解析の条件

 

 解析モデルは、2001年及び2002年における各F1マシーンの特徴を反映する、筆者独自の形状、すなわち

下の写真にある AP04 (上) を基本に、サイドポンツーンの形状のみ EJ11 (下)にならった撫で肩とする。

 バージーボード(前輪の直後に置く大型の整流板)と、ターニング・ベーン(前輪の内側に置く小型の整流板)では

どちらが機能的かについて、当時はホットなテーマであったが、既にバージーボードを採用するチームが多数

占めたので、解析モデルもバージーボードを採用した。 ひとつには「気流の種」に手を加える方式の場合、

部品の有無による比較において、要素分割が粗い今回の解析モデルでは目立った相違が見られないかもしれない

という危惧により、明らかに「乱れた気流」を後で処理する方式を選ぶ方が得策だと考えた。

 

解析モデルの形状

 

 

 2001年の アローズ A22 は、当時としても既に遅れた古い印象が否めなかったが、実にシンプルな形状で、

結果的に解析モデルとよく似ている。 2002年以降、エンジンの高出力化に伴い、ラジエーターが大型化したので

中心線に直行する平面でバッサリと切ったAP04 (上) のようなサイドポンツーンが、各車のトレンドとなった。

                                                    アローズ A22

 

なお、後輪車軸の真上に装備するアクスル・ライン・ウィングやガーニー・フラップ等は考慮しない。

(Fulcrum 著)