中世城郭愛好家、土の城派「武蔵の菅原」です。
平成19年の夏には、栃木県宇都宮市の飛山城に行ってきました。
飛山城は、西を鬼怒川が洗う断崖上に位置しています。国の史跡に指定され、公園化され、整備されています。
公園内には「とびやま歴史体験館」があり、飛山城の資料が入手できます。
飛山城は、宇都宮氏の重臣「芳賀氏」の城です。
戦国時代後期、宇都宮氏は、小田原から北上する北条氏の圧迫を受けます。
この頃に、飛山城は大拡幅工事を受けたようです。
中心部は、堀も浅く、土塁も低く、古い形式です。
外郭部は、拡幅工事によるもので、堀が深く、土塁は高く、横矢がかりの櫓台を備えるなど、戦闘性が高い構造となっています。
1城で2種類の構造を楽しめる、お得な城です。
大手の木橋が復元されています。
中心部のしょぼい堀と土塁です。
写真を撮るのを忘れてしまいましたが、郭内には、将兵の詰所建造物などが復元されています。
飛山城から、鬼怒川をはさんで宇都宮方面を見た写真です。
北条氏の来襲に対応して、飛山城には、同盟する佐竹氏の軍勢が派遣されたとのことです。
宇都宮氏の重臣皆川氏が北条へ寝返るなど、宇都宮氏は北条の圧迫に耐えかね、本拠を宇都宮城から、北方の多気山城へ移しました。
秀吉の関東総無事令が無ければ、宇都宮、佐竹同盟は滅亡の危機だったと思われます。