司会「録音といえば、監督ご自身も出演されてましたね。マネージャーの東大和さんとか、梅さんとか、ニューヨーク編のタクシードライバーとか」
大地「あの、タクシードライバーはねェ。桜井にハメられたよ。ッたく、あの長ゼリフは」
小田「『こどものおもちゃ』って作品の第一声は監督なんですよね?」
大地「第一声?」
小田「紗南、ほら、目覚まし時計!!」
大地「あぁ、あのブタの目覚まし時計なんてのもあったね」
司会「どうですか、そういう自作自演で自分で監督しながら自分で出演するってのは」
大地「おかしなもんだよね。東大和なんかぜんじろうさんとのかけあいがあったりして「いやァ〜」とかおちゃらけてたのが突然ピタっと“あ、ちょっと、そこ違ってる!!”とか指差して“そいでさァ〜”とかなったり。でも、基本的にはね……やるもんじゃないです。『こどちゃ』が特別なんであって、以後はやってないでしょ。『おじゃる丸』とか『十兵衛ちゃん』では。やっぱ、監督はね、声だしちゃいけないですよ」
  突然マイクを持って半身を起こし、客席に向かって。
大地「聞いてるかぁ〜ッ! ナベシンッ!!」
  
(会場大爆笑)
司会
「そうやって、まぁ、監督とか出演とか脚本とか作品によっては色々なパートをされていて、一番ご自身で好きなのは、どの部分の作業ですか?」
大地「(きっぱり)声優です」
  
(場内、大コケ)
大地
「ウソです。一番、楽しいのは作詞です」
司会「というわけで、監督の作詞された歌の数々のなかから、自選ベスト3を
 選んでいただきました。


第3位『ここにいて』(ナースエンジェルりりかSOS〜)歌:麻生かほ里

 これは、初監督作品で、初めて作詞して、出来あがってみればものすごく恥ずかしいですね。ところが、スタジオで麻生さんに歌っていただいたら、こみあげてくるものがあって、他のスタッフも「良い歌ですね」って言ってくれてね。

第2位『港町チャールストン』(こどものおもちゃ〜)歌:小六隊

・少女隊のパクリなんですけど。最初に「小六隊」ってのいを思いついた時は凄く嬉しかったです。西村知美ちゃんも一緒に歌ってくれたわけで。「もっとチャールストン」という少女隊の歌があって、それを作曲の人に渡して「おんなじのを作ってください」と頼みました(笑)

第1位『この世に神がいるのなら』(浦安鉄筋家族〜)歌:松本吉朗
・トップワンというのをどうしようかと考えたんですけど、この「この世に神がいるのなら……」っていう発想から詞の内容から凄まじいですよね。
 その凄まじさが他を圧倒してしまって。歌がまた上手いですし。この松本くんというのが『こどちゃ』でも出てくれてたですけど、演技の方はイマイチ特に目立ったりしてはいなかったんですけど、このロックのボーカルやらせたら、物凄くハマっていて、意外な才能を発見することができました。

司会「それでは最後に小田靜枝さんに、今だから言えるコメントを」
小田「『こどちゃ』が自分の生活とリンクしていました。キャラがそのまま自分に入り込んだような感じで。これをやったから、人間として生きていられるんだと思います。作品にとって大切なことは先程、監督の御言葉としてもありましたが、“笑いと命”ですね」
司会「監督……いかがですか?」
大地
「小田さんにはね、紗南ちゃんのままでいて欲しいと思う……これからもずっと。だから、これから先、もう二度と小田さんを使ったりなんかしない(爆)」
小田「あ! それは私の方も同じで『こどちゃ』が終了した時に、アニメはもうこれだけでいい。他に来てもやらない……て気構えで。でも、そしたら希望通りというか、本当にどこからもまったくオファーがないんですぅ……(笑)」
大地「(ニヤニヤ)ま、そういうもんなんだよ。仕事ってやつはね、待ってる時に限って不思議と来ないものなんだ」
小田「いえ、ですから待ってないんですば! 待ってないんですけど、来ないんですヨーッ!」

※ 拍手の中、小田靜枝さん退場。

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