異界


(工事中)

ここでは、この"世界"にありながら
地上とは異なる場所である"異界"について触れます。




 異界





■ "異界"とは


この"世界"には地上と異なる理に支配された異郷が数多く存在しています。
魔術師や賢者達のあいだで"異界(ミセラ)"と呼ばれるこれらの異郷は、
ただ地上のとある部分をを切り取っただけのような小さなものから、
"地獄"や"魔界(ニダルの荒野)"のように地上に比肩するほどの広さを持つものまで様々です。

これらの"異界"は普通、地上から行き来することはできませんが、
様々なことがきっかけになって、地上とつながったり、地上の一部と重なったりすることによって
その入り口が開くことがあり、そこに迷い込んで地上へと帰れなくなる人間も実は少なくありません。
また、一部の異界は"門"と呼ばれる現象によって恒常的に地上との接点を持っているものもあります。
そのほか、一般に魔物と呼ばれる存在の中には
この"異界"を故郷とする者も少なくないといわれるため、
"異界"は一般の人々にとっては恐怖の対象となっています。

また、"幻界"や地獄"、"ニダルの荒野"などは、何らかの形で地上とかかわりがあるようで
その理も地上と似通っているのですが、
"真なる異界"と呼ばれる、まったく地上と異なる理に支配された異郷の存在も確認されており、
それらの異郷は賢者達の間では数字をふられて("第一界 ―夢幻郷"、"第二界 ―滴る森"、"第三界 ―幽海"、
"第四界 ―猟犬の洞(ほら)" "第五界 ―塵の墓所"、"第六界 ―水晶郷、"第七界 ―睨む月"、
"第八界 ―煮える虹色"、"第九界 ―月の砂漠")呼ばれています。

これらの"真なる異界"は地上とはまったく異なる法則に支配されており、
接触するだけで地上の理を大きく破壊するうえ、
地上に住まう者達に対して敵意を持った存在が
数多く住まっていることが確認されているため、
一般の魔法使いや賢者の間では触れることが禁じられています。
ただ、その一方で地上の理を逸脱した存在やその力は非常に強大であるため、
その力を求めて禁忌を犯し、"真なる異界"に触れようとする者達は後を絶ちません。
(そして、そういった者達のほとんどは、周りを巻き添えにしたうえで、盛大な破滅をむかえることになるのですが…。)






 幻界





■ "幻界"とは


この世界にとって最も関わりが深い"異界"、
それが幻界です。
例えば、この世界の"地上"に存在する草木の始祖であるとされる"世界樹"は
幻界にあって"十五千夜の大樹"と呼ばれていた
巨大な樹を"世界樹"として地上に導くことにより創造されたと伝わっています。
(つまり幻界は"地上"よりも起源が古いという事になります)
また、幻界を統べるといわれる大龍ルーザは世界を創造したとされる二柱の創造神の従者であったと言われ
彼らはルーザの背に乗ってこの地にやってきたとされています。
ちなみに、世界の"創造"よりも古いとされる幻界の起源については
(人間族の間では)全くと言っていいほど分かっていません。



幻界はぱっと見では
霧に覆われた森が一面に広がる世界と言った感じで、
森を見慣れた人間にとっては地上とそこまで変わらないように感じられるような場所です。
(川や湖なども存在しています。)
ここまで地上の森が幻界に似ているのは
そもそも、地上の木々が幻界の大樹を始祖とし、
また、幻界の光景を模して森が創造されたからだと言われています。
このような経緯から森の一部には幻界と"重なっている"場所が少なからずあるといわれており、
行こうと思えば、そこから幻界へと入ることも可能です。
ただ、幻界に迷い込んだ場合、普通は迷って戻ってこられなくなるため、
進んで幻界へと入るものはまずいません。
(これがこの世界の住人が森を恐れ、むやみに奥へとに分け入らない理由のひとつです。)


そして、地上の森と似通っているとはいえ
幻界にも、地上と大きく異なる点がいくつも存在しています。

まず第一に幻界には"深さ"というものが存在しているということです。
地上の"空間"には
場所をあらわす縦、横、高さという、三つの要素がが存在してますが
幻界には上に挙げた縦、横、高さの三つの要素以外に
"深さ"(賢者などが便宜上、そう呼んでいるだけなのですが)と言う第4の要素が"空間"に存在しているのです。
(数学の言葉を借りると、X、Y、Zの他にもう一つの座標軸が存在しているという事です。)

この"深さ"というもの違いを地上の住人ははっきりと感じ取る事ができませんし、
異なる"深さ"にあるものを"見る"こともできません。
(ちなみに"深い所"に行けば行くほど"見通し"は悪くなります。)
そのため、幻界に迷い込んだ地上の住人は突然目の前の光景ががらりと変わったり
目の前にあった何かか突然消える(と本人は思い込んでいる)ということを経験する事があるのです。
要はこれは知らず知らずのうちに本人が"深さ"を移動した結果、今まで見えていなかった異なる"深さ"の光景が見えるようになったり、、
目の前のものが異なる"深さ"に移動して見えなくなったというだけなのです。
幻界と地上がつながっている部分は基本的に"浅い"部分なのですが、
そのような場所であっても、"深さ"を知覚する事のできない地上の者が
幻界をうろうろすると言う事は、いってみれば私達が目隠しをしたまま歩くのと同じようなものです。
方向感覚に優れた人間でであっても、簡単に自分のいる場所を見失ってしまうでしょう。

それに、幻界は地上よりも"広い"うえに"深さ"と言うものがあるために
地上などよりはるかに"広大"で、
間違った迷い込んだら普通は帰ってくる事などできないでしょう。


幻界と地上の違いの二つ目は、幻界には一般に幻獣と呼ばれている存在が数多くいるという事です。
幻獣とは地上に住んでいる獣に良く似た"生き物"で
幻界にある生命のほとんどがこの幻獣です。
(というか、地上の者達が幻界に住む"獣じみた存在"をひっくるめて"幻獣"と呼んでいるだけなのですが。)
その姿形、知性、性格は千差万別で
(たまに迷い込んでくる)地上のものに対して友好的なもの、
"邪悪な"性格のもの様々です。
言葉を解するほどの知性を持ったものも少なくありません。
(幻獣が使う言葉と地上で使われている言葉が同じと言うのも不思議な話ですが。)
幻獣の数は地上の獣ほど数は多くなく
子供を作る事も稀なため、
基本的には、幻界の森や湖の中で
ひっそりと暮らしています。
また、彼ら幻獣のうち力あるものや好奇心旺盛な者は
たまに地上へとやってくることもあり、
妖精族や森に住む民と共に暮らしていることもあるようです。
彼らは地上に伝わる魔法とは異なる
様々な不思議な力を備えており、
その力によって人に似た姿をとることが出来る者もいるようです。



三つ目に、幻界の"マナ"は非常に濃密で、
かつ不安定であるという点です。
普通、地上で魔法を使うと
術者はいくらか疲れる事が多いのですが、
幻界で魔法を使っても全く疲れる事はありません。
使おうと思えば、余程負担の大きい魔法でない限り
使いたい放題です!

ただ、その代償として
魔法の発現が非常に不安定で
4回に1回はとんでもない結果になると言われています。
(魔法の判定で
出目が13以上であれば必ずファンブルとなります。)

そのほかにも、幻界の"深部"には地上とは全く時間の流れが違うような"場所"があるとか、
太陽と月がないとか(なぜか夜と昼はきちんとあります!)
細かい違いはいろいろとあります。


このような違いから、全くの準備もなしに
地上の者が幻界に足を踏み入れるのは非常に危険な事です。
では、地上の者が幻界に踏み込む事は全く不可能なのかというと
そういう訳ではありません。
地上とは異なる理に支配された幻界の"真"のありようを
"見る"すべが幻界と深いかかわりを持つ者たちや
森エルフのあいだに伝わっていて、
"渡り"と彼らのあいだで呼ばれているこの技術に習熟した者は
自在に幻界を"歩く"事ができると言われていいます。
(彼らの中には、魔物などがいる分、幻界よりも地上の森の方がよほど危険だと言うものもいます。)

また、幻界の比較的"浅い"場所では
そこまで"渡り"に習熟していなくても、ある程度普通に行動できるため、
何らかの事情で人目を避けなければならない者達が
幻界の中に村ごと隠れ住むということもあるようです。






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