古典棋譜鑑賞 道策

31天和2年12月 1682 先 本因坊 道的 本因坊 道策 黒1目 碁聖対神童(玄妙道策)
<対局の背景>

玄妙道策より
大天才対大天才の一戦である。小川道的は道策門下中第一の神才。この対局の時は数え年で僅かに14歳であり、古今に冠絶した神童とされている。
道的も師匠道策と同様に、生涯に残した棋譜の中には黒で負けた碁が一局もない。ことによると史上最強の棋士は、小川道的かも知れぬと言う人もいる。
道策は道的を16歳で本因坊跡目としている。いかに、道策が道的の才能を買っていたかが伺える。

<本局の特徴>
左辺の変化で普通アテツギが常識のようなところ(黒69)で、アテを打つと即負けの局面になるケースがあり、プロなら当然なのかも知れないが、克明に読んでいるものだと感心した。

本局は調べてみると、日本囲碁大系4道的・名人因碩(著者大平修三九段)に棋譜がある。玄妙道策の黒97の変化図で、現代高手とあるのは、大平修三九段のことであろう。
いずれ、九段の解説も読むつもりである。
smile_aceがまず棋譜を見て感じたことを左の碁盤の下の余白に表示してみました。>(前進)や<(後退)で動かして下さい。

そして、
  「囲碁古典名局選集 玄妙道策 解説 酒井猛九段」
を参考に変化図も加えて 鑑賞ファィル を作ってみました。

左の碁盤では変化図を表示することが出来ないので、変化図や詳細な解説を見る為に、出来るだけPocketGobanで鑑賞ファィルを見ることをお薦めします。

smile_aceの感想は九段の解説を見る前と見た後にあり、どちらか分かる様にしています。 両方見ると、smile_aceの棋力が分かるかも知れません。
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古典棋譜鑑賞 道策

32天和3年1月28日 1683 先 井上 因碩 本因坊 道策 白13目 奇想天外の局(玄妙道策) AB
<対局の背景>
井上家では初代が中村道碩で本因坊一世算砂名人の門下である。
井上二世は初代因碩で因碩の名はこの人からであるが道碩を祖とするので二世と呼ばれ、本局の道砂は井上因碩三世となる。爾来、井上家は因碩を名乗るを恒例とした。
四世は道策門の桑原道節が継ぐから、本因坊家と井上家は親密な間柄であった。

<本局の特徴>
日本囲碁大系3道策と玄妙道策の両方で取り上げている碁は本局を含めて5局あり、年代順にしてある古典棋譜鑑賞室ではこの碁が5局目となる。
玄妙道策は日本囲碁大系3道策より後の著作なので、酒井九段の解説の方が信頼性が置けると一般的には言えるかもしれないが、本局の黒69の変化に関しては、疑問の可能性があるのではないかと思ったりした。高段者の判断を聞いてみたいものである。
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そして、
  「日本囲碁大系 第3巻 道策 解説 呉清源九段」
  「囲碁古典名局選集 玄妙道策 解説 酒井猛九段」
を参考に変化図も加えて 鑑賞ファィル を作ってみました。

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古典棋譜鑑賞 道策

33天和3年11月19日
 御城碁
1683 2子 安井 春知 本因坊 道策 黒1目 生涯の一局 Ab
<対局の背景>
道策が自ら本局を「わが生涯の最高傑作は御城碁の春知との碁である。」と答えたそうで、本局がその碁である。 そして、その理由を
「春知は当代の逸物にして古人に恥しず、また後年も稀なるべし。しかしてこの対局に於いて、春知の手段、毎着妙ならざるはなし。余もまた思いをきわめ、功を尽くしてこれに対抗し、いささかの遺憾もなく打ち終わらせて、ついに1目の負けにせしは、自ら大いに誇りとするところにして、一生中再び得られざる対局なり。」
としている。
道策が名人碁所となって5年後にあたり、正に道策の打ち盛りの時期の碁である。

<本局の特徴>
100年後の文化文政時代の林元美準名人はこの碁について
「春知の黒70の手はぬるいという評もあるが、後の黒120の強手を含みにしたもので、この120があっては白に勝ちがないと道策も認めている。従って、黒70は非難すべきでない。」
と述べているので、有名な碁となっている。

また、本局は、日本囲碁大系3道策で「生涯の一局」として一番詳しく解説されている。smile_aceは毎朝早起きしてこの鑑賞をしているが、この碁の鑑賞は8日(通常3日くらい)かかった。時間にすると10時間くらいかかったことになる。コメントの数も80ケ所になっており、最多である。
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そして、
  「日本囲碁大系 第3巻 道策 解説 呉清源九段」
  「囲碁古典名局選集 玄妙道策 解説 酒井猛九段」
を参考に変化図も加えて 鑑賞ファィル を作ってみました。

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古典棋譜鑑賞 道策

34対局日不明 2子 桑原 道節 本因坊 道策 黒中押 後の名人因碩との2子局
<対局の背景>
道説は道策より1歳年下で美濃大垣の生まれ。後の名人因碩で「発陽論」の著がある。
道策は道的を本因坊跡目とするにあたり、後の争いの発生を抑える意味で、実弟の3世井上因碩(山崎道砂)の相続人として井上家を継がすこととした。そして、幼年の道知を後見してもらうと同時に、因碩自体は名人碁所を望まぬ様希望した。
4世因碩は、実際にはその後、琉球人への免状下附に際して名人碁所を引き受けて74歳で没するまでの9年間碁界を統率した。

以上は日本囲碁大系3道策からの抜粋である。道策、道節の棋譜は2局しか残っていない様である。1歳違いという同世代にしては遺譜が少ない。なお、名人因碩の碁は、日本囲碁大系4に15局が、大平修三九段の解説で掲載されているので、いずれ鑑賞するつもりである。

<本局の特徴>
左下隅の大ゲイマ受けの石に対して、「相手の根拠を奪う三々打ち込み」が印象に深い。
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古典棋譜鑑賞 道策

35元禄9年11月29日
 御城碁
1696 2子 安井 仙角 本因坊 道策 黒1目 道知少年との争碁で有名な安井家4世仙角との対局
<対局の背景>
安井仙角は本局を打った時は24歳、道策52歳で本局が道策最後の御城碁であった。
仙角は33歳の時の道知(16歳)との争碁で有名だが、手合い変更を原因とするこの争碁で3連敗し、争碁取り消しを出願して、道知との互先の手合いを認めた。33歳の打ち盛りの仙角にとっては、相手が16歳ということだからとても互先という感じではなかったのであろう。でも実力の世界、歳は若くても先相先で道知3連勝とは凄い。道知の碁は日本囲碁大系5に坂田栄男九段の解説となっており、この争碁も掲載されている。特に第1局は坂田九段が生涯の一局に選んでいて、鑑賞が楽しみである。

<本局の特徴>
呉九段の解説で道策の疑問手が何ヶ所か指摘されている。この碁は酒井猛九段の玄妙道策に収録されていないのが大変残念である。酒井九段なら、きっとその指摘の幾つかは弁護の変化図を示すだろうと思うからである。
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