■成分献血のしくみ

  成分献血は何か病気をうつされるのではないかと心配される方もいらっしゃるかもしれません。機械を通して、分けているみたいだから、その機械から何か病気がうつるのではないかということですね。「成分の機械に血液が触れているのではないか」という疑問ですが、献血の際に血液が触れる部分は、すべてその方1回のみの使い捨てになっています。病気をうつされることはありません。じゃあ あの機械は何なのか?その疑問にお答えしますね。

 
  血液は、身体の外にでたら固まります。 その為固まらないようにする薬=クエン酸を血液に混ぜさせて貰ってます。(クエン酸の項参照。)
固まらないようにして、しばらく置くと、血液はいくつかの層にわかれます。 ドレッシングが油の層とかに分かれるのと一緒です。分かれるとこの図のようになります。一番重たい赤血球が一番下に、一番軽い血漿が一番上にとわかれます。そこから上澄みを貰えば、血漿献血で、その下の血小板まで貰えば血小板献血です。

▼成分のキット
  成分献血はまず、血管に針を刺してチューブの中に血液を流れるようにします。チューブの一番先は、貰った血漿をためる袋です。途中にボウルとよばれる血液を貯めて、血液を分離させる場所があります。これらをまとめて「キット」と呼びますが、これは使い捨てでその方一度だけの使用になります。

▼実際のものの例

  血液はしばらく置けば分離してきますが、さっさと分離させる方法があります。遠心をかけるという方法です。洗濯機の脱水槽を思い出してください。ぐるぐる回すと、洗濯物は外側のへりにへばりつき、水分は洗濯槽の穴から外へでていきますね。そういう外側に向かう遠心力をかけると より重たいものが外側にいきます。血液を遠心すると、外側に赤血球がいき、一番内側に血漿がいきます。ボウルの部分をその外からぐるぐる回して遠心力をかけることで、中の血液を分離させ、血漿(および血小板)を貰うというのが成分の機械です。ボールの部分の血液が分かれたら、血漿はバッグへ赤血球はチューブから血管の中へと戻します。これを1回で行おうとすると、身体の外にでる血液の量が多くなります。その為1回にボールに貯める血液の量は少なくして、何回か行わせて貰っています。「血液を貰って、遠心して分離させて、赤血球を返す」、ここまでを1サイクルといい、だいたい15分かかります。献血の際はだいたい3サイクルか4サイクルお願いしています。検査の時に「45分くらい大丈夫ですか?」と聞かれたら3サイクルで、「1時間大丈夫ですか?」と聞かれたら4サイクルということです。 血小板の部分は血小板だけではちょっぴりなので、血小板を血漿に溶かし出します。(血小板の層に血漿を戻して洗い流すといった感じ)。

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