御國替えの引越し騒ぎ
ウィング・カーの場合、床板の形状を翼型にしなければならないし、外形寸法が規則に縛られている以上
翼の面積を増やすためには、コクピットとエンジンを細身にまとめなくてはならない。
極力低部の狭いエンジンが必要となり、ポンプ類をエンジン側面からエンジン前面に移動させる事になったし、
重心位置を4:6にするのに貢献したラジエーターにも立ち退きを命じた。
この時代に双璧を成す技術がターボ・チャージャーである。かつてラジエーターが居た場所に鎮座まして
いるインター・クーラーは、ターボに付いて来たオマケとでも言うべきか。
また、オイル・タンクも地上げに遭った。床板の形状を翼型に保つ事を優先されたために、エンジンと
ミッションに挿まれる位置となり、同時にオイル・タンクがクラッチ・ボックスを兼ねる事になった。
この意味ではオイル・タンクもストレス・メンバーとしての機能を負担する事になる。 (Fulcrum 著)