1999.12.04 島々谷イヌワシ・クマタカ調査

 調査メンバー 田口・平山・吉沢
場所 島々谷

 1999年5月の渓流保護シンポジウム現地見学会において、水墨画を思わせる島々谷渓谷の上空を優雅に飛ぶ大型の猛禽類を発見しました。取材のため同行していたNHKのカメラマンが撮影し、テレビで放映されました。しかし、渓流保護ネットワークで撮影した映像や写真はなかったので、その姿を皆さんに紹介できませんでした。その後数回島々谷を訪れ、12月4日の調査でついにその姿をとらえることができました。イヌワシやクマタカは絶滅が危惧される稀種で、生活場所とする島々谷の環境が破壊されることで、谷に生息できなくなることが危惧されます。豊かで美しい森を優雅に飛ぶイヌワシやクマタカの姿をこれからも見られるように、自然と人間の共存する道を考えなければと強く感じました。

谷の入り口にある0号砂防ダム(写真 吉沢)

霧氷に覆われた美しい森林(写真 吉沢)

 谷に詳しい田口氏が何回かイヌワシを見た場所に行き、観察をはじめました。1時間ほど観察していましたが、イヌワシ・クマタカは現れず、気持ちは少し沈んできました。11時になり、そこでの観察をあきらめ上流に向かいました。次の観測場所は、田口氏の経験では3回イヌワシを見ることのできた場所です。今度こそという期待と、今回もだめかもという不安を胸に、観察をはじめました。数分の経ったでしょうか、大空上空に黒影が現れました。ついに見つけました! 非常に高い空の上をゆっくりと旋回するその姿に、森の王者の風格を感じました。大型の猛禽類は30秒ほどで上流の左岸側に姿を消しましたが、数分後に、再び現れ、写真とビデオ録画に成功しました。

 

 

 

クマタカの撮影に成功!(写真 吉沢)

(写真 田口)
(写真はすべて同じ鳥です)

 この大型の猛禽類のシルエットは羽の下側が少し丸みを帯びクマタカの特徴を持っています。しかし、双眼鏡での観察では、色は黒っぽく、クマタカの特徴である模様は確認できませんでした。写真を見て鳥類に詳しい方、連絡くだされば幸いです。

 ビデオにつきましては、密猟の危険もあり、公開は中止させていただきます。

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最終更新日 : 2000/03/02. クマタカに修正
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