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2010年7月10日 「渋谷 公園通りクラシックス」19:30〜

出演:Ayuo(Bouzouki, Vocals,朗読,Dance)、

    Seashell弦楽四重奏
    甲斐史子(Violin,)、大鹿由希(Violin,)、
    宮野亜希子(Viola,)、松本卓以(Cello,)、

    ゲスト
    上野洋子(Vocals,朗読,タンバリン,etc)
    YOSHIE(Dance,朗読)、
    立岩潤三(Darubuka,Per)

    /敬称略

第一部 19:39〜

1.I Cry For No Reason (Ayuo、弦楽四重奏、立岩潤三、YOSHIE)

2.Songs of Bilitis
 a)鳩 (朗読:YOSHIE)
 b)ビリティスの生涯 (朗読:上野洋子)
 c)牧うた (朗読:上野洋子、Ayuo、Percussion:立岩潤三)
 d)Epigraph one (弦楽四重奏)
 e)笛 (朗読:YOSHIE)
 f)The Flute of Pan (VOCALS:Ayuo、Keybords:上野洋子)
 g)老人とニンフ (朗読:上野洋子)
 h)Epigraph two (弦楽四重奏)
 i)豊か髪 (朗読:YOSHIE、Ayuo)
 j)The Hair (VOCALS:上野洋子、弦楽四重奏)
 k)水の精の墓 (朗読:YOSHIE、Ayuo)
 l)The Tomb of the Naiades (VOCALS:上野洋子、弦楽四重奏)
 m)恋 (朗読:上野洋子)
 n)Epigraph three (弦楽四重奏)
 o)アスタルトの巫女たち (朗読:YOSHIE)
 p)Epigraph Four (弦楽四重奏)
 q)小唄 (朗読:上野洋子)
 r)Epigraph five (弦楽四重奏)
 s)最初の墓 (朗読:YOSHIE)
 t)Epigraph six (弦楽四重奏)

3.The Tomb with No Name (Melody from Debussy)

 20:41第一部終了

第二部 21:05〜

1.Opus 822 (作曲:上野洋子、ドビュッシーの誕生日が8月22日なので「Opus822」)
       (弦楽四重奏、タンバリン・etc:上野洋子、立岩潤三:Darubuka、Per)
2.The Movements Of Mocro-Biological Organisms Forming Our Being より
 a)Prelude:Song of Songs アカペラ (VOCALS:上野洋子)
 b)The Kiss - Music with Recitation (Ayuo、弦楽四重奏、YOSHIE)
 c)The Movements of Wave Particles (弦楽四重奏)
3.The Lamia (朗読:上野洋子)
 The Lamia (Ayuo、弦楽四重奏、立岩潤三、YOSHIE)
4.Night in the Gallery (Ayuo、弦楽四重奏)

 21:45終了

 

はじめはそんなに人がいなかったのですが、開演前には満員状態で、立ち見を
している人も。

第一部
1.ドビュッシーのメロディをもとにAyuoさんがボサノバ風味にアレンジ。
2.「Bilitis」とはフランスの作家、ピエール・ルイスによる架空のギリシャの女流詩人。
 しかし、「ビリティスの歌」があまりによく出来ていたためか、発表当時は実在の人物
 として論じられていたとのことです。

 さて、内容のほうは詩が朗読され、その間に3つの歌(The Flute of Pan、
 The Hair、The Tomb of the Naiades、いずれも「ビリティスの3つの歌」より)、
 6つの弦楽四重奏曲が演奏される、という形式でした。

 そして物語を補うようなYOSHIEさんのダンス。後半は、Ayuoさんも加わり
 2人でのダンスもありました(途中、Ayuoさんが仮面を被る場面も)。
3.ドビュッシーのメロディから。

第二部
1.まず、上野洋子さんによる解説からスタート。

 「ドビュッシーということでWikiペディアとかで調べてきたんですけど」とおどけて
 みせていましたが、さすが上野洋子さん、とっても詳しいです。

 曰く、ドビュッシーは後期は自分にとって異郷のものに興味があったらしく、
 民族音楽(アジアやバルカン半島、東ヨーロッパの舞曲など)っぽい要素
 を曲(Opus 822)に入れてみたとのこと。

 また、民族音楽だけでは面白くないので、ドビュッシーはまた後期には
 変わったスケール(12平均律以外の音律)の音楽をやりたかったらし
 かったので、全音階(ホールトーン)だけで曲を書いたとのこと(実際に
 キーボードで少しホールトーンの説明あり)。

 そんなわけで結局、「全音階だけで曲を書いてみよう、しかも民族音楽
 もとり入れてみよう、という曲でドビュッシーの好きなものがすごくいっぱい
 入っているはずなのにすごくドビュッシーっぽくない曲です」と、謙遜されて
 ましたが(「Ayuoさんはアカデミックなので私は余興って感じでやりたい、と」
 とも仰ってました)、そこは上野洋子さんのこと、全然そんなことはなかった
 です。

 曲は、弦楽四重奏の不思議な調べで始まり、立岩潤三さんのパーカッション
 がリズムをつけていき、上野洋子さんはこの時だけ前のほう(立岩潤三さん
 の横、演奏が聴きとりやすいから?)に来て、タンバリンでリズムを刻んで
 いました。

 曲の中ほどで、上野洋子さんが使ったスレイベル(オーケストラベル、ジングル
 のほうが有名?)が涼しげ。

 曲じたいは序盤以外は激しい曲調で、とっても複雑な感じでした。譜面を
 ちょっと見ることが出来たのですがすごく難しそうな感じ。でも、これだけで
 終わらせるのはもったいないので(個人的に、こういう先が読めない曲は
 好きです)CDに収録して欲しい ところ。

2.は、Ayuoさん作曲のもの。

 a)旧約聖書がテーマ。上野洋子さんのアカペラが非常に美しかったです。
  ものすごい声量でした。
 b)「サロメの歌」より。ドビュッシーらがインプロで作った曲を親交のあった
  詩人で作家、劇作家のオスカー・ワイルドが書きとめ、ピエール・ルイス
  とともに再構成したもの。
 c)ドビュッシーをモチーフにした曲。

3.「ユーラシアン・ジャーニー」/Ayuo より。

4.「DNA」/Ayuo より。弦楽四重奏にアレンジ。

(初:2010.7.11/2010.7.17追記)


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