焦点距離って、どういう定義?
光軸に平行な光束(平行光束とは、要するに太陽光の事)が入射した場合、光が一点に結ぶ位置がレンズの焦点位置だが、
現実は表裏(単レンズの場合)で屈折するわけだから、何処から何処を測ればよいのだろうか。
上図は、光軸上の一点から発した光が、レンズを通過した後、光軸上の一点に結ぶ図である。しかし光軸に平行な光束が
入射した場合は下図のようになる。
上図において、光軸に平行な入射光の延長線と、射出光の延長線との交点から光軸に下ろした垂線を主平面という。
主平面から焦点までを測れば、一回だけ屈折したのと同じ扱いが出来て便利である。
コヒーブレイク
キャノンEOSは、フランジバック(ボディのフランジからフィルム面までの機械的距離)が、44mm(フィルム型の場合)だが、
短焦点レンズの中には、焦点距離が15mmのレンズがある。このレンズを装着した場合、ミラーにぶつからないのだろうか?
これも主平面の概念を用いると簡単に説明できる。 まず、長焦点の望遠レンズで見てみると下図のようになる。
ここで、薄肉レンズと呼んでいる仮想的なレンズこそ、正しく主平面である。(図が雑で恐縮だが・・・)
これだと、焦点距離が 1200mmの超望遠レンズでも、筐体は 50cmに短縮できる。
倍率β = b / a
参考まで、実際のレンズでの一例を見せる。
とすると、短焦点レンズを俗にレトロフォーカスと呼ぶ意味が解かるだろう。
収差(説明は割愛)といわれる結像特性の話をすれば、広角系の凸レンズは、望遠系の倍に及ぶ角度で屈折させるので
性能向上は難しい。だから広角系は玉数が多くて高価なのである。
(Fulcrum著)