●ダイオキシン類対策特別措置法
平成12年1月15日に「ダイオキシン類対策特別措置法」が施行され、
1時間あたりの焼却能力50s以上もしくは火床面積0.5m2以上の焼却炉が規制の対象となりました。
そして焼却炉の設置者(使用者)は、以下の義務が課せられます。
@特定施設届出
新設炉は、設置の60日前までに都道府県知事に届出が必要となります。
Aダイオキシン類の測定
毎年1回以上、排出ガス・焼却灰・集塵機捕集煤塵のダイオキシン類を測定し報告をしなければなりません。
その際、焼却炉のダイオキシン類の濃度が基準値を上回った場合、焼却炉の改善をしなければなりません。
【ダイオキシン類排出濃度の基準】
施設規模 |
規制対象 |
基準値 ng-TEQ/m3N |
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新設炉 |
既設炉 |
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〜平成14年11月 |
平成14年12月〜 |
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火床面積 0.5m2〜2.0m2 1時間あたりの焼却能力50kg〜200kg |
排出ガス |
5 |
80 |
10 |
煤塵及び 燃え殻 |
3 |
基準の適用を |
3 |
「1時間当たりの焼却能力200kg〜2000kg、炉床面積2u以上の焼却炉」
構造基準(改正後の主なもの)
@外気と遮断された状態で定量ずつ連続的に廃棄物を燃焼室に投入できる供給装置の設置
A次の要件を備えた燃焼室の設置
燃焼ガスの温度が800℃以上の状態で2秒以上滞留
外気と遮断
助燃装置の設置
燃焼に必要な空気を供給できる設備の設置
B燃焼ガスの温度をおおむね200℃以下に冷却できる冷却設備の設置
Cばいじんを除去する高度の機能を有する排ガス処理設備の設置
D燃焼ガス温度及び排ガス中の一酸化炭素濃度の連続測定・記録のための装置の設置
Eばいじんを焼却灰と分離して排出・貯留できる設備の設置
維持管理基準(改正後の主なもの)
@燃焼室への廃棄物の投入は、定量ずつ連続的に行うこと。
A燃焼室中の燃焼ガス温度を800℃以上に保つこと。
B焼却灰の熱しゃく減量を10%以下とすること。
C運転開始時には炉温を速やかに上昇させ、運転停止時には炉温を高温に保ち廃棄物を燃焼し尽くすこと。
D集じん器に流入する燃焼ガスの温度をおおむね200℃以下に冷却すること。
E冷却設備等にたい積したばいじんを除去すること。
F排ガス中の一酸化炭素濃度を100ppm以下にすること。
G排ガス中のダイオキシン濃度を一定以下にすること。
●廃棄物の処理および清掃に関する法律(廃掃法)施行規則一部改正 ⇒平成14年12月1日施行
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現在の条文 |
改正後の条文 |
規則 設備の構造 |
@空気取入口及び煙突の先端以外に焼却設備内と外気とが接することなくごみを焼却できるものであること。 A燃焼に必要な量の空気の通風が行なわれるものであること。 |
@空気取入口及び煙突の先端以外に焼却設備内と外気とが接することなく、燃焼室において発生する ガス(以下燃焼ガスという)の温度が摂氏八百度以上の状態で廃棄物を焼却できるものであること。 A燃焼に必要な量の空気の通風が行なわれるものであること。 B外気と遮断された状態で定量ずつ廃棄物を燃焼室に投入することができるものであること (ガス化燃焼法式その他の構造上やむを得ないと認められる焼却設備の場合を除く。) C燃焼室中の燃焼ガスの温度を測定するための装置が設けられていること。 D燃焼ガスの温度を保つために、必要な助燃装置が設けられていること。 |
●廃棄物焼却施設内作業におけるダイオキシン類ばく露防止対策
厚生労働省は「労働安全衛生規則」、「安全衛生特別教育規定」を平成13年4月25日に改正し、平成13年6月1日より施行しています。
改正規則では、火床面積が0.5u以上又は焼却能力が1時間当たり50kg以上の廃棄物焼却炉(ダイオキシン類対策特別措置法の対象焼却炉です)を有する廃棄物焼却施設における以下の作業を対象としています。
●廃棄物の焼却施設におけるばいじん及び焼却灰その他燃え殻を取り扱う業務に係る作業。
●廃棄物の焼却施設に設置された廃棄物焼却炉、集じん機等の設備の保守点検等の業務に係る作業。
●廃棄物の焼却施設に設置された廃棄物焼却炉、集じん機等の設備の解体等の業務及び
これに伴う煤塵及び焼却灰、その他燃え殻の取扱いの業務に係る作業。
§改定要網の内容
@特別教育の実施
A解体作業に係る計画の届出
Bダイオキシン類の濃度及び含有率の測定
C解体作業の際の付着物の除去
Dダイオキシン類を含む物の発散源の湿潤化
E保護具の選択及び使用
F作業指揮者の選任
上記の改正規則の措置とともに「廃棄物焼却施設内作業におけるダイオキシン類ばく露防止対策要綱」では、
次のような事項が示されています。
@運転・点検等作業
・空気中のダイオキシン類濃度の測定
・測定結果に基づく管理区域の決定
・管理区域に応じたダイオキシン類の発散防止対策
・使用する保護具の選定
・当別教育
・作業指揮者の選任
・ダイオキシン類対策委員会の設置
A解体作業
・所轄労働基準監督署長あて計画の届出
・汚染物のサンプリング調査、実施
・空気中のダイオキシン類の濃度の測定
・調査・測定結果に基づく解体方法の決定
・使用する保護具の選定
・特別教育の実施
・作業指揮者の選任
・汚染物の除去
・作業場所の分離
・発散源の湿潤化
・排気、排水及び解体廃棄物の処理方法の適正化