*雷鳥*さんの 囲碁ホームステイ     (自戦記、観戦記)

打ち込み九番勝負

囲碁きっずの蛸壷リーグで打っている*雷鳥*さんの棋譜検討は2004年末現在、15局前後行っています。19路をネットで打つのは目が疲れるので敬遠していますが、熱心な人なので、彼と一度打ってみようと思い、「春休みに青春18切符で浜松に来ないか」と誘ったのが2004年の秋でした。
smile_aceはある事情で、毎週浜松と名古屋を往復していますので、*雷鳥*さんにも同行してもらうという条件でした。同行してもらえば、日常必要としていることは普段通りに出来、smile_aceとしても*雷鳥*さんの来宅は殆ど負担にならないことになります。
そして、それは、2005年3月の春休みに実現しました。青春18切符で8時間もかけて来てくれたのです。
来浜にあたっては、これも囲碁きっずで打っていて、浜松の近くに住んでいるgoyaさんにも来てもらいました。そして、榧の碁盤、那智黒の黒石、蛤の白石で打った対局の結果は以下の通りでした。

勝敗は*雷鳥*さんから見て、通算6勝3敗でした。
  goya  (先) vs  *雷鳥*    1勝1敗
 *雷鳥*(5子) vs smile_ace    2勝
 *雷鳥*(4子) vs smile_ace    3勝2敗

尚、浜松での様子、名古屋への移動の様子の写真、9局の棋譜(下記)は我々3名の思い出として残しておきました。ご覧になりたい方はどうぞ。
 第1局 勝  *雷鳥*(5子) vs smile_ace
きっずきふぱっど等で読む「sgfファィル」もダウンロード出来ます。
左の棋譜表示ではコメントだけしか見れませんが、「sgfファィル」は、変化図も参照できます。
左の棋譜は総譜表示になっていますが、最初に戻して白1から表示出来、コメントは碁盤の下のスペースに表示されます。



<第1局自戦記>

この碁は*雷鳥*さんと始めて打った碁で、彼の実力も良く分からないため、白111という悪手を打って負けた碁です。白111は格言集「 目作りより中央志向」で横山孝一プロの言葉を入れて説明を加えた、正にそのものずばりの悪手だった様です。

右上の応手から、黒の実力を過少評価した訳ですから、右上の分かれは、黒の誘いの隙だったのかも知れません。
 第2局 負  goya(先) vs  *雷鳥*
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<第2局観戦記>

goyaさんはそれまで私との対戦があり、実力はある程度把握しているつもりです。それで、手合いが先であれば*雷鳥*さんの方が若干有利と思っていました。2局程度では分からないとは言え、goyaさんが力を着けてきているということなのでしょうか。

白30の段階では黒が大変苦しい状況だと思います。白34で白35と打って封鎖し、黒が後手で生きても、左辺の黒を攻めて左上に白模様を作れば白が打てる形勢ではないかと思います。

また、白116でもハネダシを打てば白が先手で得をする可能性もあり、6目程度は逆転できる可能性もあったように思います。
 第3局 勝  *雷鳥*(5子) vs smile_ace 
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<第3局自戦記>

黒に緩手があったけど、smile_aceの完敗でした。
5子は手合い違いだと思いました。
また、自分の力不足も認識しました。見れば見るほど白の悪手が見つかります。
 第4局 勝  goya(先) vs  *雷鳥*
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<第4局観戦記>

序盤白が上辺で白4子を捨てた(取られたに近い)時は、黒優勢かと思ったのですが、最終譜で確認すると15目くらいにしかなっていません。黒の取った手は後手ですから、上辺を取ったのは地だけで考えると、そんなに大きい手ということにならなかったということです。

黒の敗因は下記の2つ考えられます。
1. 黒13以下の3子を取らせて白を厚くしたこと
2. 右上の黒63で切断され右辺の白が厚くなったこと
 第5局 負  *雷鳥*(4子) vs smile_ace
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<第5局自戦記>

黒の敗因はやはり、白113の見落としでしょうか。

他に、
1.黒42 
2目の頭をハネられた形のまま、形を決めようとした。

2.黒65
やはり隅を守っておくべきでした。

黒78
ヘボコスミの形です。

などでしょうか。
 第6局 勝  *雷鳥*(4子) vs smile_ace
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<第6局自戦記>

この碁は白に反省の多い碁でした。

1.白81の悪手
黒に手抜きされて何も起こらなかったのだから 大変な悪手です。この辺り、どうしようもなく、 黒に悪手を期待して打った手でした。

2.白159で白B7という手が成立したかもしれません。 変な手ですが、この方が攻め合い勝ちの可能性が ありそうです。

3.白211の抜きも黒を侮った着手でした。ついでく れれば、味よく攻めることができるので、つい打 ってしまいました。
ここでも手抜きされて、失敗です。

4.終盤黒217の時点で下辺の白が手抜きしても生きて いるのが読めなかった。
実際、手抜きして白N16を利かし、白P16と切断して いれば、かなり細かいところまでいく可能性があり ました。
 第7局 負  *雷鳥*(4子) vs smile_ace
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<第7局自戦記>

この碁は黒が右上の黒石の根拠を得る手があったのに、中央へ出る手を選択し、それがダメを逃げる手になってしまって、大きな敗因を作ったという気がします。

格言に、「眼作りより中央志向」といいますが、その格言通りに打ったのがマイナスになったという、(勿論、敗因はそれ以外にもあった訳ですが)例外の碁だったのでしょう。

中央へ逃げる何手かの黒の手と、追う白の何手かの手との比較において、白の手の方に価値の高い手が多くあったということです。こんな場合は、眼作りの手があれば、そちらを選択する方が、格言には反するけど、妥当な着手になるということです。

黒が逃げる時に形を崩されて、それが、黒地を大きく破られる要因になり、負けにつながったのですが、攻められる不利というものがいかに大きいかという碁でもありました。
 第8局 勝  *雷鳥*(4子) vs smile_ace
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<第8局自戦記>

白の敗因は

1.黒8、12と狭いところに手をかけていたことに対して、白17と受けてしまったこと。ここはあくまでも、中央志向でいくべきでした。

2.白O13のアテを打つタイミングを見出せなかったこと。

3.白87で白G10の出が成立することを読めなかったこと。

などです。

白119でJ10のキリを打って、黒がどう打ったか興味深いです。

よく言われることですが、黒は1局打つ毎に強くなっているという感じがします。
 第9局 勝  *雷鳥*(4子) vs smile_ace
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<第9局自戦記>

いよいよ最終局、かなり入れ込んだつもりでしたが、負けてしまいました。smile_aceの認定で2段となります。そうなったからには、きっずの蛸リーグで2dになってもらわないと困ります。有段という人が1kや2kにいるので多少厳しい評価になっているのかも、と思ったりもしますが・・・。

黒の反省
1.黒D15は安易過ぎる。出切りはC13きりがある。
2.黒72までの形は辛すぎる。

白の反省
1.白37は安易過ぎる。
2.白99は石の方向が違う。
3.白135はハネダシでした。

最終譜では白がかなり迫っていると思いますが、黒はうまくヨセたと思います。
 囲碁ホームステイを終えて  smile_ace
*雷鳥*さんとの対局は全部で7局。双方時間をかけて戦ったので、対局数は少なかったのですが、お互いに、必死で戦い< 充実した時間でした。
19歳と61歳の戦い。年齢は3倍以上なのですね。倍率はどんどん落ちてくるし、実力差も接近してきます。これから*雷鳥*さんがどう囲碁に取組むかによって随分違うと思いますが、いずれ、逆転されるでしょう。
現在の*雷鳥*さんの棋力は私が22歳の時の実力とほぼ同じです。つまり私より3年早いことになります。これから、出来るだけ棋力が落ちないようにすることが、ボケ防止になると考え、せいぜい、詰碁などで集中して、右脳、左脳、前葉頭を使って、衰えを防止し、追いつかれない様にしていこうと思います。
*雷鳥*さんが、この7局で強くなっているのは間違いないと思いますが、私も、少し強くなったのではと思ったりしています。
また機会があったら、打てるといいと思います。