古典棋譜鑑賞 道策

26延宝4年 1676 先 安井 知哲 本因坊 道策 白9目 盤上の超能力者(玄妙道策) AB
<本局の特徴>

玄妙道策より引用
道策の碁を並べると、次から次へと名局が出て来るが、本局はとりわけ出色の出来であると思う。調べれば調べるほどに道策の読みの深さと広さは恐ろしく、後世の人が「これは道策の打ちすぎ」などとは滅多に言えないと改めて痛感した。

上記は酒井九段の著作よりの引用である。日本囲碁大系3道策と玄妙道策のいずれにも掲載されている棋譜は5局あり、smile_aceは対局の打たれた時期の順序で鑑賞していて、本局は4局目である。過去の3局でも両著作の見解が異なる点があり、どちらが正しいのかという疑問を感じていた。
日本囲碁大系3道策の初版は1975年(smile_aceの所蔵は1991年2月の初版第7刷)玄妙道策の第1刷は1991年12月である。3局目まででは、酒井九段が呉九段の著作を参考にしていたか不明確だったが、本局の解説で明確になった。「これは道策の打ちすぎ」という表現は、明らかに日本囲碁大系3道策を引用しているものである。そして、玄妙道策掲載の本局で、某高手(呉清源九段を指す)の解説を誤っていると指摘している点が3ケ所ある。特に、黒が137で両シチョウを見逃しているという呉九段の解説にはsmile_aceも首をかしげたところであり、酒井九段の道策に対する思い入れを感じ、両著作の相違点は殆ど酒井説を信じるべしと思った。ただし、smile_aceの所蔵する玄妙道策は第1刷で、誤植が数箇所ある。碁の本で誤植を見つけたことは過去記憶がないので、玄妙道策自体、こんなものかと、残念に思う。
smile_aceがまず棋譜を見て感じたことを左の碁盤の下の余白に表示してみました。>(前進)や<(後退)で動かして下さい。

そして、
  「日本囲碁大系 第3巻 道策 解説 呉清源九段」
  「囲碁古典名局選集 玄妙道策 解説 酒井猛九段」
  「碁神道策              解説 福井正明九段」
を参考に変化図も加えて 鑑賞ファィル を作ってみました。

左の碁盤では変化図を表示することが出来ないので、変化図や詳細な解説を見る為に、出来るだけPocketGobanで鑑賞ファィルを見ることをお薦めします。

smile_aceの感想は九段の解説を見る前と見た後にあり、どちらか分かる様にしています。 両方見ると、smile_aceの棋力が分かるかも知れません。
 「***smile_ace感想」は九段の解説を見る前の感想です。
 「***smile_aceコメント」は九段の解説を見た後の意見です。

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古典棋譜鑑賞 道策

27延宝6年10月14日 1678 先 井上 因碩 本因坊 道策 白14目 実弟の3世因碩との碁
<本局の特徴>
黒41、黒155について呉九段と福井九段の解説に明らかな相違がある。前者は呉九段の解説が正しいように思え、後者は写本の誤りの可能性を指摘している福井九段の解説になるほどと思った。酒井九段の解説がないのが残念である。
smile_aceがまず棋譜を見て感じたことを左の碁盤の下の余白に表示してみました。>(前進)や<(後退)で動かして下さい。

そして、
  「日本囲碁大系 第3巻 道策 解説 呉清源九段」
  「碁神道策              解説 福井正明九段」
を参考に変化図も加えて 鑑賞ファィル を作ってみました。

左の碁盤では変化図を表示することが出来ないので、変化図や詳細な解説を見る為に、出来るだけPocketGobanで鑑賞ファィルを見ることをお薦めします。

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古典棋譜鑑賞 道策

28延宝9年9月30日 1681 先 本因坊 道悦 本因坊 道策 白中押 師道悦との最後の師弟戦 AB
<対局の背景>
道策が名人となって3年経過した時の碁で、遺譜としては最後の対局となっている。道悦は引退しており、この碁の5年後に京都に移る。道悦はそこで92歳まで長寿をまっとうした。

<本局の特徴>
日本囲碁大系3道策では第1手は右下で、碁神道策では第1手は左下になっている。つまり、90度回転している。普通、黒側、白側から見たら180度回転する訳だから、90度というのは何が原因か分からないが面白い。 右上から打ち始めているとすれば日本囲碁大系3道策は観戦者の位置、碁神道策は道策側からの写譜ということになる。
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そして、
  「日本囲碁大系 第3巻 道策 解説 呉清源九段」
  「囲碁古典名局選集 玄妙道策 解説 酒井猛九段」
  「碁神道策              解説 福井正明九段」
を参考に変化図も加えて 鑑賞ファィル を作ってみました。

左の碁盤では変化図を表示することが出来ないので、変化図や詳細な解説を見る為に、出来るだけPocketGobanで鑑賞ファィルを見ることをお薦めします。

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古典棋譜鑑賞 道策

29天和2年4月17日 1682 4子 ペイチン ハマヒカ 本因坊 道策 白14目 琉球の名手親雲上浜比賀との4子局
<対局の背景>
琉球王は道策の名声を聞き、自国の名手親雲上浜比賀(ペイチンハマヒカ)を従えて来朝し、島津候が斡旋して対局が行われた。終局後浜比賀がもう1局を懇望したので対局したところ、今度は黒3目勝ちとなった。同日に2局打ち分けで、浜比賀には上手(7段)に対して2子の手合いを許すとの免状が発行された。

<本局の特徴>
4子局といえば、smile_aceがプロと打つ時に希望する手合いであり、浜比賀とsmile_aceと棋力差には興味があるところである。そんな眼で棋譜を見て「***smile_ace感想」を記してみた。呉九段の解説を参考に判断するとやはり、浜比賀の方が一枚上手の様に思った。確かに、smile_aceの感想がそのまま肯定されるケースもあったのだが、逆にsmile_aceの指摘した点について、呉九段の解説では何も触れられていないことも多く、そんなことからの判断である。
smile_aceがまず棋譜を見て感じたことを左の碁盤の下の余白に表示してみました。>(前進)や<(後退)で動かして下さい。

そして、
  「日本囲碁大系 第3巻 道策 解説 呉清源九段」
を参考に変化図も加えて 鑑賞ファィル を作ってみました。

左の碁盤では変化図を表示することが出来ないので、変化図や詳細な解説を見る為に、出来るだけPocketGobanで鑑賞ファィルを見ることをお薦めします。

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古典棋譜鑑賞 道策

30天和2年 1682 先 本因坊 道策 本因坊 道的 黒1目 16歳で本因坊跡目となった道的との黒番の碁
<対局の背景>
道策門下の五虎は道節、道的、策元、八碩、本碩だが、道策が跡目としたのは16歳の道的で当時6段であった。ある日、道策は道的と互先で2局打ち、双方黒1目勝となったとある。この碁が道策の先番で、これを見ても道的の棋力の並々でないことが知れる。道策に白を持って、一手の悪手もなく、堂々と打っている道的の碁は見事で、22歳の若さで早死にしたことはまことに惜しい限りである。

<本局の特徴>
両ジマリの布石で始まり、現代から見ると奇妙な感じの手があったりするので、逆に、現代の考え方を確認、或は改めて知ることが出来た。
碁は左辺の道策の打ち過ぎを道的がうまく攻めて、結局黒1目勝となっているが、記録は65手までしかなく、残念である。
smile_aceがまず棋譜を見て感じたことを左の碁盤の下の余白に表示してみました。>(前進)や<(後退)で動かして下さい。

そして、
  「日本囲碁大系 第3巻 道策 解説 呉清源九段」
を参考に変化図も加えて 鑑賞ファィル を作ってみました。

左の碁盤では変化図を表示することが出来ないので、変化図や詳細な解説を見る為に、出来るだけPocketGobanで鑑賞ファィルを見ることをお薦めします。
尚、日本囲碁大系3道策には65手までしか掲載されていませんが、   「碁神道策              解説 福井正明九段」
には、112手まで掲載されています。こちらの棋譜についても、鑑賞ファィル を作ってみました。碁盤の向きが90度違っています。日本囲碁大系3道策の書かれた時期以降発見された棋譜に基づいているのだろうと思います。

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