ムチ打ち症  【ホーム】【戻る


 ムチ打ち症とは、頸部が衝撃的なフレ方をする事により生ずる障害であって、そのフレ方が空中でカラ振される鞭のフレに似ているところから名づけられたの
です。
 典型的な例として追突事故によって発生するものがあります。これは衝突による急激な力が体に加わることで、頭が前後に大きく揺すられて、首を痛めます。
むち打ち損傷は、この種の外傷のうち、比較的軽いものの総称です。「頚椎捻挫」とも呼ばれます。

 <原因>
 交通事故や転倒、転落などによる突然の衝撃で、頸部(首)に急激な力が加わった時に、過屈曲、過伸展、過回旋などがおき、頚椎のずれ(捻挫)を引き起こします。
 外傷は靱帯、筋肉、神経、脈管系にまで影響してきます。こういう組織は軟部組織と呼ばれ、過伸展したりして、いったん傷めてしまうと治るまでに時間がか
かります。
 <症状>
 頚部の屈伸や回旋運動時に激痛があって動かせないというムチ打ち特有の症状がおこります。時間の経過とともに頭痛、めまい、吐き気。肘や指先のしびれ感、ピリピリ感、肩や上肢全体の重だるさなどを伴うこともあります。
 症状には受傷直後に発するものと遅れて発現するものとがあります。従って例え軽い事故であったにしても、軽く転倒した程度で、その時には何にも症状がない状態であっても、後から症状が出てくることがあります。
 *交通事故の場合はたとえ軽くても必ず整形を受診してください。
 また「ムチ打ち症」という心理的な不安から自律神経失調や心因性疼痛などの精神神経症状を訴えることもあります。
 <経過>
 損傷の程度により治療期間そのものに相当の開きがありますが、軽度のものでは首の靭帯、筋肉、関節などを痛めて首や背中に痛みが出る程度で多くの場合、首を固定するカラーを着用して安静にしていると1〜2週間で自然に治ります。
 しかし治療経過が思わしくなく症状が慢性化するケースも少なくありません。これは痛みによる刺激が、首付近に密集している自律神経のバランスを崩すため
に起きます。腕や手のしびれや冷感、頭痛、耳鳴り、めまい、吐き気など多彩な症状が出ることがあります。いったん自律神経のバランスが崩れると、痛みに敏
感になります。これが悪循環となって、しつこい症状が続くようになります。
 一般に更年期の女性、根をつめて同じ作業を長時間続ける人、大きなストレスを抱えている人、うつ傾向のある人などは自律神経のバランスを崩しやすく、ち
ょっとした首の怪我をきっかけに長期化することあります。
 <治療>
 西洋医学的には首の筋肉を温める温熱療法、筋肉の緊張を和らげる運動療法やマッサージ、鎮痛剤や筋弛緩剤の使用など、首の症状への様々な対症療法がありますが、いずれもある程度は効果があっても一時的に過ぎません。
 鍼灸(経絡治療)は生命力・自然治癒力を高めることで全身のバランスを整え治癒に導きます。
 *ムチ打ち症は鍼灸の保険診療の対象疾患になっています。
 <日常生活の注意>
 最も大切なのは、崩れた自律神経のバランスを整える環境を作ることです。それには、ストレスをためない、睡眠不足など体調を崩しやすいことは避ける、長
時間の作業では適度に休息する、歩くなどの軽い運動をするなど、日ごろの生活や仕事での心配りが基本になります。
 また、治らないのではないかというように心配するぎるのもよくありません。不安感や被害者意識を強く持たずに、「いずれは必ず治る」と考え、気長に治そうとする心構えも大切です。


脈診流経絡治療・はり灸・小児はり
秋 山 治 療 院
八王子市楢原町1817-2
042-624-6561

topへ戻る