
黒は地、白は発展力ということになります。

 26 第3線は守り、第4線は攻め
   B 確実性と発展性
要約すると

第3線は確実だが、発展性に乏しい
第4線は不確実だが、発展性に富む

ということです。
そして、布石をどちらに打ったかによって、後の打ち方が変わってきます。

<上辺>
黒1と3線に打ちました。白が手抜きすれば、黒5と打って広げます。

<下辺>
白2に対して、黒3と詰めれば、白4とH3等の打ち込みを消しながら、模様を広げました。

<上辺>
黒1と4線に開き、白が手抜きしたら、黒5と広げます。 この形は、黒1が3線にある時より、幅が広いので若干ですが、黒有利です。

<下辺>
白2と開いた時に、黒3とツメてくれば、白K3等と守るのではなく、白4と打つのが良い手です。
別の表現を取れば、白4と打つ方が良い手になる時に、白2と4線に打つのが良い手です。 白4が良い手にならないのであれば、白2自体が良い手でないということです。
<下辺>
白の3線のヒラキに対しては黒1と3線に打ち込むのは無理です。白2と攻められて、白不利な闘いになります。

<上辺>
黒の3線のヒラキに対しては、白4のボウシが良い手です。
<下辺>
白の構えが4線の場合は黒1と3線に打っても黒3と根拠を得ることが出来ます。

<上辺>
黒が4線に打った時に、白4とボウシをすると、黒5、7と打たれ黒の地の幅が広く、黒有利です。

結論として、布石では、確実な3線と、発展的な4線の組み合わせが大事です。
第3線が基本、しかし、大きな地を作れそうなのが第4線です。どちらを選択するかは、一局全体の作戦の分岐点になります。


 27 死活はまず広さから
   A キズが無ければ
大きな地を作っている石は、そのまま生きています。問題なのは、囲まれて、小さな地しか持っていない場合です。
また、欠陥があれば大きな地を囲っていても危険です。

<右上>
15目の地で、欠陥がありません。この場合は白1には黒2や、R18で完全な生き。白R18に対しても黒Q18やS18で、白に眼を作らせずに、黒に眼を作らせることが出来るので、黒生きです。

<右下>
Q8のところが黒石ではなくて、白石の場合はR5の切断があり、その関係で、白3と急所に打たれると黒危なくなります。

<左下>
F4に白石がない場合はまだ、大丈夫です。白7と打たれた時に黒8と打てば良しです。早い時期に、黒F4を打つのは後手1目ですから、悪い手になります。白7の先手ワセは甘んじて受けることになります。

<左上>
黒石にダメが空いている場合も手抜きが可能です。黒12と受ければ、黒生きです。
大きな地を持った石はキズが無ければ生きと考えます。
 27 死活はまず広さから
   B ナカデ(中手)とセキをしっかりマスター
ナカデの死とセキについて、どれだけの広さがあれば地を持っての生きなのか。キズのない形なら、多くはないので研究してみましょう。また、隅の形は特殊なので、辺や中央の場合と違う場合があります。

<右上>
「花六」と呼ばれる最大の中手(6目中手)。6目の黒石を取った形がこの形になるケースが多いので、沢山石を取ったから良いと考えずに、この形にならない様に注意が必要。

<右辺上>
7目の空点のある形。6目中手はこれらの空点の内、R13 又はT11に白石がある形。
黒3でセキになります。つまり、白地0目です。白は白3と事前に打てば6目の地になりますので、この地点は白の後手6目のヨセ、黒から打った場合は、白受けないと死にますので、先手ヨセということになります。

<右辺下>
黒5に手抜きすると、黒7と打たれ花六の形になります。

<下辺>
黒19に対して、白20と打ち、
1.白22なら8目の地
2.白手抜きなら、黒22でセキ
となります。

<左下>
黒23に対して白手抜きはセキとなります。

<左上>
6目の花六の形でない場合でも、キズがあると死ぬ場合の例です。


 28 ヨセの最小限常識を知る
   A 第2線のコスミ
ヨセの計算方法は結構ややこしいですが、碁をやる以上、きちんと理解するべきです。ここでは実戦でよく出来る第2線のコスミ(格言コスコス)について、その特色と、計算方法を説明します。

<上辺>
黒1、白8が第2線のコスミ(コスコス)です。ここは、どちらが打っても先手です。従って、早いもの勝ちで打つところです。
ヨセの大きさは、黒1のところを、白が打った場合との比較です。計算は黒1で出来た形と白がP18に打って出来る形について
1.黒の地が何目減ったか(=3目)
2.白の地が何目増えたか(=3目)
この合計(=6目)になります。

ただし、それはあくまでも、ヨセの時期になった時のことで、中盤で、相手がコスんで来たら、手抜きして、相手の石を攻める等、中盤の手を打って相手の鼻を明かしてやりましょう。

<右下>
黒19のコスミをいつも打つのが正しい訳ではありません。 正しいのは、右辺に白地が出来る時のみです。つまり、まだ右辺に地が出来るか決まっていない時に黒19と打つと、黒19は悪手となります。

<左下>
この白の形は、まだ生きてはいません。つまり、左辺が白地になると決まったわけではありません。黒21の様に白を攻める手(場合によっては取る手)がある時にコスミを打つと、白が強くなって、攻めが利かなくなります。こういうときはコスミは打ってはいけないのです。

<上辺>
白1も白3も先手だから、白1の時点で手番の白が両方打てるのは当然でしょうか?

<下辺>
白13に手抜きして、黒14を打ったらどうなるか?
下辺の図と上辺の図が黒にとって、どちらが得なのか、正確にはわからないにしても、上辺の分れを手をこまねいて受け入れることはないのです。

碁はこういうところを反発するという発想が大切です。
難しいけれど、やってみて下さい。
 28 ヨセの最小限常識を知る
   B 先手と後手の味
第2線のコスミの次に大きいのは第2線のハネツギです。
19路なら、一局中に3、4ケ所発生します。2線のコスミと違って後手ですが、その後先手ヨセが残っていたりして、大きい手になることもあります。

<右上、左上>
右上と左上は同じ形です。2線のコスミで手の大きさを計算しましたが、この方が、より判り易く計算出来ます。
黒1、3のハネツギは後手6目です。同様に白4、6のハネツギも後手6目です。
その後は黒8とハネることも出来ますが、白からも白7とハネることも出来、どちらも後手なので、黒7白8は相場、同様に黒9白10も相場と考えます。

ここで、手の大きさは
右上の黒5目、左上の黒2目で、マイナス3目
右上の白4目、左上の白5眼で、プラス3目ですから、
合計=3-(-3)=6
ということで、後手6目となります。

<右下>
この形だと、黒13と一旦後手になりますが、後に打つ黒17が先手となりますので、黒17は黒の権利と考えます。

<左下>
白14と打った場合、白16と後手になりますが、白22が先手なので、白22は白の権利と考えます。白24の地点を仮に白の権利と考えれば、黒25までの形となりますので、この2線のハネツギの大きさは
右下の黒と左下の黒の地の比較=7目
右下の白と左下の白の地の比較=5目  合計12目
ですから、後手12目の手ということになります。
白24のところが黒が打つことになった場合は2目減りますので、後手10目ということです。
<右上>
この形は黒の眼形が不確かなので、ヨセの手の白R19と打つのは不適当です。
白1とハサミツケる攻めが適切な手です。黒2等と抵抗すると、黒全体が死にますので、白1に対しては、黒R17等と譲歩することになり、白R19とワタリ、結果大きなヨセになります。

<右下、左下>
白がここのヨセを先手で打とうとする場合は、白19のサガリから打ちます。放置すると左下の白27がありますので、黒20と押さえると、先手でハネツギが打てます。
但し、黒の眼形は完全になりますので、そのことに不満がない場合に限ります。

<左上>
黒28、30の切り取りは味が良いのでハネツギよりも大きい手です。黒32に対して、白がすぐに押さえるのは、コウダテが有利でないと決行出来ません。