天辺蒔の話

富士山の天辺からお日様が昇る。あるいは富士山の天辺に日が落ちる。
この荘厳な自然の演じてくれるドラマは何時、何処で見られるか。
当然、富士山でなくて他の山でも同じです。
晴れていて、遮るものが無ければ何時でも何処かで起こっている現象なんですが。

富士山付近の位置における日の出、日の入りの時刻と方位について
国立天文台から入手したデーターです。
時刻は日本標準時、方位は北から東回りに測った角度。
北緯35.350東経138.733標高0.0
月日日の出方位角日の入方位角
1-016:54118.016:43242.1
1-116:54116.516:52243.6
1-216:51114.117:01246.0
1-316:46111.017:12249.1
2-106:37107.317:22252.9
2-206:27103.017:32257.2
3-026:1498.517:41261.7
3-126:0193.716:43242.1
3-225:4788.917:58271.4
4-015:3384.118:06276.2
4-115:1979.418:14280.8
4-215:0675.018:22285.2
5-014:5471.018:31289.2
5-114:4567.418:39292.8
5-214:3764.518:47295.7
5-314:3262.218:54297.9
6-104:3060.718:59299.3
6-204:3060.119:03299.9
6-304:3360.419:04299.5
7-104:3861.619:02298.3
7-204:4463.618:58296.3
7-304:5266.318:51293.6
8-094:5969.618:41290.2
8-195:0773.418:30286.4
8-295:1577.618:17282.1
9-085:2282.118:03277.6
9-185:2986.817:49272.9
9-285:3791.617:34268.2
10-085:4596.317:20263.4
10-185:53101.017:07258.8
10-286:02105.316:55254.5
11-076:12109.316:45250.6
11-176:21112.716:38247.2
11-276:31115.416:34244.5
12-076:40117.416:32242.6
12-176:47118.416:34241.6
12-276:52118.416:39241.6

但し、これは海抜0mすなわち海の上の話、
地上では位置と季節によって多少の差があり、更に山頂に見る場合は
高度と場所で下記の計算式によって決ります。
R=h*cotθ
例:3月20日6時60分=3776m(富士山高度)*cot11.4度(仰角)

さて、この計算を毎日するのは面倒くさい話です。
富士山を撮る場合、だいたい山頂から15kmほど離れた位置から、
その場所の標高を500mとして3000mの富士山を仰ぐとすると高度は、
11.3度ほと゛、その間に太陽は8度から9度くらい南に移動します。
前出の日にちの角度を透明な紙に線を引いておき、地図上の富士山にのせ、8〜9度ずらすと
その日の、その場所の天辺蒔きが求められるわけです。
これは富士山でなくても大差なく利用できるでしょう。ひとつ作ってみたら如何。
面倒だという方にはお分けできます。


でも、ダイヤモンド富士が湖に映る(ダブルダイヤ)田貫湖など、年二回発生するその日は
ものすごい人ですから、それなりの覚悟も必要です。
空に大部分の太陽がある間はゴーストやフレアーがでます。日が出る瞬間から
半分くらいまでが勝負でしょう。
太陽が少ないと光芒が細く、多くなるにしたがって太くなる。
ゴーストは画面の中心に太陽を位置させる事で少なくできます。
大型で撮りトリミングするのも手でしょう。
レンズは清掃しておき、フィルターははずしたいですね。(みんな迷光やゴーストの原因となる)
露出は機械任せじゃ駄目です。
f22・1/250がもっとも光芒が伸びる事を経験則で知っていますが、
それを目安に、滅多に無いチャンスです。バチバチとやりましょ!。
でも、もっとも恐れる事はその時にフィルムが無くなることです。