16 | 文政2年1月17日 | 1819 | 先 本因坊 丈和 | 安井 仙知 | 元丈跡目として本因坊を名乗り初めて打ったお城碁 | AB | ||
文政2年、丈和33歳6段は遂に元丈跡目として本因坊を名乗ることとなり、十人扶持を給せられる。そして、当時唯一の公式手合いのお城碁に出場する。本局は最初の碁で相手は、師元丈と共に名人の力ありと評されていた安井仙知である。丈和としては、初出仕の面目上負ける訳にはいかない。 256手完 黒5目勝ち 本局は藤沢九段、高木九段の両方の著作に掲載されており、同様に両九段の著作に掲載されている吐血の碁と異なり、見解が大きく異なる点がいくつかあったのが強く印象に残った。 御城碁について 御城碁は年1回、江戸城御黒書院で将軍家臨席のもとに行われた。期日は11月17日、参加資格は原則として各家元、跡目、七段以上。当日は並べてみせるだけで、実際の対局はその直前寺社奉行役宅で数日間にわたって打たれる。下打ち中は外出厳禁であったところから、「碁打ちは親の死に目に会えない」と言われた。この言葉、碁の魅力にとりつかれて熱中し、親の死に目にも会えないとの戒めではない。(剛腕丈和より) |
smile_aceがまず棋譜を見て感じたことを左の碁盤の下の余白に表示してみました。>(前進)や<(後退)で動かして下さい。 この碁は、 1.日本囲碁大系 第10巻 丈和 解説 藤沢秀行九段 2.囲碁古典名局選集 剛腕丈和 解説 高木祥一九段 に棋譜と解説があり、それを参考に変化図も加えて 鑑賞ファィル を作ってみました。 PocketGobanでご覧下さい。 左の碁盤では変化図を表示することが出来ないので、出来るだけPocketGobanで鑑賞ファィルを見ることをお薦めします。 smile_aceの感想はプロの解説を見る前と見た後にあり、どちらか分かる様にしています。 両方見ると、smile_aceの棋力が分かるかも知れません。 ***smile_ace感想 プロの評を見る前の感想です。 ***smile_aceコメント プロの評を見た後の感想です。 ご意見、ご質問等を是非 棋譜鑑賞の情報交換の掲示板 に残して下さい。必ず返事をします。 |
17 | 文政3年11月17日 | 1820 | 先 本因坊丈和 | 服部因淑 | 2回目の御城碁、相手は昔の鬼因徹 | 黒中押勝 | A | |
因淑は1761年美濃の生まれで、井上因碩の門に入り、鬼因徹と言われるほどの強豪ぶりを発揮し、後年には立徹、雄節、正徹らを育てた。数えで60歳。鬼因徹時代より力は衰え、丈和の先番はとうてい受け切れなかった。 「囲碁妙伝」に、白138が敗着と記されているのを藤沢九段が否定している。この理由がどうしても理解出来ない。分かる人がいたら教えて欲しい。 |
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18 | 文政3年11月28日 | 1820 | 2子 四宮米蔵 | 本因坊丈和 | 史上アマナンバーワン、天下二目を自負する米蔵との対局 | 白9目勝 | B | |
四宮米蔵(1769-1835)は史上アマナンバーワンと評価が高い。淡路島の生まれで、碁はまったくの独学。賭碁師として鳴らし、生涯3千両を稼いだと言われる。 四宮姓を与えられ、藩主蜂須賀公に従って、本因坊家に対局を求めて上府した。天下2目を自負する米蔵、家元が直々出ていくわけにいかず、さりとてやわな専門家では太刀打ち出来ず、ここは丈和を措いてない。そして、丈和との2子局10番碁が実現した。 2人の対局は、後の1局と合わせ4勝6敗1持碁であった。本局はその第1局である。 関山仙太夫は「米蔵は手の見えははなはだすぐれたり。一向に法を用いず、我流を打つ強5段の珍物なり。」と実力を認めている。 |
smile_aceがまず棋譜を見て感じたことを左の碁盤の下の余白に表示してみました。その感想は結構見当外れで笑えます。どんなところが見当外れなのかは、鑑賞ファィルを見ると分かります。 >(前進)や<(後退)で動かして下さい。 この碁は、 囲碁古典名局選集 剛腕丈和 解説 高木祥一九段 に棋譜と解説があり、それを参考に変化図も加えて 鑑賞ファィル を作ってみました。 PocketGobanでご覧下さい。 左の碁盤では変化図を表示することが出来ないので、出来るだけPocketGobanで鑑賞ファィルを見ることをお薦めします。 smile_aceの感想はプロの解説を見る前と見た後にあり、どちらか分かる様にしています。 両方見ると、smile_aceの棋力が分かるかも知れません。 ***smile_ace感想 プロの評を見る前の感想です。 ***smile_aceコメント プロの評を見た後の感想です。 ご意見、ご質問等を是非 棋譜鑑賞の情報交換の掲示板 に残して下さい。必ず返事をします。 |
19 | 文政4年1月25日 | 1821 | 2子 四宮米蔵 | 本因坊丈和 | 米蔵との10番碁、これまで3勝3敗の第7局、双方負けられない対局 | 持碁 | A | |
米蔵との対局、最初のうちは慢心の鼻をへし折るつもりの丈和も、白髪頭をふりたてて食い下がる米蔵との対局を何度か戦ううち、次第に親しみを覚えてきたのではないだろうか。 米蔵は、上手と打ったこともなければ、棋書を読んだこともないはずで、全くの独学でここまで打つのは素晴らしい。丈和も多分そう思ったことだろう。 この碁は10番碁の第7局。3勝3敗1持碁となった。 |
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20 | 文政4年2月2日 | 1821 | 2子 四宮米蔵 | 本因坊丈和 | 丈和米蔵十番碁の第8局 | 白6目勝 | B | |
第7局まで3勝3敗1持碁。本局は、最初の段階で2子の碁が3子の差にまで広がったが、結局、丈和が勝った。天下2目を自称していた米蔵も看板を降ろしたのだろうか。 丈和の打ち碁集に「国技観光」があり、丈和は米蔵との碁11局を全て掲載している。丈和が米蔵の碁を認めていた証である。 「国技観光」、国技(囲碁)に光を観る。自らの芸に満々たる自信を滲ませた書名ではある。 |
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