夜景の撮り方

東芝ビルの夜景と雷

星のぐるぐる
月なしの場合、f8・2〜3時間、半月でf8・40〜90分 、満月はNGでしょう。
その他、道路の水銀灯などの回り込みで、緑色のかぶりを生ずることが多い。
不意の光が(飛行機・人のたばこ等)ない時間帯、すなわち夜中の2時ころがのぞましい。
当然、構図は昼間決めて置かなければならない。ファインダーなど何も見えないのだから。
露出時間が長いので、カメラによってはバッテリー切れの心配をしておかなければならない。
カメラの種類によってはBで以上に消費する機種もあるから。
北極星に向ければ、同心円がえられる。
コンパスをたよりにどんな軌跡が描かれるか計算しておかなければならない。
空が晴れていても数時間すれば雲がでことだってあるし、何回もやっみるしかないでしょう。
雲が流れて霧のような効果を生むこともあるのだから。

月光
満月そのものは意外と明るく、f8・1/60できれる。 多少雲のある日の月はf2.8・1〜4分。
満月前後の雪山なら、f5.6・4分内外。
ただし、雪山などは見た目に随分明るく感じられるもので、
露出不足に陥りやすいので注意を要する。
月光下の写真は、試行錯誤が必要なようだ。どう発色するかやってみなきゃわからない。
相反則不軌とは、絞りを1段開きシャッターを1段少なくしたとき、同じ露出が
得られるという規則が成り立たなくなる状態で、各フィルムに仕様として明示されるのだが
ちなみに相反則不軌はRVPで、1分以上になると10%ほど押してやる必要がある。(最下表参照)
長時間露出では、木々は風でゆらぎ雲は移動する。色は実物からかけ離れてしまう。
それなりに、失敗もあるが、思わぬ効果が期待できるというもの。

花火
花火はBの状態で感光させる。見当はf5.6で数分まで
その時間によって、火の玉の打ち上げられる状態から爆発し花が開く状態、火の粉が
流れ落ち消えてゆくまて゛軌跡として残る。
Bでシャッターを開いている間に花火が画面の中に上がってくれるか、思っている
花火の種類かは分からないわけで、これもカットアンドトライとなる。
画面に一つの花火が開いているだけでは単調だし、幾つも開いているとうるさい。
打ち上げの光も強いので目障りだ!。結構むずかしい。!
湖や川の水面に映っているとか、建物の一部か゛効果的に入っているとか工夫がいる。
空間も漆黒でもいいが、花火の煙がのこり、花火の光で映り込むことがある。
風向きで場所を確保しておかなければならない。
意外といいのは打ち始めで、まだ空に青味が写り込む頃だと風情がある。

特殊な効果として、Bなのだからがっちりとカメラを固定しておかなければならない
という概念を捨て去って、感光中にフォーカス移動やズーミング、さらにカメラ移動まで
やつてしまって面白い画面効果をだしている方もいる。二番煎じのきらいありだが。
だが、やって見ると意外とむずかしい。
開いている間にすばやく移動できるようにレバー等をつけて練習しておくほうがいい。

懐中電灯は必要な道具である。フィルムの詰め替えもあるだろうし、慣れたカメラとはいえ
絞りやシャッターの確認もしたいし、レンズの交換なんかガチヤガチャやってりゃ羞じだ。
夜はバッグの中だって見えないんだから。
さて、レンズは何ミリかって?。明るいうちによく覗いて考えておいてよ!。
もう一つ便利な道具は、レンズの蓋を作っておくとシャッターの代わりをしてくれる。
ネオン
ネオン輝く都会の夜景も基本は花火と同じである。花火は打ち上げの軌跡以外は
天地の感覚があまり起こらない。ネオンはそうはゆかないものの、パタン効果等を考えて
故意に傾けたりするのも一考だし、だぶらせるのも一考である。

夜景
百万ドルの夜景なんていう電灯の点々しとた遠景もあれば、街路灯に照らされた濡れた石畳の夜景
なんてのもいい。(ナトリューム灯だと黄色に発色して面白いが水銀灯だと緑色である)
電灯下の喫茶店とか、にぎやかな街の風情など夜景にもいろいろありそう。
でも夜なんだから押し並べて露出はアンダー目である。
暗くたって露出オーバーになれば昼間のような写真になってしまう。
ライティングする方法は別に掲載したいが、レンブラントライティングの手法をとると
いかにも夜の感じが出る。

さて、雷を撮ろうとするとなかなかうまくゆかない。
要は花火と同じなんだと分かっていても、雨は降ってくるし、どこでひかるかトンと見当がつかない。
明るさも様々だから夜のようにうかつにBというわけにも行かないのである。
場合によってはNDフィルターが便利である。
できれば場所を暗示できるような地上の物体を1割くらい入れたい。
しかし、雷様に見込まれてはこまるので、くれぐれも臍はださないように。
雷が近い時は写真など撮ろうとせず、安全な場所に避難することである。
雷の種類に膜電というのがある。
雲の向こうで稲妻がひかり、雲に紫色に映し出されるもので、幻想的である。そのチャンスはすこぶる低い。
北斎の富士山図に裾で雷光が横にひらめいているのがあるが、あれを撮りたいものである。

前景ストロボ
日が落ちて空がオレンジ色から紫色を呈しているのに近くの桜の花がきちんと写っている
そう、ストロボなんです。話は簡単で遠景の撮影中に近景にむけて
ストロボを発光させれば良いのです。
ストロボを発光させる方法はいろいろあるでしょうが、私はできるだけシャッター時間を
かせいでおき、ストロボのテストボタンを手で何回も発光します。
ストロボの充電時間が長いとこまりますがね。
あんまりストロボが近いと夜の感じが出ませんからガイドナンバーから割り出して
届くか届かない位の距離を決めます。
それにしても前景の桜などは良く見ておき形の整った前景にしましょう。主役ですから。

露出はISO50を前提に記載しましたが、あくまでも目安です!。

付録*フジクローム相反則不軌補正
シャッター速度1s2s4s8s16s32s64s
RVP(ベルビア50)不要不要+1/3+1/2+2/3+1不薦
RDP2(プロビア100)不要不要不要不要不要+1/2+2/3
RHP(プロビア400)不要不要不要+1/3+1+1+1
RSP(プロビア1600)不要不要+1/2+1/2+2/3+2/3不薦
RTP(フジクローム64T)不薦不要不要不要不要+1/3+1/2
RD2(センシア100)不要不要不要不要不要+1/2+2/3