車線変更時における ハンドル操作の実際
視野の話に終始したが、実は車線変更の軌道とは、Sターンである事に留意しなくてはならない。
図1
上図において、赤丸の位置では横方向の力(いわいる横G)が、右旋回(左旋回)の2倍かかる事になる。
高速道路では140km/h 程度まで、レース中継に見るコース・アウト、すなわち意図しない方向への暴走は
通常無い(雨天時の暴走は有りうる)が、80km/h 以上であれば、操舵特性に明らかな変化(円弧が大きく
なり、カーブの外側に押し出される傾向)を感じるはずだ。(操縦特性が変わるのは望ましくないので、
法定速度を大きく逸脱すべきではない)
山道等の蛇行では、道幅を利用して赤丸の位置に僅かでも直線を挿むと、横方向の力(いわいる横G)は
小さくなる(1mの幅寄せだけで、操舵特性が大きく緩和される)。
図2
しかし車線変更の場合は、軌道の距離(図1における青線の長さ)と道幅(横の移動量)を考慮すると、
文字通りSターンとなってしまう。
加速中、もしくは追い越し車線に出る場合は速度が小さいので特に問題は無い。しかし逆に、追い越し車線から
走行車線に戻る際は、かなり速度が出ているが追い越し車線での減速は禁物のため、高速の状態で走行車線に
移ってから減速する事になるので、細心の注意が必要である。
高速走行時のハンドルは極めて敏感となるため、一気に 30゜も切ると、間違いなく急ハンドルとなる。
従ってハンドルは、せいぜい拳1つ分の範囲で操作すべきである。
この様に脅かすと、殆どの初心者は「私は左車線のみ走ります」と言のだうが、そうは問屋が卸さない。
インターチェンジ等では、出口も有るが同時に入口も有るわけで、入口のランプからは低速車が走行車線に
割り込みをかけてくるのである。そのためインターチェンジでは、追い越し車線に出て本線に合流する車に
道を譲るべきなのである。
高速走行のコツとは、早く気付いて、小さな舵を、ユックリ浅く切る事なのだ。