建設省松本砂防工事事務所所長   佐藤一幸 殿 1999年6月10日
 
島々谷川北沢第6号砂防ダム建設予定地でのイヌワシ確認による計画見直し要望書
 
砂防ダムいらない 渓流保護ネットワーク代表  田口康夫
 
 前回提出しました意見書にも書きましたが、島々谷川第6号砂防ダム建設予定地一帯はイヌワシをはじめとする猛禽類の生息地です。特にイヌワシは環境庁の「レッドデータブック」では絶滅危惧IB類に指定されていると同時に国の天然記念物でもあり、この鳥とその生息地保護は社会的にも重要視されています。
 私達は1996年よりその確認をしておりましたが、1999年5月16日島々谷川現地見学会において、40名近い人々が別紙の写真に示すとおり、イヌワシ成鳥の存在を確認しました。
 第6号砂防ダム建設予定地での、右岸、左岸の大岩壁の地上42メートル前後への横穴試掘抗工事と同左岸トンネル開口工事は、イヌワシの営巣環境に多大なる影響を与えた可能性があります。本来ならこれらの工事に入る前に、適正な調査を行い、速やかに工事の中止をすべき場所であったと思われます。
 
 従って私たちは以下の事を要望いたします。
なお、この要望書については、6月 日までに、回答を申し入れます。
 
1、 イヌワシを含む猛禽類の調査を実施する。
2、 この一帯から北沢上流への環境影響調査(景観、動植物、渓流生態も含めて)をアセスメント並に実施する。
3、 調査終了までは一切の工事の中止をする。
4、 前回提出した意見書と現在分かっている調査結果とを踏まえ、6号砂防ダムの代替え案を検討するため松本砂防工事事務所と市民との間で、建設的な議論をする場を設定する。
5、 4に必要な全ての情報を松本砂防工事事務所は提示し、建設的な討論ができるようにする。
 
 最後に、地元安曇村村民は勿論のこと、周辺の市町村民および全国民の共有財産として、島々谷川源流部の美渓と生態環境を守るため、防災との調和をもって解決していけることを心より望みます。
 

信濃毎日新聞'99/06/11 (105KB)

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