鮎正宗は蔵のこんこん湧き出ずる水の味

鮎正宗
  
                   
  出会いは外からでした。お客さんが1升ビンを持ってきて
「俺これは旨いと思う。どう思う?」と言われて初めて試飲
しました。これが新鮮でした。越後の酒です。そんなに辛く
ないのです。久保田よりはるかに甘口ですが、さらっとして
香りが良いのです。気に入ってしまいました。
  それまで「小野酒造の夜明け前」という銘柄がありますが
年末に注文がなかったということで、「あなたの店は売ろうと
いう気がない」とみなされて取り引き停止になっていました。
  酒質の良いものを探していたのです。早速お蔵へ足を運びま
した。「取り敢えず10本欲しい。」と。難なく断られまして帰
りきました。帰りに近くの酒やさんから1升ビンを買って飲むに
「飲むほどに旨いのです」
越後とはいえ北信濃の境界ですからあまり新潟の酒という感じ
がないのです。少々甘いのですがスッキリした味は、まさに蔵
の中から湧いている水だ!と思いました。妻と再度お蔵へ足を
運んでOKがやっと出ました。新井市猿橋で醸造し、ほとんど
誇りを持って消費している地元の方がおられるいじょう「分けて
くれ!」と言う筋合いはないのです。21世紀はまさに見える所で
つくったものを見える立場の人で消費する−−それが原点になり
ます。そんな関係で細々扱わせてもらえるか−−というところです。
  富倉へそばを食べに行った折など、猿橋までちょっとですから
足を延ばしてお立ち寄り頂きたきお蔵です。 


鮎正宗酒造