GURPS Original Supplement
―Introduction_U





■ GURPSオリジナルサプリメント”名称未定”について ―その2



何故オリジナルなのか?


 世の中には完成度の高いシステムやワールドがあるのに
 何故、わざわざオリジナルを作るのかというと、
 自分の中にある“ファンタジー世界”というものと
 そこで繰り広げられる“お話”というものを表現したかったからです。
 既存の“ファンタジー世界”というものはいくらでもありますが、やはり自分が思うものとは違うわけで、
 自分が思うところの“ファンタジー世界”とはこうだ、
 自分がやりたい“セッションの形"(※注ストーリ―ではありません。念のため。)とはこうだだから見てみろ!(笑)
 ということで、 このシステムとワールドができあがりました。
 つまり、ここにあるルールは、セッション(しつこいようですがストーリ―ではりません)を構築するための道具であり、
 ワールドを表現するための手段の一つなのです。

  このサプリメントでは、 システム周りにおいてもオリジナルのものがいろいろと加わってますが、
 それも結局は、自分が思うところのセッションを実現するためのものです。
 自分がやりたいもの、ということで作ったワールド(本当にしつこいですがストーリーではありません)ですから、
 それがプレイヤーの皆さんに受け入れられるかは、全くの未知数です。
 それをやれというのですから(要は自分の趣味を人に押し付けているようなものです。)
 無茶を言っているのは重々承知しています。
 それでも、自分が思う所の“ファンタジー”というものを”表現”してみたいのです。
 そして、自分だけでなくほかの方にも、
 セッションという形でこの“世界”を作ってほしいのです。
 (当然、この文章を読まれた方は、私が一本道のシナリオを強要するようなマスタリングをやるのではないかと
 心配になるかもしれませんが、一応、そのようなことは無い・・・ハズです。
 そうであったら、、TRPGという形ではなく小説という形で発表したでしょうし、
 ルールをここまで細かく作ったのは、TRPGという形で
 プレイヤーがセッションを構築する環境(あくまで環境です)を整備したかったからです。)



なぜいちからルールを作らないのか、なぜGURPSなのか


 なぜ、ゼロからルールを作らなかったのか、というと
 それは私にゼロからルールを作る実力も、気力も、人脈も無かったからです。
 それは正直に言います。
 そして、もう一つ、私の手元にGURPSというシステムがあったからです。
 GURPSというシステムは技能がたくさんあり、魔法のデーターもたくさんあります。
 何より“ワールド”を表現したかった私にとって、
 「戦闘」以外でのキャラクターの能力を
 具体的な数値としてあらわすことができて、
 なおかつ、そのデーターが豊富である
 GURPSというシステムはもってこいのシステムだったのです。
 また、GURPSは汎用ルールとして作られているシステムであり、
 基本ルールーを下敷きにしてルールーやワールドを作成し、
 サプリメントという形で自由に発表できるものでした。
 他にも、優れたシステムはあったかもしれません。
 ですが、オリジナルのワールドを作ろうと思い立ったとき、私の手元にはGURSがありました。
 


ではなぜ、さまざまなサプリメントが存在するGURPSで
既存のバランスを破壊するようなオリジナルのルールをわざわざ加えたのか



 まず、私が目指すプレイのスタイルとして、
 プレイーヤーにストーリーを動かす“力”を与えたいという事がありました。
 たとえば、例として


  あるセッション中のワンシーンと考えてみてください。

  PC目の前で今にも奈落に転がり落ちようとしている人物がいたとします。
  PCにとって、その人物は大事な人物で、それをなんとか助けようとします。
  このような時、GURPSであればその人物の手をPCがつかめるかどうか、
  敏捷力判定を行うことになるとおもいますが、
  ダイスの目はPCの祈りを裏切り、
  その人物は奈落へと・・・。

 これはこれで、現実的な結末だと思われます。現実は祈ったぐらいでどうにかなるほど甘くありませんから。
 マスターもプレイヤーもリアルさを重視するのならそれでいいでしょう。
 現実の理不尽なところを
 ある程度表現しているという点で、GURPS(ベーシック)は“リアルな”システムであると思います。
 しかし、私は、あえてその“リアルさ”を排除して
 PCやプレイヤーが自分の“思い”を判定(行動)に反映させることができても良いのではないかと思うのです。
 
 TRPGのセッションをやる上で
 この判定だけは、この攻撃だけは成功させたい、と思ったことは
 おそらく皆さんも経験があるのではないのでしょうか?
 もちろん、GURPSの基本ルールにおいてもプレイヤーはキャラクターに“幸運”の特徴を取得させたり、
 能力値を上げることで様々な確率を上げる事ができます。
 それに、PCに“都合の良い結果”を起こさせる力を与えるだけなら
 他のシステムにあるような“ヒーローポイント”を導入すれば問題はありません。
 
 しかし、私は
  1)プレイヤー、PCが望むときに、できる限り柔軟な(一方で、決して万能ではない)形で発揮できる
        (戦闘以外においても)
  2)プレイヤーが発動させる“偶然”に頼るのではなく、
          あくまでもPCが能動的に“力”を高めるという形で様々な行動に影響を与える
  3)キャラクターの細かい作り方がストレートに反映される
       以上のことを満たすシステムを望んでいました。
 
 ※似たようなシステムとして、Seven=Fortressの「闘気法」システムがありますが、
      (プラーナという用語も全くそのままですね(笑))
   Seven=Fortressでは「闘気法」を使って一般的な行動の影響を及ぼすことはできなかったはずです。
   一応、わたしは戦闘を派手にするというためだけにこのシステムを
       考えた訳ではありません。(Seven=Fortressを批判しているわけでは無いので誤解なきよう)
 
 このことによって、PCは自分の“思い”を“自分の手”で行動の結果に反映させ、
 プレイヤーはPCを通してセッションの展開を変えることができると思うのです。
 このような、ストーリーをつくる“力”をPC自身に具体的な形で与えたいというのが私の狙いでした。

 その結果出来上がったのが独自の技能である“気操法”です。
 そして、気操法に付随して出てきたのが各能力値によって算出される“プラーナ”でした。
 この気操法のおかげでGURPS特有の微妙な戦闘バランスは見事に崩れてしまいましたが・・・。
 
 
 あと、追加された五つ目の能力値“霊力”ですが、
 これはワールドに知性と経験(知力)では理解できない、
 全く別の力で感じ取ることのできるものが数多く存在しているということを示すために追加したものです。
 別にそれだったら、魔法の素質があるではないかということになりますが、
 魔法の素質も知力をべースにしているという点で、上に挙げたことを表現することはできないと判断したのです。
 
 
 以上、二つが大きな変更点であり、
 このことによって確かにこのシステムは大きく“GURPS”というものからかけ離れてしまったのは確かです。
 特に戦闘のバランスが変わってしまったことはかなり大きいと思います。
 しかしそれでも、数多くの一般技能や魔法、その他サプリメントを利用できるということは
 私にとってGURPSというシステムを使う意義があることなのです。
 
 そして、既存の未訳サプリメント(特にcompedium、compedium2)をなぜ使用しなかったかということですが、 
 これに関しても明らかに私の怠慢です。
 とはいえ、今までのシステムを作る上で必要性を感じなかったことも確かです。
 各種族の特徴は妖魔夜行の妖力に限定をかけたり、Magicに載っている生得の魔法を元に作成しました。
 
 あと、私の個人的な意見として(非常に不遜な考えですが)サプリメントとは公式であっても、
   あくまでも、ワールドの作成の参考にこそすれ、 拘束されるものではないと言う考えがあるからです。
 (もちろん、あらゆる点において完成度は高いでしょうから、
     完成度、バランスを追求するのなら参考にすべきだと私も思います。)


 
 



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