小田原建築探偵〜大阪万博編      
HOME INDEX ←BACK NEXT→
ラオス館part3〜2006ラオス館の今 2006.09


幾度か訪れた長野霧ケ峰昭和寺。大阪万博
元ラオス館はいつ訪れても無人なのだが今
回、初めて本堂に入る許可を得た。これまで
外からしか見る事が出来なかったラオス館。

いつも賽銭箱がある本堂正面のガラスに顔
をつけ中を覗いていたものだが薄暗い内部
の詳細を確認するのは困難だった。

ついに内部に入れる喜びからかハンドルも軽
やかだ。小田原から此処まで約220キロ。諏
訪から山を登ること約25分。冬ならばきっと
途中で要チェーン装着に違いない。

この昭和寺のすぐ近くにもスキー場がある。歩
いても5分くらい。ラオス館があるのは、そんな
場所。雪に埋もれる、この場所を冬に訪ねる人
はいまい。只、雪に埋もれた姿も見てみたい。

久しぶりに訪れた霧ケ峰の空は夏も過ぎた
と言うのに抜ける様な青さだった。気温も高
く高原にも未だ夏が残っていた。

いつもの様に木立を抜けると、ぬっと現れる
ラオス館。 青い空に映える赤い屋根とオレン
ジ色の本堂。大阪万博とは関連性の無いこ
の高原に残る万博遺跡。”あぁ..残っていた”
感でいっぱいになる。

似たような事を何度も書くが37年も前の大阪
万博のパビリオンが現存していると言う事実そ
して奇跡。

下の写真は開催時のものだが、こうして
並べて比較してみると当時と殆ど変らぬ
姿がそこにある。

残念ながらその奇跡の建物の老朽化は
激しくなるばかりだ。「何とか残っていって
欲しい」と願う事しか出来ない。まるで写経
をする様に一文字一文字に建物存続への
想いを綴るのみだ。