不妊症  【ホーム】【戻る


    ○症例 

 患 者、29才、
 初 診、7月28日
 主 訴、妊娠7ヶ月で胎児が育っていない、1300g、逆子
 現 病、以前に妊娠したときも今回同様胎児が育たなくて死産したので、またそうならないかと不安だという。
 望 診、162cm、54kg、割と細め、お腹は余り目立たない。
 問 診、食欲、便通、睡眠はまあまあ、お腹が張る、腰痛、逆子、湿疹。
 切 診、ナソ部はゴム粘土様所見。
 脉 診、脉状はやや浮、数、虚、比較脉診では脾腎相克。
 弁 別、子供が育たない、お腹が張るは脾、逆子は冷えによるとすれば腎か脾、腰痛は腎の変動。
 証決定、以上のことより脾腎相克、適応は右。
 本治法、てい鍼で右太白、太稜に補法、検脉すると胃経に虚性の邪が触れたので、ステンレス鍼にて左豊隆に枯に応じる補中の瀉法。
 標治法、三陰交、右至陰に温灸。ナソ部の処置。横向きで腰部に散鍼。
確認の検脉をして終了。
 自宅で三陰交に施灸を指示(千年灸)
 3回目、8月4日、逆子が治る。
 4回目、8月26日、施灸をすることで胎児が成長している、1800g
 5回目、9月2日、いつのまにか手の湿疹が消えているとのこと。
 7回目、10月15日、3000gを越えたとのこと。腰より下の仙骨部に補鍼を数ヶ所加える。

※11月2日に 3900gで丈夫な男児出産。
※通常3900gだと難産といわれるが、陣痛が来て分娩室に入って直ぐに出産、母親が直ぐには生まれないだろうと、婿さんの両親を迎えに行ってる間に生まれてしまったという。
 産後の肥立ちも良好とのこと。

【考察】 経絡治療の本治法で体調を整えるのは勿論の事ですが、古来より言い伝えられてきた三陰交の安産灸はこうも効果があるとは驚きで す。もっともっと普及させるべき優れた治療法ではありますが、なかなか難しい事です。
 


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