tokimekiya syouhei
ときめき屋正平 詩集
ときめき屋正平
飢えのしらせが日々もたらされる
日照りが続きいくさが続きはやり病が続き
大水が出て地はくずれ
作物や家や牛やにわとりが流される
病で立てぬ人を置き去りにする
目のみえぬ年寄りを道端に放り出す
偽りの菓子や偽りの肉を売り
ごまかしだらけの家を造り売り抜ける
いつわりのもうけを企む
ふたたび
いつくしみと
みたび
おおらかさと
よたび
平和と
ごたび
正義の心根を薄衣にくるみ
飾り帯をしっかり体に結わえて
おお
いとおしい人も舞い踊り
命こそ宝の道へ行進を誘う
緑葉の茂みが覆う大きな樹のもとで
人がつどい安らぎを歌いかわす
蝶の群れが晴れた青空に舞い
蜂も柔らかな草と色あふれる花に戯れ
はるかペルシャの鹿の王が岩山を駆けおりてくるか
人がおだやかに語りあい宴に酔うているこの地に
ぶどうの実の枝をくわえた尾長鳥も舞い降りるか
飢えのしらせがきょうも もたらされたのだけれど