ベルヌーイの定理についての考察
このコーナーに示す一連の解析結果を観察する上で、必要となる重要な基礎知識について解説する。
[ 読者に質問 ]
例えば、下図に示す 断面が100mm×50mm の長い角パイプの一部(200mm長)に赤いトンネルが有る。
仮に左側から1m/s の風が入ったとしたら、角パイプの中で流速が最大となる部位は何処だろうか?
(但し、モデルの各寸法と流速が結果を大きく左右するので、あくまでも「この場合」で考えてもらいたい)
↓ 中央断面における模式図 ↓
筆者の意地悪心からすれば、読者には是非、最速の部位として @ か A あたりを選んで欲しいのだが・・・
さて、正解は・・・下図(中央断面)に示す赤い部位、つまり Dの部位 が最速となるのである。
えっ! うそだろ? なんていったけ? 例のヤツ、ベルヌーイの定理・・・
たしか・・・一様流の中に流路幅の狭い所があると、くびれた所の流速が速くなって、負圧になる・・・
とすれば、やっぱり @ か A じゃないの?
まぁ、慌てない、慌てない。トンネル内の細い部分は、黄色じゃなくオレンジだから、周辺よりは流速が速いと
言えるし、トンネル外の領域で最狭の部位は D なのだから何の矛盾は無い。トンネル内に負圧も出来る。
でも、やっぱり変じゃない? 青い所が負圧なんでしょ。トンネルの細い方で負圧なら解るけど・・・
CS放送でやってた「フォーミュラー基礎講座」で東海大の先生は
「グラウンド・エフェクトというのはアンダー・フロアに発生する負圧の事で、デフューザー付近で発生する
わけではありません」
ちゃんと番組の終わりに言ってたよなぁ・・・結局、どっちが正しいわけ?
先生の講義も、ベルヌーイの定理も、上の結果も、すべて正しいし矛盾は無い。それでは、この三つを繋げる
説明をするとしよう。
(Fulcrum 著)