ようやく巡り合えた兄さんは、すっかり大人びていた。

僕の記憶の中の兄さんよりも背が高くすらりとして、
僕が見たこともない憂いを帯びた表情をするようになっていた。

僕が覚えていない空白の数年間が、この人をこんな風に変えてしまったのか。
それとも、こちら側の世界にはじき出され・・・・・・・・そうならざるを得なかったのか。


でも、僕は来たよ。

僕は今、兄さんの側にいるよ。

それなのに、どうしてなの。


その寂しそうな笑い顔は、何を思ってのもの？
その偶に見せる虚ろな表情は、誰を思ってのもの？


夜、こっそり起き出しては窓辺に立って星空を見上げている後姿を、僕は何度気付かないふりで見送ってきたのだろう。

だってまだ、僕の手はこんなにも小さくて非力だ。



待っていて。

きっと、きっと、今よりもっと僕は大きく強くなるから。

あなたの全てを受け止めて守ってあげられるような僕に、急いでなるから。



だから。




それまで、もう少し待ってて。




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やっぱり、ハイエド味が濃い。ありきたりすぎでつまらないので再度挑戦します。