センターウィングの結果

 

 今回の解析結果は、これまでと違い、比較条件による差異が殆ど無かった。しかし僅差を議論するなら、

サイド・ポンツーン上面に発生する負圧領域は、マクラーレン型がセンター・ウィング無しやBAR型に

比べて大きい。

 

 

 

 

 今回は、真正面から風を受ける形で直進している条件で解析したから、結果に差異が見られなかったが、

タイトなコーナーでは、アウト側のチムニーがインダクション・ボックスに阻まれて、ベクトルが乱れた気流に

曝される。そのため、タイトなコーナーでは上に示す3条件で何らかの違いが予想される。

 

 2003年や2004年にウィリアムズあたりがエキゾースト・シュラウドの大きさを非対称にした時があったが、

あれは負担の大きい側の排熱(エンジンの排気ではなく、ラジエーターの冷却風)を助長するのが狙いだろう。

しかし直進時におけるドラッグが左右非対称になると、操縦性に癖が出るのも想像に難しくない。

 恐らく、センター・ウィングの効能とは、タイトなコーナーにおけるアウト側のチムニーの廃熱処理だと

推察する。面白いのは、2005年前半のセンター・ウィングは、どのチームも取り付け位置がチムニーの真上に

なっている点だ。

                                       (Fulcrum 著)