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What's UNIX? |
UNIXとはWindows98/Me/2000/XPやMacOS等と同じOS(Operation System)です。現在のインターネットサーバーはほとんどがUNIXによって運営されています。また、UNIXライクなLinuxの人気によってグンと知名度が上がってきました。ここではこのUNIX系OSとはどういったものなのか、どうやって使うのかを簡単に説明していきましょう。
ここではUNIXライクという表現をしていますが、純粋のUNIXとはAT&T社のオリジナルソースコードを使ったOSであるためで、現在のUNIXは最初からこのAT&T社のソースコードは使わずに作られています。そのためこれらを称してPC-UNIXと表現する場合もあります。 |
UNIX系OSの種類
・AIX
DOS/Vで有名なIBMが開発したSystemV系のUNIXライクOSです。インターネット上ではあまり見かけませんが、企業サーバーなどで採用されていることが多く、未だに根強いユーザーがいます。
・HP-UX
プリンタ等で有名なヒューレットパッカード社が開発しているSystemV系のUNIXライクOSです。同社のワークステーションに搭載されています。こちらも企業サーバーではおなじみですね。
・FreeBSD
FreeBSD開発チームが無料公開・無料配布しているBSD系のUNIXライクOSです。無料という点とあまりマシンパワーを必要とせずに使えることからインターネットサーバーとして利用する人が増えています。ただ、日本では普及していますが、本国のアメリカではあまり普及していません。
・Linux
無料公開・無料配布が行われている現在もっとも人気があり、普及しているUNIXライクOSです。このOSはディストリビューションと呼ばれるパッケージで配布・販売されています。代表的なものでRedHat、Turboなどがあり、こちらもあまりマシンパワーを必要としません。
・Solaris
SunMicrosystems社の開発するSystemV系のUNIXライクOSです。そうです、あの有名なJavaを開発したところです。GUI(Graphical User Interface)を標準装備し、サーバー管理者に非常に受けのいいOSでもあります。
・SunOS
こちらもSunMicrosystems社の開発するBSD系のUNIXライクOSです。しかしSolarisと違い、GUIを装備していません。同社の販売するワークステーションで動作します。
SystemV系とBSD系 UNIXの元祖であるAT&T社が新しいバージョンとして開発したのがSystemV系で、BSD系はカリフォルニア大学Barkeley校によって別途開発されました。 |
login
あなたが加入しているプロバイダのサーバーは間違いなくUNIXライクOSかWindowsNT系を利用しているはずです。これらのOSは複数の人が同じサーバー上で同時に別々の処理を行う事ができるようになっています。例えば、あなたがプロバイダにダイアルアップしているとき、他のユーザーも同じことをしているかもしれません。一人の人がそのサーバーにアクセスしたら他の人は順番待ち・・・、などといったことになったら大変です。
UNIXを利用するにはloginしなければなりません。loginとはあなたをあなた本人であると認証してUNIXに迎え入れる、例えて云えば玄関と鍵のようなものです。プロバイダと契約したときにログインIDとパスワードというものを貰ったはずです。これらをアカウントといいます。ダイアルアップするときには、プロバイダのサーバーにアカウント情報を送ることによってloginしているわけです。
UNIXのコマンド
UNIXの基本はコマンドです。DOSを覚えている人のほうが分かりやすいと思いますが、とにもかくにも、以下のコマンドは覚えておいた方が良いでしょう。
ls | ファイルを一覧表示する。DOSでいうところのdirコマンドと同じ。オプションフラグを指定することにより、さまざまな形式のファイルリストを表示することができる。 以下に最もよく使用されるlsコマンドのフラグを示します。 -a 隠しファイルを含めた全てのファイルを一覧表示する。 |
cd | ディレクトリを移動する。DOSのcdコマンドと同じ。ただ、DOSとはディレクトリの表示方法が違い、例えばDOSではC:\perl\bin\perlとなるところをUNIXでは/perl/bin/perlと表す。 |
pwd | 現在のカレントディレクトリ(作業ディレクトリ)を表示する。 |
cp | ファイルやディレクトリをコピーする。DOSのcopyコマンドと同じ。書式は(cp コピーするファイル コピー先)となる。ファイル/ディレクトリの区別はない。 |
rm | ファイルやディレクトリを削除する。-rオプションをつけることでディレクトリを、更に-fオプションをつけることで強制削除ができる。 ただしroot(サーバーの管理者)になったら間違ってもrm -rf /などと入力をしてはいけません。ハードディスクの中身ごと全部消えちゃいますよ。 |
mv | ファイル/ディレクトリを移動する。また、名前を変えるときにも使用する。 |
which | 指定したコマンドやプログラム名が実際にどこで実行されるのか、そのパスを表示する。例えばプロバイダのPerlの所在を知るには
which perl と指定する。 |
その他のコマンドについてはUNIXコマンドリファレンスを参照してください。
ディレクトリ構成
UNIXライクOSの中でも現在最も人気の高いLinuxを例に、ディレクトリの構成(Windowsのフォルダに相当)を見てみましょう。以下に示すディレクトリの一覧は勿論網羅的なものではなく、普段よく使うものや、重要なものを中心に取り上げています。
・/(ルートディレクトリ)の直下にある主要なディレクトリ
/bin | 基本的なコマンドが置かれているディレクトリ。 |
/dev | デバイスファイルがまとめられているディレクトリ。 |
/etc | システムの基本的な設定ファイルが置かれているディレクトリ。 |
/home | 一般ユーザーが自分の本拠地(ホームディレクトリ)として使うディレクトリ。 |
/lib | 基本コマンドの実行に必要なライブラリファイル(WindowsのDLLに相当します)が置かれているディレクトリ。 |
/root | システム全体に関わる設定ができる特別なユーザーであるroot(管理者)のホームディレクトリ。 |
/sbin | 管理者用のコマンドが置かれているディレクトリ。 |
/tmp | コマンドが実行中に生成する一時ファイルが置かれるディレクトリ。 |
/usr | 一般ユーザーが使えるコマンドや、それらの設定ファイル、ライブラリ、ドキュメントなどが置かれているディレクトリ。 |
/var | プリンタ、メール、システムログなどのスプール領域として使われるディレクトリ |
この他にもディレクトリはありますが、一般に使われるものは上に示した通りです。この基本的なディレクトリ構成は、他のUNIXシステムにおいてもほとんど変わることはありませんので、他の環境に移った場合でもこれらさえ知っていれば迷うことはないでしょう。
パーミッション
システムを共有する場合には、まず間違いなく公開するファイルとは別に、自分用の自分だけしかアクセスできないようにしたいファイルを持つことになるでしょう。UNIXではファイルのパーミッションフラグと所有者を指定することによって、自分のファイルに誰がどうアクセスできて、誰ができないかをコントロールすることができます。
FTPソフトを使ってUNIXサーバーにログインすると以下のようなものを見ることができると思います。
パーミッション | 所有者 | グループ | サイズ | 日 付 | 名 前 |
-rw-r--r-- | vaio0630 | users | 65754 | Feb 15 23:09 | index.html |
-rw-r--r-- | vaio0630 | users | 115054 | Jan 06 11:34 | info.htm |
drwxrwxrwx | vaio0630 | users | 1235 | Feb 28 05:12 | cgi-bin |
drwxr-xr-x | vaio0630 | users | 1023 | Jan 16 09:12 | images |
ここで、1番最初の-rw-r--r--について説明しましょう。
パーミッションは10文字で表示され、まず最初の一文字がそこがディレクトリであるかどうかを表示します。ディレクトリであれば「d」、そうでない場合には「-」で表示されます。
次の3文字がユーザーのアクセス権を、その次の3文字がグループレベルのアクセス権、最後の3文字がその他のユーザーのアクセス権を示します。それぞれの文字の意味は、最初から
r 読み取り可 - 読み取り不可 w 書き込み可 - 書き込み不可 x 実行可 - 実行不可 |
となります。上の例では、これはディレクトリではなくファイルであり、ユーザーは読むことと書き込むことはできるが、実行することはできません。また、グループレベルとその他のユーザーは読むことだけできます。
ファイルシステム
UNIXのファイルシステムについて簡単に説明しておきましょう。
大部分のOSでは、ファイルとは一意の名前が付けられてディスク上に格納されたデータの仕組みでしかありません。例えばファイルの中身は名前と番号のリストだったり、Wordで書いた挨拶状であったり、あるいは実行可能なプログラムだったりするかも知れません。しかし、UNIX上ではそのどれもがファイルなのです。データ、実行可能なプログラムだけでなく、ディレクトリや、コンピューターのさまざまな構成要素さえも、ファイルとして扱われます。つまり、キーボードやプリンタ、CD-ROM、あるいはシステムのメモリまでも表すファイルがあるということです。こういった特殊なファイルはデバイスと呼ばれ、/devに置かれています。UNIXは物理的なハードウエアデバイスとやり取りする必要があるときは、これらの特殊ファイルのどれかを読み書きする形でやり取りを行います。
どうですか?UNIXについて理解できましたか?
インターネット上のサーバーの大部分がUNIXによって運営されていることから、インターネットを理解するためにはUNIXは避けて通れないものとなっています。
つい最近までは例えばLinuxにおいても、まずインストールすること自体が鬼門でした。しかし、現在ではWindowsをインストールするのと全く同じ感覚でインストールができるようになりました。無料配布が原則ということもあって、誰でも入手可能です。書店に行けば解説本と一緒で3000円くらいで売っていますから、インストールしてみてはいかがでしょうか。習うより慣れろです。
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