W196 の 派生型
ベンツの戦後を飾る、1954 〜 1955 年のレーシングカーは一括して W196 と呼ばれる。思うに、クルマの名前ではなく
プロジェクト名だったのだろう。その中に大別して2種類あり、この章で扱うストリームライナーと車輪をむき出したモデル
である。しかし実際は、同じシャーシーを使い回したり、各レース毎のカスタマイズのために、一台も同じ物が無い。
但し,GPレーサーを「レンワーゲン」から「W196R」とし、スポーツカー・チャンピオンレースに参戦した物を「W196S」
(すなわち「シュポルト」の意味)と分けていた。 また、300SLR とは W196S の 別称である。
今の感覚にすれば、ここまで違うと、「Aスペック 」 とか 「Bスペック 」 と命名しそうなものだが、要するに車体番号で
管理していたのだろう。 (Fulcrum 著)