◆土木遺産に選定◆
大江町と寒河江市を結ぶ、3連アーチが美しい旧最上橋。1940(昭和15)年10月に完成。鉄筋コンクリート製。全長97.6m、幅員5.5m。
橋の中央4ヶ所にバルコニーがあり、歩行者の待避所兼展望スペースとなっていて、橋上のデザインも面白い。
2003年には土木学会選奨土木遺産に選定されるなど、建築物としての価値も高く評価されている。
◆初代は明治の木造橋◆
ここに初めて橋が架けられたのは1883(明治16)年。木造の橋だった。右岸の中郷村(現寒河江市)などから、左沢村(現大江町)へ買い付けに行く人たちなどが利用した。
当時、左沢は江戸時代初期から始まった最上川舟運の中継地点として栄えていて、米、あおそ、紅花などを積んだ船が発着し、町は大変にぎわっていた。かつての船着場があった場所には「桜町渡船場」の碑が建てられている。
橋が架けられたことで、人々の交流も盛んになり、左沢の町も更ににぎわった。
しかし、明治期の木造の橋は洪水などで何度か流失。記録が残っているものでは明治22年。そのたびに架け替えが繰り返されたため、永久橋の架橋を求める声が上がっていた。
◆コンクリート製アーチ橋の時代へ◆
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1940(昭和15)年10月、2代目となる現在の鉄筋コンクリート製の3連アーチ橋が完成した。
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1990年には補修工事が施され、アーチ部や親柱なども化粧直しされた。
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1990年代の旧最上橋と左沢の町並み。
=1996年7月11日 |
◆新旧が現役 新たな景観◆
完成から60年あまり。国道458号の一部として活躍して来た旧最上橋だが、幅員が狭く、10tを超える車の通行は禁止で通年の片側交互通行。車社会へと移行する中、不便な状況が続いていた。
そこで、国道458号のバイパス化と新しい橋の架橋が計画され、平成15年12月18日、上流に新橋が完成した。これにより寒河江−大江間のアクセスは格段によくなった。
一方、旧最上橋は、新橋完成後も重量制限を続けながら、現役として活躍している。
楯山公園から見た新旧の最上橋
=2006年11月23日 |
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周辺地図
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