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「僕は”診断”して、”対象の疾患”が治るように患者さんの邪魔をしないように”ささえる”」だけ…
これは僕がずっと意識し続けている方針です。ポイントは2つあって…

 1つ目は、「診断」をできるだけつけるように心掛けているということ。
 似たような症状でも、根っこが全然違うことはいくらでもあります。例えば「下痢」も「たかが下痢」ではなくて、その原因には「食あたり・ストレス(疲れ?)・感染症・腸閉塞や穿孔・膵臓や腎臓や肝胆の疾患・炎症性疾患・腫瘍など…」といろいろあります。初診時に軽症の場合は”とりあえず”の対症療法も全然ありですが、「それで良い」とは考えてはダメって思いっています。対症療法で改善すれば良いのですが、改善しない場合も多くて、その際には「全身」を診るための検査等をして「消化管以外」の疾患も探ります。腫瘍性疾患(例えば犬のリンパ腫)や尿毒症や腸閉塞など、早い段階で命にかかわる場合、「数日前まで元気だったのに…」なんてことにけっこうあります。診断をきちんとつけることで適切なフォローが可能になって、その結果「完治」や「維持」といった「楽しい人生で過ごせる!」ほうに導けることをたくさん経験します。

 2つ目は、患者さんの持っている「治る力」や「維持する力」を邪魔しないように助ける立場でしかないと自覚するということ。
 獣医師が「治す」などというのはおこがましい話で、本人の「治る力」をフォローした結果”患者さんのチカラで治る”とか、内分泌疾患のように「足りない何か」を”補う”とか…歯がゆいけど、そういう感じでしかありません。そして、多くの人が考えているよりも獣医学はまだまだ未熟です。「最新医療」や「最先端」医療は時に「実験」的であるし、今日の「標準」医療は明日には「勘違い」となるかもしれません。謙虚に病気と学術と患者さんとご家族と向き合う姿勢を意識し続けています。 

 当院ではそれを踏まえて以下のように方針を考えています。

 1)常に新しい獣医学を学ぶのは当たり前、でもそれすら一つの選択肢にすぎないことを意識する
  …文献や教科書は過去の一例であって、患者さんそれぞれ全く同じ状況とはいえません。適切なさじ加減こそ
   が獣医師とご家族の意思と意識が必要となる場面と考えています。
    例えば「心臓病のコントロールをして、長生きしてほしい」気持ちと「大好物のおやつを少しだけでも食
   べさせてあげたい」気持ちに優劣はありません。でも、100%の両立もできません。さらに…僕らも含め
   て哺乳類の死亡率は100%です。いつか必ず死んでしまうなら、行きている間はできるだけ楽しく長くラ
   クに人生を送らせてあげられる努力を僕らはあらゆる情報を元に考えていきたいと思います。

 2)最善・最適な医療行為が、患者さんとご家族のの最善ではないことを意識する
  …ご家族の希望や現実をうまく加味して患者さんとご家族のしあわせをささえたいと考えています。なので
   「治療しないなんてダメ」という発想は当院では持ちあわせていません。願うのは患者さんの楽しい人生が
   少しでも長く続くこと…です。でも、そのためにご家族が犠牲になり続けるのもおかしな話なのです。
   (かといって、なんでも安楽死なんて発想も持ち合わせてませんので、あしからず。)
    なので、検査や治療の選択肢も「何もしない」とか「医療的介入はしないけど、できるだけのケア」とか
   「高額にならない中で患者さんが楽に暮らせるもの」も当然ありえますし、「教科書通りの無難レベルの治
   療」や「学会発表できるくらいの思い切った治療」、場合によっては「二次診療機関レベルの治療」から、
   実際に「二次診療機関の紹介」まで多岐にわたります。ゼロか100かだけじゃない、その間にある選択肢
   こそ大事にしたいと思います。

 3)先入観を持たず皆さんと向きあいたいし、ご家族と獣医師の間に「上下関係」はありません
  …誠に申し訳ありませんが当院では「患者さんとご家族は神様です」もありません。常連さんをエコヒイキす
   ることもありません。逆に「獣医師が偉い」ことも絶対にありえません。立場は違うけど「患者さんの最善
   を考える」ために不可欠なチームメイトのようなものと考えていて、それには新患さんも常連さんも獣医師
   もありません。みんな大事な人と考えて接しております。獣医師なんてたいして偉くもない、単なる専門バ
   カですから…分からないことがあったら気楽に聞いてください!そして、皆さんのお考えを恥ずかしがらず
   に”教えて”ください。希望に添えるような医療情報が無いかを僕が提案できるように努力します。
    もしできることでしたら、皆さんも「病院なんか」「獣医師なんか」と壁を作らずに、「自分の意見
   だけを押し通そうとせず」にフラットに向き合っていただけると嬉しく思います。最初から「診断と治療
   方針」を決めて来院される場合にトラブルが起こりやすいと人の医療でも言われているようですね。
 
 4)インフォームドコンセントとかEBMとか惜しみないとか…言いません
  …”インフォームドコンセント”は時に「(獣)医師が言いくるめる」ために利用されます。多くの場合、煽り
   の言葉などを用いて誘導されています。
   ”EBM”は「最新の獣医学情報(エビデンス、科学的根拠)に基づいた医療」が良いからこれを実施すること
   とか、「EBMとNBMとCBMは別の概念で、当院はNBMを目指します」とか動物病院サイトで書かれている
   ものを見かけますが、本来はそういう「情報を患者さんに当てはめる」ようなものではありませんが、どう
   もそういう責任の押しつけ場所として用いられていますね(詳しく知りたい方は「The Spell」で検索して
   みてください。素晴らしいEBM発信のサイトです)。
   ”惜しみない努力”も本気ならば24時間そばにいること以外にありえない…故マイケルジャクソンのかかり
   つけ医のように…。。
    こういう耳障りが良いだけ言葉は”患者さんのしあわせ”をささえるものとは少し違いますよね。
    ”インフォームドコンセント(=説明と同意)”なんかなくても「患者さんとの会話」でそこそこのコミュ
   ニケーションは取れますし、”EBM”は本来、最新の情報”も”加味して全てを患者さんの”しあわせ”のために
   「利用」するための道具ってものですし、”惜しみない努力”は”僕のできる限り”しかできません。
    耳触りの良いだけの医療ではなく、皆さんの想いや覚悟を受け止めて僕にできることをやってくことくら
   いしか僕にはできません。そもそも医療は万能ではありません。

 5)分からないことは分からないと言うようにしています
  …「知らないのに知ったかぶり」とか獣医師はついしがちです、恥ずかしいから。さらに最悪なのは自分が正
   しいと考えて「知らない自分に気づかない」ことだと思います。後者は意識するのが難しいのですが、こう
   いうことを意識しながら、患者さんと向き合うことを考えています。もしかしたら「頼りない」と感じられ
   るかもしれません。でも、実際のとこ分からない(知らない)ことだらけだったりします。そう、頼りない
   獣医師というのはあながち間違ってないと思います、あははは。

 …ま、こんな感じです。僕のようなものでよろしければ、よろしくお願いいたします。

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 こんにちは。今回は数ある動物病院サイトの中から、当院サイトを訪ねていただきありがとうございます。
 当院は1999年にこの地に開院いたしました。開院当初に電柱広告を出したこともありましたが、それも数年でやめて、以降一切の看板や電話帳の広告や宣伝を出さずに「来てくださる”人”」を大切に、その上で「”患者さん”を裏切らない」ウソや脅し、煽りのない診療を心がけてきたつもりです。
 また、開院当初から(諸先輩方からダメ出しをされ続けはしたものの)、1)”動物病院の方向性を作らず”に
「患者さんとご家族の中」に見つけ出していくこと、2)”専門分野を持たず”に全身科医として「問診と身体検査とご家族との会話」を重要視して、一緒に”いろんなしあわせ”を考えること…を心がけて来たつもりです。とはいえ「昔はもっと”獣医学実践”に偏っていたかなぁ」と思うフシもあります。現在は「”おやつをあげるしあわせ”
と、”健康で長生きして欲しいしあわせ”」の両立とかができないものかなぁとか考えることが増えました。そういうことを悩みながらの15年間、皆さんにいろいろなことを経験させていただけたことで、開院当初と考え方も変わった部分もたくさん出てきて良かったなぁと思うことが多いです。
 昔だったら、ご家族の方と意見がぶつかったことも「今ならどう考えるかなぁ…」と改めて考えると、中には「もっと患者さんのしあわせを”ささえる”ことができたかも」と思えるものもあります。(中には…今でもどうにもならいなぁとか、根本的に合わないんだなぁ、という想い出もありますが…。)
 患者さんとご家族の皆さんのしあわせを、僕にできる範囲でささえられるような…そんな獣医学という道具の使い方をしていけるようにと考えています。

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